瑣事加減

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2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

堀辰雄『風立ちぬ』の文庫本(2)

・SDP Bunko(1) 風立ちぬ (SDP Bunko)作者: 堀辰雄出版社/メーカー: SDP発売日: 2008/09/21メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 4回この商品を含むブログ (3件) を見る『風立ちぬ』2008年9月21日初版第1刷発行・定価450円・SDP・141頁。 6月4日付(1)に…

谷崎潤一郎『犯罪小説集』(2)

・集英社文庫(2) 6月3日付(1)の続きで、平成3年(1991)版と平成19年(2007)版の比較。 1頁(頁付なし)の扉はレイアウトが違う。前者は角切の単郭で、上部にゴシック体で「集英社文庫」そして大きな明朝体で「谷崎潤一郎 犯罪小説集」、その下に著者…

夏目漱石『硝子戸の中』の文庫本(07)

・旺文社文庫 『硝子戸の中 他一編』昭和42年2月1日初版発行・昭和42年5月20日重版発行・110円・旺文社・185頁。 装幀は2月5日付「中島敦の文庫本(08)」に取り上げた『李陵・弟子・山月記』に同じ。 書名は背表紙と奥付による。表紙・扉には「硝子戸の中/…

太宰治『人間失格』の文庫本(08)

・角川文庫(8) 三日前からの角川文庫14732についての続き。 最後に2段組の入江才八郎編「年譜」。185頁から始まるのは【改版初版】【改版五版】【改版十四版】ともに同じだが、【改版初版】【改版五版】が196頁までであるのに対し、【改版十四版】は195頁…

太宰治『人間失格』の文庫本(07)

・角川文庫(7) 一昨日からの角川文庫14732についての続き。 さて、角川文庫14732『人間失格・桜桃』は当初、角川文庫7501『人間失格・桜桃』の改版(奥付)にして新装版(カバー背表紙)、という位置付けで、現在は『人間失格』と改題されているが、3頁「…

太宰治『人間失格』の文庫本(06)

・角川文庫(6) 昨日の角川文庫14732の続き。 カバー表紙折返し、最上部に顔写真がありその右に縦組みで「撮影 渡辺好章」、その下に「太宰 治/(だざい おさむ)」横線があって以下【改版初版】と【改版五版】は横組み9行、1行17行の紹介文。ほぼ同文だ…

太宰治『人間失格』の文庫本(05)

口笛を聞いてふと「口笛 吹ーいてー 空き地へ 行ーったー」という歌詞を思い出した。それから「口笛 吹ーいてー 空き地で 死ーんだー 知らない 子ーはもういないー みんな仲間だ仲良しなんだー」という寒い替え歌を歌っていたことを思い出した。 * * * *…

NHKスペシャル『幻の大戦果』(08)

新田原にいつ戻ったか、などというのは詰まらないことなのだけれども、こんなことに引っかかるというのも『比島の悲劇』を「一部加筆訂正」して『大本営参謀の情報戦記』になるのか、という疑問からである。すなわち「加筆訂正」だとして、新田原に戻る件を…

NHKスペシャル『幻の大戦果』(7)

堀氏はこの大戦果に疑いを持ち、東京の大本営に緊急電報を打つのだが、『大本営参謀の情報戦記』単行本139頁・文庫版164頁では、以下のようになっている。 堀が大本営第二部長宛に(参謀は所属長宛に報告するのが原則)緊急電報を打ったのは、その日の夕方七…

NHKスペシャル『幻の大戦果』(6)

『比島の悲劇』からの2つめの引用(書籍版182頁12行め〜183頁9行め)は『大本営参謀の情報戦記』単行本138頁2〜11行め・文庫版162頁10行め〜163頁1行めに当たるが、ここに登場する陸軍の雷撃隊長については、『比島の悲劇』では次のようになっている。書籍版…

NHKスペシャル『幻の大戦果』(5)

それでは手始めに、6月16日付(2)に引用した、書籍版181頁9行めから182頁1行めに相当する部分を『大本営参謀の情報戦記』から探して見よう。即ち「Ⅳ 山下方面軍の情報参謀に」の「1 台湾沖航空線の“大戦果”」の2頁め、単行本136〜137頁文庫版160〜161頁が…

NHKスペシャル『幻の大戦果』(4)

今日返却期限の図書館の本があったのだが、勤め先からは少し遠いので寄らずに帰って来た。良い歳なのだから、いい加減、2011年9月22日付に書いて置いた、昨年9月21日の台風15号の強風下を歩いた経験に学ばないといけない。その代わり、早く帰って来たので、…

小泉八雲『骨董』(1)

平井呈一訳『骨董(岩波文庫32-244-3)』 ・1940年11月15日第1刷発行(201頁) ・1994年3月8日第6刷発行 定価447円 ・2007年2月21日第7刷発行 定価500円 5月14日付で見たように、岩波文庫の『怪談』は少なくとも2度改版されているが、『骨董』は改版なしでリ…

NHKスペシャル『幻の大戦果』(3)

さて、チーフプロデューサーの辻氏の執筆した書籍版では「そのまま」となっている。ところが、放送の方では「そのかたわら」と読んでいた。私は間違いを見付けるとどうして間違ったのか、どこで間違ったのか、が気になってしまう小者なのだが、書籍版の方が…

NHKスペシャル『幻の大戦果』(2)

