瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

清水成夫 編『八王子周辺の民話』(1)

・郷土資料シリーズ(4)『八王子周辺の民話』昭和43年8月1日発行・東京都立八王子図書館・67+4頁・A5判並製本
 表紙は淡い紫色の模造紙で、表紙の文字は明朝体縦組み、中央に太字で大きく「八 王 子 周 辺 の 民 話」と標題、その右脇上寄りに「清 水 成 夫 編」とある。右上に小さく「郷土資料シリーズ ⑷」、左下にやや大きく「東 京 都 立 八 王 子 図 書 館」とある。背表紙は明朝体縦組みでごく小さく、上部に「八 王 子 周 辺 の 民 話」6字分空けて「清 水 成 夫 編」下部に「東 京 都 立 八 王 子 図 書 館」とある。
 現在、八王子市に都立図書館はないが、八王子事典の会 編『八王子事典』を見るに、696頁18~22行め、

八王子図書館(都立)
 明神町.1955年(昭和30)1月4日開館.市立八王子図書館よ/り東京都に移管を受け,都立八王子図書館として上野町に開/館した.その後,73年12月1日東町に移転,開館.87年3月31/日,都立多摩図書館に統合され,閉館.

とある。ちょっとこなれない説明で、「上野町に開館し」て「東町に移転」したのは分かるのだが冒頭の「明神町.」が何を指すのかがよく分からない。今度改訂版を確認して見ることとしよう。本書の奥付には、標題/シリーズ名/発行日が横組み、そして縦組みで編者と発行者と印刷所が並んでいるが、発行者には「東京都立八王子図書館」と添えるのみで所在地は入っていない。しかし上野町にあったはずである。
 本書はその後、このシリーズを合冊した次の本に収録されている。
・郷土資料シリーズ(一~五集)『郷土の自然と文化』東京都立八王子図書館・A5判並製本
 この合本がいつ作られたのか、合本刊行の経緯を記した文章や、合本の奥付がないので分からない。東京都立八王子図書館の刊行物であることは、表紙に明朝体縦組みで中央に太字で大きく標題、右上に「郷土資料シリーズ(一~五集)」、左下にやや大きく「東 京 都 立 八 王 子 図 書 館」とあり、背表紙に、私の見た本では左寄りに、上部に標題「郷 土 の 自 然 と 文 化」下部に「東 京 都 立 八 王 子 図 書 館」とあることから分かる。
 合本の表紙は布目を摺出した萌黄色で、本文共紙の見返し(遊紙)があり、次いで「郷土資料シリーズ ㈠」の薄井益太郎著「子ども会昔ばなし/――八王子児童文化小史――」の扉があって,裏は白紙、頁付は(19)までだが本文は20頁(頁付なし)まで続いており奥付には「昭和四十一年三月二十日 発行」とある。著 者/発行者/発行所/印刷所のうち「発行所 東京都立八王子図書館」に下詰めで「八王子市上野町三七」と添えてある。
 続いて「郷土資料シリーズ ㈡」の薄井益太郎 編『八王子周辺のわらべ唄』の扉があるがこれが1頁(頁付なし)らしい。頁付は5頁から、中扉を除いて入っており51頁まで、その裏が奥付で「昭和四十二年二月二十日 発行」とある。編 者/発行者/発行所/印刷所。
 次に「郷土資料シリーズ ㈢」の服部憲治著『心のふるさと高尾山』の扉があるがこれと裏の八王子図書館長 秋間節愛「ま え が き」は頁付なし。頁付は「― 1 ―」から「― 20 ―」で最後の頁の下段左に奥付があって「昭和四十二年三月三十一日 発行」とある。編 者/発行者/発行所/印刷所。ここまで3点の奥付は囲みであった。
 次が本書の扉であるが、本書の表紙の文字をやや拡大して、左下の「東 京 都 立 八 王 子 図 書 館」を削っている。
 本書元来の扉は中央に標題「八 王 子 周 辺 の 民 話」とあったが合本では省かれている。合本の扉裏の八王子図書館長 秋間節愛「ま え が き」は本書野元来の扉の裏にあったもので、以下奥付までそのまま復刻されているが、図版はかなり荒れている。
 最後に「郷土資料シリーズ ㈤」の椚国男『緑がなくなるとき/―ひとつの文化財保護運動の記録―』の扉、裏は白紙で1~2頁「目   次」には頁付がなく3頁から93頁まで。その裏に奥付。発行者の所在地は同じだが館長は北御門憲一に替わっている。また印刷所の表現社の所在地が初めて表示された。
 以上5冊を合本したもので、この次が裏表紙折返し(遊紙)である。せめて合本の奥付は付けて欲しかった。裏表紙には文字はない。(以下続稿)

大和田刑場跡(9)

