瑣事加減

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2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

現代詩文庫47『木原孝一詩集』(7)

この本については、まず3月26日付「偽汽車(1)」で取り上げた。 当時は「一九八七年六月一日第七刷」を参照していたのだが、その後「一九九六年六月一日第八刷」を見た。同じ本なのだけれども、何となく違うのである。そこで、第七刷と第八刷を並べてみた…

幸田露伴『五重塔』の文庫本(3)

③桶谷氏「解説」は、次のように書き出している(117頁)。 幸田露伴は、明治二十二年から二十四年にかけて、求心的な文体をつよめていって、/そういう求心性のつよい文体と釣り合う構成の佳作、秀作をのこした。 『五重塔』はその頂点に達した秀作である。 …

幸田露伴『五重塔』の文庫本(2)

・岩波文庫31-012-1(2) 1頁(頁付なし)扉、複製と現在のものと、レイアウトは一致。①復刻は3頁から本文で94頁まで、1頁15行、1行42字、総ルビ。②79刷は3〜88頁まで本文、1頁16行、1行43字、ルビは半分くらい。ここまでは本字。③は歴史的仮名遣いだが新字…

幸田露伴『五重塔』の文庫本(1)

・岩波文庫31-012-1(1) 五重塔 (岩波文庫)作者: 幸田露伴出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1994/12/16メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 41回この商品を含むブログ (58件) を見る①1927年7月10日第1刷発行 ②1956年11月26日第38刷改版発行©(97頁) ・198…

横光利一『上海』の文庫本(1)

・岩波文庫31-075-2(1) 上海 (岩波文庫)作者: 横光利一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/02/15メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 42回この商品を含むブログ (23件) を見る②1956年1月9日第1刷発行・2008年2月15日改版第1刷発行・定価660円・352頁。…

夏目漱石『漾虚集』の文庫本(1)

・新潮文庫382『倫敦塔・幻影の盾』(1) ①昭和二十七年七月十日発行 ②昭和四十三年九月十五日二十刷改版 ・昭和五十八年十二月二十日四十六刷(222頁)定価220円 ・昭和六十一年九月三十日五十二刷・定価220円*1 ・昭和六十二年五月十五日五十四刷・定価22…

岩館真理子『うちのママが言うことには』(3)

単行本①は巻頭、3〜63頁に「眠るテレフォン」という短篇が収録されている。以下、奇数頁で始まっているものは、まず1頁め暗示や導入のような場面があって、2〜3頁めに見開きで1カットの大きな絵、4頁めから通常、というパターンになっている。 単行本①64頁に…

岩館真理子『うちのママが言うことには』(2)

カバーについてもう少し補足して置くと、単行本は表紙折返しの中央に丸ゴシック体の縦組み7行(1行17字)の紹介文がある。裏表紙折返しには[好評発売中のYYコミックス]として水色で標題(明朝体)と作者(ゴシック体)が横組みで列挙される。①は18題(13人…

岩館真理子『うちのママが言うことには』(1)

別に読んでいる訳ではないが、家に単行本の初版が2冊あったので、図書館で文庫版を見かけて借りて来た。 ・ヤングユーコミックス 『うちのママが言うことには①』1988年12月18日第1刷発行・定価450円・集英社・235頁うちのママが言うことには 1 (YOUNG YOUコ…

太宰治『斜陽』の文庫本(08)

・新潮文庫261(08) 字数がズレても段落が変わるごとにリセットされる訳だが、それでも少しずつズレて、最終的に22行のズレになっている。それを、これから確認してみたい。 +1行 ③14頁1行め。13頁18行めは「下の農家の娘さん」の台詞。②は読点2箇を半角に…

太宰治『斜陽』の文庫本(07)

・新潮文庫261(7) ②三十九刷と③八十一刷(七十刷改版)の比較。前回、5頁までは一致と書いたけれども、5頁10行めの「滑り込ませた」に②にあった振仮名「すべ」が③ではなくなっている。また、③は鍵括弧内の最後に句点があるが、②にはない。この句点は④⑤に…

太宰治『斜陽』の文庫本(06)

・新潮文庫261(6) さて、新潮文庫261『斜陽』について、7月2日付(2)の段階で①〜④の版に分けられると見て、7月15日付(4)で②が途中で評伝や年譜が加わったり、作品解説が差し替えられたりしている、と指摘した。たぶん、これは正しい。のだけれども、…

文庫本書誌学(1)

文庫本の改版について、ここまであれこれ書いてきたけれども、私がこんなことをしようと思ったのは、論文の類でも引用の元を「新潮文庫185−186頁」などと注に示すだけの書き方をする人がいる。しかし、最近特にしょっちゅう改版をしているから、頁だけ示され…

太宰治『人間失格』の文庫本(11)

・新潮文庫443(2) カバー裏表紙の右上にある紹介文は、八十八刷・九十八刷・百四十八刷は同文である。百五十一刷・百六十八刷・百六十九刷及び百八十七刷の裏表紙折返しにあるものとは、全く違う。 八十八刷と九十八刷にはバーコードはなく、紹介文の上と…

太宰治『人間失格』の文庫本(10)

・ぶんか社文庫 2月13日付で取り上げたぶんか社文庫版『坊っちゃん』と同じシリーズは、その後何冊も出ているのだけれども、最初に刊行されたのは3冊で『坊っちゃん』の他に、6月4日付で見た『風立ちぬ』、そしてモデルが前田敦子の『人間失格』である*1。人…