このNHKスペシャルの書籍版。幻の大戦果・大本営発表の真相 (NHKスペシャルセレクション)作者: 辻泰明,NHK取材班出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2002/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (7件) を見る 辻泰明・NHK…

NHKスペシャル『幻の大戦果』(1)

NHKスペシャル 幻の大戦果 台湾沖航空戦の真相 [DVD]作者: ドキュメンタリー出版社/メーカー: NHKエンタープライズ発売日: 2010/07/23メディア: DVD クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見る 平成14年(2002)8月13日NHK総合にて放送のNHKスペ…

角川文庫の『伊勢物語』(2)

・角川文庫466(2) この二十三版に、Amazonの書影と同じものもある。すなわちこの二十三版の段階で「角川日本古典文庫」から「角川文庫ソフィア」へと模様替えになってカバーも掛け替わったようだが、カバー裏表紙は新旧のカバーとも同じで、白地に左上に…

角川文庫の『伊勢物語』(1)

・角川文庫466(1) 石田穣二 訳注『新版 伊勢物語』角川書店・336頁新版 伊勢物語 付現代語訳 (角川ソフィア文庫 (SP5))作者: 石田穣二出版社/メーカー: 角川学芸出版発売日: 1979/11/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 37回この商品を含むブログ (14件…

角川文庫の『竹取物語』(09)

・角川文庫12147(3)(ビギナーズ・クラシックス) 口絵はカラーで表に1図、裏に2図、1頁(頁付なし)扉、3〜4頁「はじめに」で「平成十三年七月」付で「古典茶房 武田 友宏/ 協力 前田 恵美」の連名。4頁の左の余白に小さい字で4行、 原文は、角川文庫 …

角川文庫の『竹取物語』(08)

・角川文庫12147(2)(ビギナーズ・クラシックス) 5月30日付(07)の続き。前回のはだいぶ前に書いた下書きで、角川文庫の『竹取物語』を刊行順に紹介することにしたので寝かせてあったのだが、十七版も見ていたのに投稿に際して忘れていたことを、続きを…

夏目漱石『硝子戸の中』の文庫本(06)

・新潮文庫373(4) 新潮文庫については、3月11日付(1)から3月14日付(3)までに、五十七刷・八十二刷・九十七刷改版等を比較して記述してみたのだが、カバーは八十四刷で改版になる少し前の八十二刷の時点で、現在の安野光雅の装画に変わっていると3月…

夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(13)

一昨日からの続きで『ちくま日本文学全集023』と『ちくま日本文学029』及び『夏目漱石全集2』について。 * * * * * * * * * * 4月4日付(07)及び5月13日付(10)で問題にした「三」章の「二字アケル」だが、『夏目漱石全集2』278頁7〜8行め、 …

夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(12)

昨日の続きで『ちくま日本文学全集023』と『ちくま日本文学029』について。 * * * * * * * * * * 奥付の前の「*この本の表記・テクストについて」はシリーズ名が違うだけで他は同文、最後の1項は「一、なお、本書に収録した作品のテクストは「夏…

夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(11)

・ちくま日本文学全集023 一九九二年一月二〇日第一刷発行 定価971円夏目漱石 (ちくま日本文学全集)作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1992/01メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る・ちくま日本文学029 二〇〇八年…

太宰治『斜陽』の文庫本(1)

金環日蝕を見た同僚が、今度は金星を見るんだと意気込んでいたが、見損ねた私はそんな熱意もなく、雨が降って惜しかったとか、そういう感情もなく、過ごした。 ・新潮文庫261(1) 『斜陽』というと初めの頃に森鴎外『雁』について取り上げたときに言及した…

中島敦の文庫本(22)

文庫本の話ではないのだが4月10日付(16)の補足なのでここに混ぜて置く。というのも、岩田氏について『中島敦全集』3の「解題」を引いたが、『中島敦全集』別巻の方の「解題」、522頁下段13行め〜527頁下段2行目の鷺只雄「来簡」に、もう少し詳しい紹介が…

堀辰雄『風立ちぬ』の文庫本(1)

・ぶんか社文庫 風立ちぬ (ぶんか社文庫)作者: 堀辰雄出版社/メーカー: ぶんか社発売日: 2009/06/05メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 21回この商品を含むブログ (10件) を見る『風立ちぬ』2009年7月1日初版第一刷発行・定価448円・ぶんか社・156頁。 2月13…

谷崎潤一郎『犯罪小説集』(1)

谷崎潤一郎(1886.7.24〜1965.7.30)本人が『犯罪小説集』と銘打った作品集を出したことはないのだが*1、この題の短篇集が集英社文庫と中公文庫から出ている。 ・集英社文庫(集英社)(1) 『谷崎潤一郎 犯罪小説集』1991年8月25日第1刷・1993年4月21日第5…

太宰治『人間失格』の文庫本(04)

最近角川文庫について書いているけれども、別に角川文庫のファンというのではなくて、改装されていたり、中身が違っていたりすると、メモを取って置きたくなるのである。個別に観察して行くと、消費税などの定価の表示、ISBNコード、郵便番号の桁、発行者や…

太宰治『人間失格』の文庫本(03)

5月31日付(02)の続きで、角川文庫28(改版五十四版)と角川文庫7501の『人間失格・桜桃』とを比較する。・角川文庫(3) 5頁「人間失格」中扉はなくいきなり本文。1頁18行、1行42字。127頁まで。ここは角川文庫28(改版五十四版)5〜127頁と一致している…