瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

水村美苗『本格小説』(3)

昨日の続きで、今度は(下)の裏表紙折返し。「|新潮文庫の現代文学|」と題して、やはり作者名の50音順で26点27冊。 「青木淳悟 四十日と四十夜のメルヘン/青山光二 吾妹子哀し/阿部和重 インディヴィジュアル・プロジェクション/池澤夏樹 マシアス・ギリ…

水村美苗『本格小説』(2)

・新潮文庫(2) 1月3日付(1)の続き。その後増刷されているのか知らないが、また別種のカバーを見たので、その時期について考証して置く。 カバーの、裏表紙折返しだけが違うのである。 まず、(上)から。「|新潮文庫 女性作家の作品|」と題して、1点…

中島敦の文庫本(24)

・角川文庫294(7) ②改版三十版(249頁)と③改版三十七版(256頁)の比較を「年譜」までは、2012年1月17日付(06)までに済ませていたが、その先を済ませていなかった。「年譜」は②改版三十版は249頁上段まで、下段と次の頁は白紙。③改版三十七版は256頁上…

「新潮社の辞典!」の広告(4)

⑧『野菊の墓』九十五刷*1(平成三年五月三十日)定価233円 ・『野菊の墓』百刷(平成七年六月五日)定価311円 匡郭12.2×6.0cm、上部に楷書体横組み「新潮社の辞典! 」。6点で標題は極太ゴシック体、下部にゴシック体で3行(1行18字)の紹介文。仕切の縦線は…

「新潮社の辞典!」の広告(3)

⑦『野菊の墓』九十三刷*1(平成二年一月二十日)定価233円 匡郭12.1×6.0cm、上部に楷書体横組み「新潮社の辞典! 」。5点で標題は極太ゴシック体、下部にゴシック体で3行(1行17字)の紹介文。仕切の縦線は長さ10.7cm。右から「〈増補/改訂〉新潮世界文学辞…

「新潮社の辞典!」の広告(2)

⑤『野菊の墓』八十四刷(昭和五十九年五月三十日)定価200円*1 匡郭11.9×6.0cm、上部に丸ゴシック体横組み「新潮社の辞典! 」。3点で標題は極太ゴシック体、仕切の縦線は長さ10.6cm。右から「新潮世界美術辞典」題の右に丸ゴシック体で「日本で最初の一冊本…

「新潮社の辞典!」の広告(1)

新潮文庫880『野菊の墓』のカバー裏表紙折返しを並べて見ていたら、新潮社の辞典の広告の変遷が辿れるような気がしてきたので、ここにメモしておく。 単郭の上部に横組みで題が入り、その下に縦組みで、縦線(上下の匡郭には接していない)で区切っていくつ…

鳥山喜一『黄河の水』の文庫本(2)

3月22日付(1)の続きで、改訂版(改訂十二版)と改版(改版八版)の比較。 この改版のタイミングであるが、昭和47年(1972)9月29日の、中華人民共和国との「日中国交正常化」に伴うものである。従って、著者鳥山喜一(1887.7.17〜1959.2.19)の与り知らぬ…

常光徹『学校の怪談』(002)

・講談社文庫『学校の怪談』(1) 常光徹『学校の怪談』は、講談社KK文庫のシリーズが出ていた頃は、反撥もあったし、何よりも爆発的な人気で図書館の棚ではまず目にしなかったので、リアルタイムでは読んでいない。それで、平成22年(2010)の年末から23年…

鳥山喜一『黄河の水』の文庫本(1)

・角川文庫155(1) 改訂版中国小史 黄河の水 (角川文庫ソフィア)作者: 鳥山喜一出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1960/02/27メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見る この表紙はまだ見ていない。 【改訂十二版】昭和二十六年五月…

鶴見事故(2)

昨日の続きで、横浜市立鶴見図書館蔵のアルバムについて。 * * * * * * * * * * 内容については細かく覚えてはいないが、白黒でサイズも小さく、何よりも事故現場の記録ではないから生々しさは全くない。関係者による事故原因の捜査資料が、没後市…

鶴見事故(1)

以前から、事故や事件に興味がある。まぁみんな事件に興味があるから、松本清張が読まれ続け、2時間ドラマが飽きもせず作られ続けているんだろうけれども。 私などは本を読んでも間違いが気になるくらいで、事故などもどこに間違いがあってこんなことになっ…

松本清張『過ぎゆく日暦』(1)

「日暦」に振仮名「カレンダー」。 ・単行本 平成2年4月15日印刷・平成2年4月20日発行・定価1165円・新潮社・250頁 ・新潮文庫5048 過ぎゆく日暦作者: 松本清張出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/02/01メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見…

太宰治『人間失格』の文庫本(17)

・角川文庫(12) 2012年6月27日付(08)の続きで、角川文庫14732について。 【改版八版】平成元年四月十日初版発行/平成十九年六月二十五日改版初版発行/平成二十一年八月二十五日改版八版発行・195頁 これまで、改版初版(望月氏装画)、改版五版(松山…

國木田獨歩『武藏野』の文庫本(2)

昨日の続き。 ②高校図書館用にはカバーがないが、本体の厚紙表紙に②五十九刷のカバーと同じものを被せてある。尤も非売品だから背表紙最下部に数字は入っていない。裏表紙にある文字も11行の紹介文のみである。 さて、裏表紙の文字だが、②五十九版には左下に…