・商工省 編纂『全國工場通覽』日刊工業新聞社
 この『全國工場通覽』は震災前、大正11年(1922)12月に出たままになっていたのを昭和6年(1931)に商工省の命により日刊工業新聞社(大阪)から復刊、以後ほぼ毎年刊行されて平成8年(1996)まで続刊されていた。
・『全国工塲通覽』昭和六年九月 二 十日印刷・昭和六年九月二十五日發行・定価金參圓・一一三〇頁
 扉に「=月六年四和昭=」また「在現末年四和昭」とある。扉裏の「凡例」は「昭和六年九月十五日」付、その3項めに「一、本書掲載事項の調査は昭和四年一月一日より十二月末日に至る滿一ケ年間の全國的集計にして官廳調査と/  しては最新且つ最精細のものである。」とある。この他にもかなりの広告頁がある。「五、化學工業」の「關東、各地  (製紙業)」 の項などを見たが八王子製紙は見当らなかった。
・昭和七年版『全國工塲通覽』昭和七年七月十七日印刷・昭和七年七月二十日發行・實價五圓・七七四頁
 扉裏の「凡例」は「昭和七年七月」付で3項めは「昭和五年」となっていて最後の句点がなくなっている他は前年版に同じ。「五、化學工業」の「製紙業」の「東京市東京府」には見当らない。
・昭和八年版『全國工塲通覽』昭和八年七月二十日印刷・昭和八年七月二十五日發行・實價五圓・八一七頁
 扉裏の「凡例」は「昭和八年七月」付で3項めは「昭和六年」となっている他は前年版に同じ。四〇九~五〇〇頁「五、化學工業」四七三頁4段組の4段め11行め~四七九頁2段め5行め「製紙業」の四七四頁1段め6行め~3段め3行め「東京府東京市」の項の最初、四七四頁1段め7行め、

八王子 製紙株式會社 〈東京府南多摩郡小宮村大和田[創]/昭三、一〇[品]淺草紙〉

とある。「株式會社」は2字分詰めた活字を使っている。[創]と[品]は黒い四角に白抜き。
・昭和九年版『全國工塲通覽』昭和九年九月二十日印刷・昭和九年九月二十五日發行・定價五圓・一二〇六頁
 扉裏の「凡例」は「昭和九年九月」付で3項めは「一、本書掲載事項の調査は昭和七年一月一日より十二月末日に至る滿一ケ年間の全國的集計にして官廳調  査としては最新且つ最精細のものである。」となっている。六五七~七四三頁「五、化學工業」七〇二頁中段7行め~七一〇頁上段24行め「製紙業」の七〇二頁中段め8行め~七〇三頁上段14行め「東京市」の項の2番め、七〇二頁中段10行め、

八 王 子製紙株式會社 〈同 南多摩郡小宮村大和田[創]昭六、/八[品]製紙〉

とある。「同」とあるのは1番めの「一 瀬 製 紙 工 塲」の「東京市‥‥」と同じと云うのだが「東京府」とすべきで、そうすると「東京市」に含めてあるのもおかしい。[創]と[品]は黒い四角に白抜き。創立年月が前年版とは変わっている。
・昭和十年版『全國工塲通覽』昭和十年九月二十日印刷・昭和十年九月二十五日發行・定價五圓・一三一六頁
 扉裏の「凡例」は「昭和十年九月」付で3項めは「一、本書掲載事項の調査は昭和八年一月一日より十二月末日に至る滿一ケ年間の全國的集計にして官廳調  査としては最新且つ最精細のものである。」となっている。七二七~八二二頁「五、化學工業」七七九~七八七頁下段1行め「製紙業」の七七九頁上段2行め~下段18行め「東  京  市」に続いて19行め「東  京  府」の見出し、20行め、

八王子 製紙株式會社 〈東京府南多摩郡小宮村大和田八二六/[創]昭六年八[品]淺草紙〉

とある。[創]と[品]は黒い四角に白抜き。なお「化學工業」篇と一一九一~一三〇二頁「十、其ノ他ノ工業」篇を抱き合わせて分冊にした『全国工場通覧』化學・雜工業篇(昭和十年十月廿五日印刷・昭和十年十一月一日發行・實價金壹圓也・九六+一一二頁)もあり、これだと「化學工業」の五三頁下段20行めである。
・昭和十一年版『全國工場通覽』昭和十一年九月二十日印刷・昭和十一年九月二十五日發行・定價五圓・一四四六頁
 扉裏の「凡例」は「昭和十一年九月」付で3項めは「一、本書掲載事項の調査は昭和九年一月一日より十二月末日に至る滿一ケ年間の全國的集計にして官廳調  査としては最新且つ最精細のものである。」となっている。八〇五~九一〇頁「五、化學工業」八六〇頁中段19行め~八六九頁上段2行め「製紙業」の八六〇頁中段20行め~八六一頁中段9行め「東  京  市」に続いて10行め「東  京  府」の見出し、11行め、

