瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

松本清張『野盗伝奇』(3)

文庫版について一通りメモして置いた最後に、諸版の本文の構成を表に示しておく*1。「18-4」は18頁4行め。 章題 中公文庫初版 角川文庫 中公文庫改版 所 望 7〜18-4 5〜17-1 7〜20-1 砦 18-5〜26-11 17-2〜27-3 20-2〜30-14 髪 26-12〜41-6 27-4〜42-2 31〜4…

松本清張『野盗伝奇』(2)

・角川文庫7259 【初版】昭和六十三年十二月十日初版発行・定価380円・288頁 本書については、3月7日付「松本清張『内海の輪』(1)」にて、角川文庫3251『内海の輪』二十三版の「定価380円」のカバーの考証で言及したことがある。カバー裏表紙折返しはこの…

松本清張『野盗伝奇』(1)

昭和末に出ていた中公文庫と角川文庫、そして平成に入ってからの中公文庫改版を見た。 ・中公文庫 野盗伝奇 (中公文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1997/11/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る【八版】昭和四十九年四…

角川文庫の『竹取物語』(12)

・角川文庫6817(4) 星新一訳『竹取物語』の初版については既に記述したが、初版(昭和六十二年八月十日初版発行)ながら消費税込みの定価になっているカバーを見た。沢口靖子がかぐや姫をやっているカバー表紙は同じ。2012年3月31日付(02)に貼った、Ama…

鳥山喜一『黄河の水』(08)

・角川文庫155(8) 改訂版十二版の奥付、7.1×5.0cmの角の繋がっていない単郭の右上に改版発行/十五版発行/改訂版十二版発行の年月日が並び、その下に「定価九拾円」とある。中央上部に横組みで「角 川 文 庫」とあり1行分空けて「改訂版/支那小史 黄河…

鳥山喜一『黄河の水』(07)

・角川文庫155(7) 5月23日付(6)の続き。 「結び」改訂版182〜184頁改版八版196〜198頁改版三十二版201〜203頁。 この「結び」は昭和26年(1951)現在のもので、本書の中の一番新しい記述は「結び」の前の章「国旗のさしかえ」の最後の節「五星紅旗」(…

角川文庫の角川映画の広告(2)

・麻雀放浪記 昭和59年(1984)10月10日(水)公開雪の別離 (角川文庫 (5736))作者: 夏樹静子出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1984/07メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 夏樹静子『雪の別離(角川文庫5736)』(昭和五十九年七月二十五日初版発行…

角川文庫の角川映画の広告(1)

角川文庫のカバー表紙折返しは今は著者の写真と略伝に充てられている。これは他の文庫でも大抵そうなっているが、以前は上部に横組みで紹介文があり、下部に広告があった。雑誌の広告は「月刊冒険王」「野性時代」「Peach」について報告した。目下「月刊カド…

鳥山喜一『黄河の水』(6)

・角川文庫155(6) 5月14日付「鳥山喜一『黄河の水』の文庫本(5)」の続き。これまでは「鳥山喜一『黄河の水』の文庫本」と題していたが、文庫本に限らないことにしたので以後「の文庫本」を削る。これまでのものには差当り手を入れないこととしたが、前…

中勘助『銀の匙』の文庫本(07)

・岩波文庫31-051-1(2) 2012年2月24日付(1)の続き。 ②第76刷の帯について記述するつもりだったが、そのままになっていた。これはまた後日補うことにして、その前にカバーの異なる②第107刷を見たので、カバー及び本体の奥付より後を、②第76刷と比較して…

中島敦の文庫本(25)

・角川文庫294(8) ③(256頁)は改版三十七版を見たのみであったが、その後、改版四十一版と改版四十四版を見た。そして、これまで③のカバーについて何のメモも取っていなかったことに気付いた。 【改版三十七版】昭和四十三年九月十日初版発行・平成元年…

松本清張『一九五二年日航機「撃墜」事件』(1)

・角川文庫9195 一九五二年日航機「撃墜」事件 (角川文庫)作者: 松本清張,駒井哲郎出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1994/12/02メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る 現在Amazon詳細ページに示される書影は再版のもの。初版はレザック紙で、上…

角川文庫の松本清張(10)

・MATSUMOTO SEICHO COLLECTION(4) その次のレイアウトのものが最も多い。上部にゴシック体で「QRコード|ま|1- |Y | 松本清張 ● 」●は○で囲われている。空白にした「1- 」には分類番号、「Y 」には定価(税別)が入る。次に明朝体で大きく標題。最下部にゴ…

角川文庫の松本清張(09)

・MATSUMOTO SEICHO COLLECTION(3) 最上部にゴシック体の著者名が入るものにはもう1種類あって、こちらも少し空けてやや小さな字で「ま/1-26」とゴシック体2段分類番号○で囲われた●の上にあり、そのすぐ下に明朝体太字で標題。下部はゴシック体「角川文…

角川文庫の松本清張(08)

・MATSUMOTO SEICHO COLLECTION(2) 次に、最上部にゴシック体の著者名が入るもので、まず少し空けて小さなゴシック体で分類番号と税抜定価が○で囲われた●の上にあり、そのすぐ下に明朝体太字で標題。下部はゴシック体「角川文庫|■」。 ・角川文庫3335(ま…

