瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

冲方丁『光圀伝』(2)

 昨日の続きで、帯の折返しについて。文字は全て横組み。
 表紙側折返しには黄色の明朝体でやや大きく「第7回本屋大賞受賞の/ベストセラー時代小説」とあって、白の明朝体で大きく「冲方丁天地明察』」とあり、その下の右側には文庫版の、白黒の書影。斜めになって手前に『上』、少し重なった後ろに『下』。

天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(上) (角川文庫)

  • 作者:冲方 丁
  • 発売日: 2012/05/18
  • メディア: 文庫
天地明察(下) (角川文庫)

天地明察(下) (角川文庫)

  • 作者:冲方 丁
  • 発売日: 2012/05/18
  • メディア: 文庫
 その左、著者名のすぐ下から白の明朝体でごく小さく「角川文庫 上下各巻580円(5%税込)」。その下を26個の黒みがかった黄色の丸の点線(3.6cm)で仕切って、ゴシック体の黄色でやや大きく「映画天地明察9月15日公開!」に白のゴシック体で小さく「出演:岡田准一 宮﨑あおい ほか|監督:滝田洋二郎 音楽:久石譲|脚本:加藤正人滝田洋二郎|共同配給 角川映画/松竹」改行位置は「|」で示した。
滝田洋二郎 監督『天地明察2012年9月15日公開
天地明察 [DVD]

天地明察 [DVD]

  • 発売日: 2013/02/22
  • メディア: DVD
天地明察 [DVD]

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  • メディア: DVD
天地明察 豪華版 [DVD]

天地明察 豪華版 [DVD]

  • 発売日: 2013/02/22
  • メディア: DVD
天地明察 オリジナルサウンドトラック

天地明察 オリジナルサウンドトラック

  • アーティスト:久石譲
  • 発売日: 2012/09/12
  • メディア: CD
 本書の刊行が映画を当て込んで為されたかのように見えてしまう。なお、主演の岡田准一は、大河ドラマ軍師官兵衛」関連書籍・雑誌では2014年3月26日付「松本清張『軍師の境遇』(4)」に見たように、書影の写真が全てシルエットになっていたのだが、こちらは何故かそうなっていない。しかし雑誌の切り抜き(?)も出品されるのは凄いな。TVにも映画にもジャニーズを出したくなる訳だ。
 裏表紙側の折返しには、黄色で大きく「『光圀伝』早くも漫画化!」とあって、その下、左に(一)の白黒の書影。
光圀伝 (一) (単行本コミックス)

光圀伝 (一) (単行本コミックス)

  • 作者:三宅 乱丈
  • 発売日: 2012/09/04
  • メディア: コミック
 右に黄色で「コミックス第1巻、本書と同日発売!」とあって白で大きく「『光圀伝』」以上明朝体。その下に3行、白のゴシック体で、まづ「漫画:三宅乱丈」次に小さく「B6判単行本コミックス 発行:角川書店」その下はやや太く「サムライエース」にて絶賛連載中!」。
 黒みがかった黄色い丸の点線(5.7cm)で仕切って、黄色の明朝体太字で「「小説 野性時代」9月12日発売号で冲方丁総力特集!」とあって、やや大きい黒みがかった黄色い丸で2項目、文字は白のゴシック体で、左の1項めは「スペシャル対談冲方丁×岡田准一」、右の2項めは「『光圀伝』ロングインタビュー」最後の2字の下にごく小さく「ほか」と添える。
 再度黒みがかった黄色い丸の点線(5.7cm)で仕切って、黄色の明朝体太字で「コミック版天地明察』」右にゴシック体の割書「月刊アフタヌーンで/好評連載中!」と添える。その下は白のゴシック体で「アフタヌーンKC『天地明察』①~③発売中!/漫画:槇えびし/発行:講談社」この最後の行、右側に黒みがかった明朝体で「978-4-04-110274-9 光圀伝」とある。
 帯に隠れるカバーの文字は、カバー表紙最下部中央にごく小さく白の明朝体で「角川書店」、カバー背表紙にも同様に版元名、カバー表紙折返しの最下部、白のゴシック体でごく小さく「装画/橋本雅邦「龍虎図屏風」(静嘉堂文庫美術館所蔵)」折返しの文字はこれのみ。
 ――以上は昨日のうちに準備して置いて、今日、都内の図書館に本を返却するついでに本書を売却し、それから図書館の棚(!)で本書の5版を目にしたのだが、10月10日発行である。すなわち、10日に1度の割で増刷されていることになり、それだけ『天地明察』が売れていて、そして丁度映画が上映されていたことで『光圀伝』の販売にも力が入っていたことが察せられるのであるが、それだけに買取価格は定価の約1/63であった。