太宰治『斜陽』の文庫本(5)

・新潮文庫261(5) 手持ちの、じゃなかった、手借り(?)の資料で一通り確認してきたけれども、③④の時期については増刷に際して殆ど(というか、全く?)手が加わっていないものと思われるのだけれども、②の時期のものは、どうも怪しい。国会図書館OPACと…

太宰治『斜陽』の文庫本(4)

・新潮文庫261(4) カバー裏表紙、百刷と百七刷は一致。百二十四刷はISBNコードが13桁になっているのみ*1。八十六刷はバーコードなく、右上に紹介文11行、その上と下に横線、下の横線の下にISBNコードとCコードと定価「P220E 定価220円」が1行に列び、定価…

夏目漱石『明暗』の文庫本(5)

・新潮文庫99(1) 明暗 (新潮文庫)作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 105回この商品を含むブログ (67件) を見る 3月11日付「夏目漱石『硝子戸の中』の文庫本(1)に紹介した、昭和の末、新潮文庫の…

水村美苗『続明暗』の文庫本(4)

ちくま文庫の整理番号は「み 25 2」。 カバー表紙折返しの紹介文、新潮文庫の三刷ではなく、二刷に近い。異同を挙げてみる。 「生れ」→「生まれ」、「大学仏文科卒業」→「大学卒、仏文専攻」、「プリンストン、ミシガン、スタンフォード大学で」→「プリンス…

水村美苗『続明暗』の文庫本(3)

新潮文庫は頁付のある最後の381頁の次に この作品は平成二年九月筑摩書房より刊行された。/文庫化にあたり、一部修正を施した。 とあって、その次、奥付の表の頁には「表記について」とあって、箇条書きに「五」項目を挙げ、さらに 本書で仮名に改めた語は…

水村美苗『続明暗』の文庫本(2)

二刷の平成10年(1998)9月以降のカバーと三刷のカバーの比較の続きから。 表紙折返しの右下「カバー装画 安野光雅」とあるのは共通。これは新潮文庫の夏目漱石作品と同じである。 カバー裏表紙折返し、二刷は新潮文庫『明暗』の広告で、津田青楓装幀『色鳥…

水村美苗『続明暗』の文庫本(1)

絶版になった新潮文庫5157を見たのでメモして置く。その後刊行されたちくま文庫版の書影は5月24日付「夏目漱石『明暗』の文庫本(4)」に貼り付けて置いた。 ・平成五年十月二十五日発行(381頁) ・平成九年十二月十五日二刷・定価552円 ・平成十六年八月…

太宰治の文庫本(03)

・新潮文庫2819『津軽通信』(3) 昨日の続き。――『津軽通信』は太宰氏の生前にこの標題の本が出たのではないので「太宰治『津軽通信』の文庫本」ではおかしいので、そうなると、際限なくあるのだろうけれども「太宰治の文庫本」との題にしてみた次第である…

太宰治の文庫本(02)

・新潮文庫2819『津軽通信』(2) 7月3日付(1)の続き。 十四刷は十八刷・十九刷・二十刷とほぼ同じ*1。 奥付の前にある「新潮文庫最新刊」3頁が違うのは言わずもがなだが、その前にある1頁に6種を紹介する9頁の目録は十四刷と十八刷は一致、十九刷もほぼ…

太宰治『人間失格』の文庫本(09)

・新潮文庫443(1) ①昭和二十七年十月三十日発行 ②昭和四十二年九月三十日四十二版改版 ・昭和五十六年二月五日八十八刷(152頁)定価180円 ・昭和五十九年五月三十日九十八刷・定価200円*1 ③昭和六十年一月三十日百刷改版(166頁) ・平成二年五月三十日…

コックリさん(2)

ちくま学芸文庫『青山二郎全文集』上11〜42頁「梅原龍三郎」、「五」章に分れるが冒頭「一」章(11頁〜15頁2行め)は以下のように始まっている。 一 おコツクリさま……東京でも電車がまだ珍しかった頃まで、あつた遊びです。 答へを人から得られない……人から…

コックリさん(1)

私はオカルトは苦手で、苦手というより信じる気がないからどう対処していいのか分からないので、ホラー映画もテレビでやっていたり、動画サイトなぞで見つけたりして見ることもあるが、大抵は「そう来たか」と笑いながら見ていて、怖がっていない。ただ、別…

太宰治『斜陽』の文庫本(3)

・新潮文庫261(3) ③百刷・④百七刷・百二十四刷のカバーは表紙折返しの右下に「カバー装幀 唐仁原教久」とある現在の表紙である。③八十六刷のカバーは「カバー 山下清澄」とある。この書影は文庫専門ネット古書店【文庫シェルフ】で見ることが出来る。 カ…

太宰治の文庫本(01)

・新潮文庫2819『津軽通信』(1) 津軽通信 (新潮文庫)作者: 太宰治出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (20件) を見る①昭和五十七年一月二十五日発行(242頁)定価240円*1 ・昭和六十一年七…

太宰治『斜陽』の文庫本(2)

・新潮文庫261(2) 6月6日付(1)に、三十九刷と百七刷を比較すると書いたが、その後八十六刷と百刷も見た。今でも人気があるらしく、図書館の棚にはあまり見かけない。とにかくこれで新潮文庫の改版の流れが把握出来たように思われるので、一覧にして置…