八 王 子製紙株式會社 〈東京府南多摩郡小宮町大和田八二六/[創]昭六年八[品]淺草紙〉

とある。小宮村の町制施行を反映している。[創]と[品]は黒い四角に白抜き。
・昭和十二年版『全國工場通覽』昭和十二年八月十八日印刷・昭和十二年八月二十日發行・定價五圓・一五四二頁
 扉裏の「凡例」は「昭和十二年八月」付で3項めは「一、本書掲載事項の調査は昭和十年一月一日より十二月末日に至る滿一ケ年間の全國的集計にして官廳調  査としては最新且つ最精細のものである。」となっている。八七三~九八四頁「五、化學工業」九三二頁中段8行め~九四一頁中段12行め「製紙業」の九三二頁中段9行め~九三三頁上段「東  京  市」に続いて中段1行め「東  京  府」の見出し、2行め、

八王子 製紙株式會社 〈東京府西多摩郡小宮町大和田[創]昭六/年八[品]淺草紙〉

とある。「西多摩郡」は誤り。[創]と[品]は黒い四角に白抜き。
・昭和十三年版『全國工塲通覽』昭和十三年九月十五日印刷・昭和十三年九月二十日發行・定價六圓五拾錢・一六三八頁
 扉裏の「凡例」は「昭和十三年九月」付で3項めは「一、本書掲載事項の調査は昭和十一年一月一日より十二月末日に至る滿一ケ年間の全國的集計にして官廳  調査としては最新且つ最精細のものである。」となっている。九三九~一〇五八頁「五、化學工業」一〇〇二頁下段~一〇一二頁上段13行め「製紙業」の一〇〇二頁下段2行め~一〇〇三頁中段21行め「東  京  市」に続いて中段22行め「東  京  府」の見出し、2行め、

王子製紙 株式會社 〈東京府南多摩郡小宮町大和田八二六/[創]昭六年八[品]淺草紙〉

とある。[創]と[品]は黒い四角に白抜き。
・昭和十四年版『全國工塲通覽』昭和十四年十月 十 日印刷・昭和十四年十月二十日發行・定價八圓・一九一二頁
 扉裏の「凡例」は「昭和十四年十月」付で3項めは「一、本書掲載の調査票は昭和十二年一月一日より同年十二月末日に至る集計にして官廳調査としては最新精細の  ものである。」となっている。一〇一七~一一五六頁「五、化學工業」一〇九〇頁上段20行め~一一〇一頁下段6行め「製紙業」の一〇九〇頁上段21~22行め「東  京  府/ 【東  京  市】」との見出しがあって、一〇九一頁上段11行めまで、その最後の行が、

王子製紙 株式會社 〈南多摩郡小宮町大和田八二六[創]昭六/年八[品]淺草紙〉

とあって【東京市】でないのに区別していない。[創]と[品]は黒い四角に白抜き。
・昭和十五年版『全國工塲通覽』昭和十五年十月 十 日印刷・昭和十五年十月二十五日發行・定價八圓・一七三四頁
 扉裏の「凡例」は「昭和十五年十月」付で3項めは「一、本書掲載の調査票は昭和十三年一月一日より同年十二月末日に至る集計にして官廳調査としては最新精細の  ものである。」となっている。一~二三六頁「東 京 府」一五六~一七七頁上段「化學工業」の一七〇頁上段4行め~一七一頁上段5行め「製   紙   業」の最後の行が、

八 王 子製紙株式會社 〈南多摩郡小宮町大和田八二六[創]昭六年/八[品]淺草紙〉

である。[創]と[品]は黒い四角に白抜き。
・昭和十六年版『全國工場通覽』昭和十六年十二月五日印刷・昭和十六年十二月十日發行・定價八圓・二一〇〇頁
 扉裏の「凡例」は「昭和十六年十一月」付で3項めは「一、本書掲載の調査票は昭和十四年一月一日より同年十二月末日に至る集計にして官廳調査としては最新精細の  ものである。」となっている。一~二九〇頁「東 京 府」一六〇頁下段~一八四頁中段14行め「化學工業」の一七二頁下段6行め~一七三頁中段13行め「製   紙   業」の最後の行が、

王子製紙 株式會社 〈南多摩郡小宮町大和田八二六[創]昭五年/五[品]海紙〉

である。[創]と[品]は黒い四角に白抜き。ここで唐突に昭和5年5月創業との説明が持ち出される。昭和6年8月創業とする文献が最も多かったが昭和3年説も2つ見付けている。しかし昭和5年説はこれのみである。
 開戦の影響か、昭和十七年版は刊行されず、戦後復刊されることになる。その点検もするつもりであるが、草臥れた。しばらく休んでから続けることにしよう。(以下続稿)