角川文庫の松本清張(7)

・MATSUMOTO SEICHO COLLECTION(1) 2012年9月8日付「松本清張『聞かなかった場所』(2)」で取り上げた「装画=駒井哲郎」のレザック紙のカバーについて、纏めてメモして置く。 カバー表紙のレイアウトは同じ、裏表紙のレイアウトもほぼ同じなので、ここ…

角川文庫の松本清張(6)

・伊藤憲治のカバー(2)表紙 4月17日付(5)の続き。 赤い背表紙のものを1点追加する。 ・角川文庫2018『無宿人別帳』昭和三十五年十月三十日初版発行・昭和六十三年六月三十日五十一版発行・定価460円・355頁 さらに新しくなると、カバー背表紙は濃い赤…

鳥山喜一『黄河の水』の文庫本(5)

・角川文庫155(5) 昨日の続き。 「沙漠の征服 漢時代」改訂版45〜54頁改版八版48〜58頁改版三十二版48〜58頁 ・49頁、地図「前漢代要図」→書直し 51頁→51頁 「ローマへの道 後漢時代」改訂版55〜63頁改版八版59〜68頁改版三十二版59〜69頁 ・59頁、地図「…

鳥山喜一『黄河の水』の文庫本(4)

・角川文庫155(4) 4月22日付(3)の続き。 改版三十二版、3〜5頁「この書を手にされる方々へ」1頁16行、1行42字、1行の字数が改版二十二版に比して1字減っているが同じ行数で収まっている。7〜12頁「目次」も改版二十二版と同じ行数、組み直されているが…

松本清張「西郷札」(5)

・新潮文庫1662(2) 5月8日付(4)の続きで、本体の比較。 1頁(頁付なし)扉は組み直されているが同内容、3〜4頁(頁付なし)「目次」は3頁に8篇、4頁に4篇と下寄せの「解説 平野 謙」でやはり組み直されているが同内容。5頁(頁付なし)中扉「西郷札」…

鶴見事故(3)

3月21日付(2)の続き。 * * * * * * * * * * 日比谷線の脱線衝突事故からの類推、そして鶴見図書館蔵のアルバムに貼付される写真から、上り1両めの衝突位置は3〜4両目の連結部とすべきだというのが、私の見当である。連結部だから僅かcm単位で噛…

村上春樹『ノルウェイの森』

村上春樹の小説は、読んだことがない。いや、アンソロジーに収録されていた短篇を1つ読んだことはある。けれども、村上春樹の本というのは読んだことがない。それは、このブログの初期*1に書いた、有名な、皆が読むような作家の小説は、私が読まなくても皆が…

松本清張『増上寺刃傷』(1)

・講談社文庫(1) 新装版しか見ていないが、初版を見るのが何時になるか分からないし、講談社文庫の近年の版の手控えとして、上げて置くことにする。 ・新装版 新装版 増上寺刃傷 (講談社文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/01/15メ…

松本清張「西郷札」(4)

・新潮文庫1662(1) ①昭和四十年十一月二十五日発行(397頁) ・昭和五十一年二月二十日十七刷*1 ¥280 ・平成四年九月五日三十五刷 定価466円*2 ・平成六年十二月三十日三十八刷 定価466円西郷札 傑作短編集3 (新潮文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: …

岡谷公二『柳田国男の青春』(2)

昨日の続き。 扉をめくると「目 次」は2頁あるが前付部分で頁付なし。 さて、前回指摘したように、②では「筑摩叢書版あとがき」が追加されているのだが、その辺りの処理が少々おかしい。 「目次」の裏、2頁めの、最後、それまで章題を挙げていたところよりも…

岡谷公二『柳田国男の青春』(1)

①四六判上製本(一九七七年二月二十五日第一刷発行・定価1300円・274+索引vii頁) ②四六判並製本(1991年2月28日初版第1刷発行・定価1796円・276+索引vii頁) ①と②の異同は、②に「筑摩叢書版あとがき」の2頁が追加されていることで、他は同版で装幀の違い…

松本清張『突風』(1)

・中公文庫 連作「影の車」の1篇で短篇集『影の車』に収録されなかった「突風」は、後に『突風』という短篇集に収録された。2月24日付「松本清張『潜在光景』(3)」に見たように角川ホラー文庫『潜在光景』にあって角川文庫13546『潜在光景』に収録されな…

松本清張『ミステリーの系譜』(1)

・中公文庫 ミステリーの系譜 (中公文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1975/02/10メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (13件) を見る【17版】一九七五年二月一〇日初版・一九九三年三月二五日17版・定価427円・中央公…

「新潮社の辞典!」の広告(6)

⑨『二十四の瞳』七十五刷*1(平成八年五月三十日)定価350円 匡郭12.2×6.0cm、上部に楷書体横組み「新潮社の辞典! 」。6点で標題は極太ゴシック体、角書は普通のゴシック体。下部にゴシック体で3行(1行18字)の紹介文。仕切の縦線は長さ10.9cm。右から「新…

御所トンネル(5)

一昨日からの続き。 * * * * * * * * * * 『現代民話考』は、どうしてこんな勘違いをしたのだろう。 第一に、分類し怪異の発生場所を検討した人物が、地理に暗かったことが指摘されよう。 この項の「分布」には以下のように見える。単行本296頁11…