國木田獨歩『武藏野』の文庫本(1)

・新潮文庫60 ①昭和二十四年五月二十日発行 ②昭和四十二年十月十五日三十六刷改版(226頁) ・昭和五十一年四月一日発行 高校図書館用 ・昭和五十五年四月二十五日五十九刷 定価200円 ・昭和六十一年三月二十日七十一刷 定価240円*1 ・平成三年六月五日八十…

松本清張『鬼畜』(2)

・サウンドトラック 音楽は芥川也寸志(1925.7.12〜1989.1.31)。「八つ墓村」・「事件」・「鬼畜」サウンドトラック~野村芳太郎×芥川也寸志アーティスト: 映画主題歌出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック発売日: 2007/08/22メディア: CD購入: 1人 ク…

松本清張『鬼畜』(1)

・映画 昭和53年(1978)10月7日公開。野村芳太郎(1919.4.23〜2005.4.8)監督、脚本は井手雅人(1920.1.1〜1989.7.17)。鬼畜 [DVD]出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ発売日: 1998/10/21メディア: DVD クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る鬼畜…

松本清張『潜在光景』(4)

・松本清張短編全集10(光文社) カッパ・ノベルス『空白の意匠』1965年1月15日初版1刷発行・2003年4月20日3版1刷発行・定価848円・298頁空白の意匠 ―松本清張短編全集〈10〉 (カッパ・ブックス)作者: 松本清張出版社/メーカー: 光文社発売日: 2003/04/18メ…

七人坊主(43)

・三木孝祐『幽霊がいる場所、教えます。』(4) 一昨日からの続き。 《七》という数の一致に島民たちは戦慄した。「殺された坊主が七人、死んだ作業員が七人。/七という数は決して偶然ではない。これは祟りだ。七人坊主の祟りは、まだ残っているのだ」 と…

七人坊主(42)

・三木孝祐『幽霊がいる場所、教えます。』(3) 昨日の続き。 記事の内容であるが、まず八丈島が流刑地であったこと、そして溶岩洞窟に姥捨てが行われていたこと、「/この洞窟の近くでは、しばしば老婆の幽霊が目撃されている。薄汚れた粗末な着物を着て…

七人坊主(41)

・三木孝祐『幽霊がいる場所、教えます。』(2) 2月19日付(37)の続き。 「もくじ」はなか見!検索で閲覧できるが念のため示して置くと、13〜86頁【東京】23箇所、87〜118頁【北海道・東北・北陸】10箇所(北海道3箇所、宮城・青森・岩手・山形・富山各1…

夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(16)

・角川文庫79(4) 改版七十三版(173頁)定価262円 昭和三十年一月三十日初版発行・昭和四十一年四月三十日五十一版発行・平成五年六月二十日改版七十三版発行。 頁数が同じ別の版(2012年3月21日付(04)改版六十六版、2012年8月15日付(14)改版八十五版…

夏目漱石『三四郎』の文庫本(2)

・角川文庫271(2) 2012年3月20日付(1)で、九十八版(282頁)と百二十版(337頁)を比較したが、その後、後者と同じ表紙・頁数で、カバー等に若干の異同のあるものを見たので、ここにメモして置く*1。 【百二十五版】平成七年五月三十日百二十五版発行…

松本清張『内海の輪』(1)

・角川文庫3251(1) 『内海の輪』昭和四十九年五月二十日初版発行・昭和五十九年六月三十日二十三版発行・292頁 内容については、先月刊行された光文社文庫版と比較しつつ述べることとしたい。内海の輪―松本清張プレミアム・ミステリー (光文社文庫)作者: …

角川文庫の「月刊小説王」の広告(1)

「月刊小説王」は昭和58年(1983)9月から昭和59年(1984)11月*1まで15冊刊行された文庫判の雑誌であるが未見。その後「小説王」という雑誌が平成5年(1993)12月から平成7年(1995)3月まで16冊刊行されて休刊になっている。 角川文庫のカバー表紙折返しに…

角川文庫の「野性時代」の広告(1)

これまでたびたび角川文庫のカバー表紙折返しの下部に雑誌「野性時代」の広告がある、と書いたがいくつかのパターンがあるのを区別していなかった。そこで、遅ればせながらここに分類を試み、奥付の日付から大体の時期の見当を付けてみたい。返本されたもの…

七人坊主(40)

2月22日付「七人坊主(39)」にて、小池壮彦の八丈島での調査ぶりについて蒸し返した。これとても最近の小池氏の論調で行くと、八丈島の歴史民俗資料館が郷土史家の山田氏を紹介したのがまず、小池氏に真相を隠蔽しようとした八丈島側の工作、ということにな…

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(4)

前回の続きで第七話について。 現在の東中野駅周辺を見ると、ホームの東側すぐのところで、南北から来た道が線路で途切れていることが分かる。東口改札を出ると、南と北に階段があって、Google mapでもYahoo!地図でも南が「東口1」北が「東口2」と表示されて…

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(3)

一昨日からの続き。――ここで断って置くと、小池氏の全著作をチェックした訳でもなく、雑誌等まではとてもでないがフォロー出来ないので、飽くまでも私が見得た複数の本にある、同じ話に関する記述を比較してみる、というつもりである。 同じ話の情報なら、他…