  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

 オリンピックやめます、と先に言った方が、その決断の責任を被らなきゃいけないから、IOCJOC も首相も「完全な形で開催する」とか、寝惚けたようなことを言っているらしい。悪いけど、金に目がくらんでまともな判断が出来なくなったように見えるよ。「決められない政治」を批判して(私は民主主義とは面倒臭いもので、すぐに決められなくてもしょうがないんだ、と思っているのだけれども)政権を取ったんだから、ここでこそその決断力を見せてもらいたい。
 それから、言ったら負けとか、言ったもん勝ちみたいな風潮の弊害がここまで明らかになった以上、世界は議論のやり方を変えるべきだ。すなわち、当ブログでやっているように、責任を負わないけれども事実に基づいて突っ込む、みたいに。と云うか、責任は、著作物だったら著者や版元が負うべきで、政治なら政府や与党が負うに決まっているのである。それなのに野党や反対者に対しても責任がどうたら云う論法がまかり通っているから、現首相が過剰に(一部では)評価され、野党に対案を出せと言うのが口封じの手段として有効になるのである(私は以前も度々書いた通り、対案出せは口封じの便法に過ぎず、採用される見込みのない対案を作るくらいなら、絶対通るはずの与党案、つまり責任を負うべき側の意見を徹底的に批判すべきだと考える)*1。好い加減、この辺りの絡繰りを俎上に載せて、閣議参加者にこそきっちり責任を取らせるような方向に持って行かないと、これからどうされるか、まぁ碌なことにはなるまい。いや、もうなっているけれども。

*1:もし首相が共産党の案(別の党でも構わないのだが)に真剣に耳を傾けて、数日間持ち帰って検討したいと答弁して、その上でしおらしく政府・与党案よりも優れているので採用したい、と云ったようなことがあれば、この “対案を要求する論法” の評価を変えても良い。しかし、そんなことをするような気味は、全く見られないので体の良い口封じに過ぎない、と云うのである。――常日頃、議論にまともに応じる様子がないのに、この上、対案を出せなどと言うのは全く以て奇妙である。

冲方丁『光圀伝』(1)

 昨日の続き。
 山折哲雄と云えば何年か前に現天皇(昭和の頃は今上天皇と呼ばされたものだが、今「キンジョウ」とは殆ど聞かない)に自発的に廃太子されるよう、現在休刊中の「新潮45」に寄稿したことがあって、私は天皇家の存続について、そんなに興味がなかったので読んでいない。
 私は江戸城跡(皇居)とか宝物、文書の保全という意味で皇室はあっても良いと思っていたけれども、退位宣言以降、その気持ちが薄れて来た。いや、現皇后に対するバッシングが盛り上がったとき、――どうしても男系子孫を残さないといけないのであれば、周囲は無理にでも現皇后以外の相手を推して早々に結婚させるべきで、現皇后も現天皇に対して元来どの程度気持ちがあったのか知らないが、外交官の仕事を続けたいと思っていたらしいから、そこを殿下(当時)の意思を押し通させて置きながら、今更文句を言うのはおかしいし、この場合、言う相手は女性の方ではなく男性の方だろうと思ったし、だとしても絶対男の子を挙げないといけない、どうしても天皇にならないといけない、とは基本的人権も何もあったものでなく、基本的人権を保障しながら、それが適用されない「象徴」を戴く憲法って何だ、と思ってしまったのである。
 無理になくさなくても良いと思っているけれども、無理矢理、女性宮家を拵えたり、旧宮家を復活させたりしてまで存続させなくても良いと思う。
冲方丁『光圀伝』平成24年8月31日 初版発行・定価1900円・角川書店・751頁・四六判上製本

光圀伝

光圀伝

  • 作者:冲方 丁
  • 発売日: 2012/09/01
  • メディア: 単行本
平成24年10月10日 5版発行・定価1900円*1
 徳川光圀の修史事業には『新編鎌倉志』など、私も研究上いろいろお世話になっているのだが、どうも、私は水戸学が苦手で、何と云っても尊皇攘夷が正気の沙汰と思えない。開国せずに済まされるのならともかく、そんな状況になかった訳で、そして、長州藩尊皇攘夷を叫んでのさばりながら、最後はイギリスと結んで倒幕したと云うのがいよいよ訳が分からない。いや、狂的に尊皇攘夷を叫んで朝廷工作やテロリズムにまで走ったから「安政の大獄」になった訳だし、戦後「志士」と「新撰組」の逆転現象が起こったのも当然で、好い加減「志士」と云う呼び方は止めた方が良いだろう。まぁ「倒幕派」くらいで。――もちろんそれは幕末の話で、徳川光圀の頃は、そこまでの「尊皇」でもなく「攘夷」なんて、まづ問題にしなくても良かった訳だけれども、それでもどうも、腰が引けてしまう。
 それはともかく、本書についても図書館蔵書では保存されない帯について、記述して置こう。
 なお、奥付とカバー裏表紙は Amazon 詳細ページの試し読みで閲覧出来る。
 帯(6.5×46.0cm)は黒地に白抜きもしくは黄色で文字等が入れてある。表紙側にはまづ明朝体白抜きでやや大きく「『天地明察』をしのぐ最新時代小説!」とあり。次に一部が黒っぽくグラデーションの付いた黄色で大きく「太平の世を駆け抜けた/熱き“虎”――水戸光圀。」そして下部左にゴシック体白抜き中央揃え「尋常ならざる熱量で/その鮮烈な生き様を活写した、/魂ふるわす渾身の1500枚!」さらに下に黒みがかった黄色の明朝体で小さく「角川書店」とある。その右には黄土色(2.0×7.3cm)に塗りつぶして上辺の左右の角は少し丸くして、上辺と左右両辺の少し内側を白線で囲って(下辺はそのまま地で切れている)上部に黄色で「映画天地明察」〈9月15日/ 公開! 〉」公開日はゴシック体で割書、黒丸(0.9cm)に重ねてある。下部に白抜きゴシック体で「原作:冲方丁 出演:岡田准一、宮﨑あおいほか」とある。
 背表紙側には縦組みの、明朝体太字の白で3行「『天地明察』の/異才が放つ、/時代小説第二弾!」2行めの下に黒みがかった明朝体縦組みで「角川書店」。
 裏表紙側には横組みで、まづ黄色の明朝体でやや大きく「   生き切る、とはこういうことだ。  /誰も見たこともない〈水戸黄門〉伝、開幕!」とあって、白のゴシック体で、

なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのか――。老齢の光圀は、水戸・西山/荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する。
父・頼房に想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。血気盛んな “傾奇者” として/暴れ回る中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。やがて学問、詩歌の魅力に取り憑かれ、水/戸藩主となった若き “虎” は「大日本史」編纂という空前絶後の大事業に乗り出す――。

とあり、黒みがかった黄色のゴシック体中央揃えで「なぜ、この夜に歴史が必要なのか――。/『天地明察』と対を為す、大河エンタテインメント小説!」として、やや小さくゴシック体白抜きで2行、

  『光圀伝』の最新情報はオフィシャルサイトで → http://mitsukuniden.jp/
Facebookの『光圀伝』ページも開設! http://www.facebook/com/mitsukuniden

とあるのだが、ともにリンク切れ。「対をなす」は「為す」ではなく「成す」だろう。(以下続稿)

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 事務局長が東京五輪入場券の払い戻し不可を否定するような発言をしたそうだ*2
 規約上、払い戻し不可で良いだろう。私ら、東京五輪招致に賛成したこともなく、観戦に行こうなどと云う経済的余裕などまるでない人間にまでこれ以上、負担を押っ被せないでいただきたい。
 今、例によって与党が国民1人当たり12000円給付とか云う、馬鹿みたいなバラマキ政策を進めようとしている。所得税減税とか云う意見もあるらしい。そして、一部野党が主張する消費税減税案には一顧だにしないらしい。赤木俊夫の遺書にも一顧だにしないようだ。それはともかく、私ら所得の少ない人間には、所得税が若干減ったところで殆ど助けにならない。Abenomics で景気が良くなるなんてのは初めから幻想で、株価をそれなりに維持して景気が良い振りをしつつ、所謂氷河期世代を見捨てたままにして非正規雇用を大量に生み出した分でその穴埋めをしているだけではないか。コロナウィルスがなくても消費税増税と云う愚策によって消費は冷え込んでいたではないか。しかし消費税に触れると首相の “政治決断” の責任を問うような按配になるから、そこには触れられないらしい。しかしそんなものは例の所謂「ごはん論法」と、マスコミ支配で何とでも誤魔化せるだろうに。支持率も上がったみたいだし。
 それはともかく、国民全員に給付と云うのはその方が事務手続きが簡単だから、と云う理由らしい。それなら、大損害の上に余計な事務手続きが発生し、しかもその新たな負担を東京五輪不賛成の私らにまで押っ被せることになる払い戻しなど、絶対しないでいただきたい*3。規約を大学入試センター試験の後継になるはずだったテストに対応出来る程度の学力で普通に読めば、払い戻さなくても良いのは明らかである。少しでも損害を少なくして、これ以上、余計な負担をさせないで欲しい。

*1:2020年3月20日追加。

*2:以下は3月10日付「図書館派の生活(4)」の続き。

*3:事務手続きを関係団体が「ボランティア」でやってくれるのなら、――いや、それでも払い戻した分が大損害だ。