瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

赤いマント(128)

昨日の続きで昭和48年の年末に「毎日新聞」の「家庭」欄に連載されたコラム「視界ゼロ」について。 「視界ゼロ」の3回めは「昭和48年(1973年)12月24日(月曜日)」の(9)面・12版、縮刷版697頁、右上1〜7段め。見出しは「ヘンな魚がふえてきた」。末尾に「…

赤いマント(127)

廣井氏の依拠した資料は、2月25日付(125)に指摘して置いたNHKブックス562『うわさと誤報の社会心理』の注にのみ示される昭和48年(1973)12月23日付「毎日新聞」で、他のものは見ていないようです。ですから、赤マントについて突っ込んだ考察をするには…

赤いマント(126)

思えば、75年前のちょうど今頃、二・二六事件からちょうど3年後の帝都を赤マントは席捲していたのでした。 * * * * * * * * * * 昨日の続きで、廣井氏が赤マントに触れた文章のもう1つ。 ・「建築雑誌」第15集・第1299号(VOL.105 NO.1299)1990年…

赤いマント(125)

・廣井脩の「口裂け女」(2) それでは、廣井氏の赤マントに関する記述を確認して置きましょう。 NHKブックス18頁10〜13行め、 もうひとつは、昭和五四年頃、小中学生のあいだに拡がった「口裂け女」のうわさである。 昭和一四年から一五年にかけて、赤…

赤いマント(124)

・廣井脩の「口裂け女」(1) 平成11年(1999)4月設立の日本災害情報学会の初代会長だった廣井脩(1946.9.7〜2006.4.15)は群馬県沼田市生、昭和44年(1969)東京大学文学部卒業、昭和50年(1975)東京大学新聞研究所助手、昭和55年(1980)同助教授、平成…

赤いマント(123)

・ながたみかこ『日本の妖怪&都市伝説事典』2011年6月14日初版発行・定価800円・大泉書店・223頁・B6判並製本日本の妖怪&都市伝説事典作者: ながたみかこ出版社/メーカー: 大泉書店発売日: 2011/06/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る なかさこ…

赤いマント(122)

・現代ふしぎ調査班[編]『都市伝説 信じたくない恐怖』河出書房新社 文庫版とB6判並製本(カバーのないペーパーバック)があるが、それぞれのAmazon詳細ページにあるレビュー(2点)は同じ。 ・KAWADE夢文庫(二〇〇八年一月五日初版発行・二〇一〇年六月一…

赤いマント(121)

昨日の続きで『都市伝説王』について。 2月19日付(119)に述べた理由でしばらく「赤いマント」は休む予定だったのですけれども、昨日の記事で、肝心の「赤マント」に関する箇所の検討をする余力がなくなってしまい(『犯罪百話』の引用もあり長文にもなった…

赤いマント(120)

kensyouhan「唐沢俊一検証blog」の2010-03-26「深草ならしょうしょうの違い。」については2013年12月20日付(60)にて取り上げました。唐沢氏が赤マントを阿部定事件と関連付けていることに批判が殺到(?)していましたが、そのとき私は、2013年12月17日付…

赤いマント(119)

・旺文社文庫『紙芝居昭和史』 加太こうじ『紙芝居昭和史』の旺文社文庫版を見たことは2月15日付(115)にて触れました。 この旺文社文庫版には単行本(立風書房)にはなかった「文庫本へのあとがき」や付録「紙芝居の作り方・演じ方」そして鶴見俊輔「解説…

赤いマント(118)

紙芝居「不思議の国」についての続き。 小沢信男「わたしの赤マント」に示される、主人公の「お尋ね」に対する紀田福子の返事に「あの妙な噂の元は、紙芝居ではなかったでしょうか。なにかそんなふうに伺った気がします」とあって、これを2013年10月27日付(…

赤いマント(117)

それでは、2月13日付(113)に引いた「大阪朝日新聞」、2月14日付(114)に引いた「大阪毎日新聞」及び芥川龍之介「杜子春」を参考に、分かる範囲で紙芝居「不思議の国」の内容を確認して置きましょう。 まず主人公ですが、加太氏の回想では「貧しい靴磨きの…

赤いマント(116)

昨日の続き。 加太こうじ『紙芝居昭和史』の回想は、【A】時期を1年遡らせれば、どうもほぼその通りのことはあったもののようです。【B】暴行殺人事件については、大宅氏の記述からやはりそういう噂のあったことを確認して置けば良いでしょう。1月30日付(…

赤いマント(115)

これまで、加太こうじ『紙芝居昭和史』の記述には疑問が表明されて来ました。まず、【A】昭和15年(1940)初夏では赤マント流言の時期から遅れていること、それから【B】1月に谷中・日暮里辺りでの少女暴行殺人事件の記事が見当らないということです。さら…

赤いマント(114)

・大阪附近の赤マント(10) 前回引用した「大阪朝日新聞」の内容からして、この問題を前月末から取り上げていた「大阪毎日新聞」が何ともしていない筈がありません。そこで「大阪毎日新聞」もさらに範囲を広げて、「大阪朝日新聞」の記事が出ていた昭和14年…

赤いマント(113)

・大阪附近の赤マント(9) 昨日の続きで「大阪朝日新聞」について。 「大阪朝日新聞」の縮刷版は、昭和十四年六月號と昭和十四年八月號の「記事索引」も見ましたが、赤マントは出ていないようでした。 「大阪朝日新聞」昭和十四年七月八日(土曜日)付第二…

赤いマント(112)

・大阪附近の赤マント(8) 「大阪毎日新聞」の6月末7月初めの2週間分を眺めて『〈新聞/集成〉昭和編年史』に転載されているものも含め、記事を3つ拾えた(もっとじっくり見ればまだあるかも知れません)ので、2月7日付(107)に「1紙だけですが2週間分ほ…

赤いマント(111)

・大阪附近の赤マント(7) 「大阪毎日新聞」の記事は、差当り『〈新聞/集成〉昭和編年史』に採られている記事の前後2週間、昭和14年(1939)6月末の1週間と7月初めの1週間をざっと眺めてみました。やはり6月30日夕刊(七月一日付)まで記事になっていなか…

赤いマント(110)

・大阪附近の赤マント(6) 「大阪毎日新聞」昭和十四年七月一日(土曜日)付第二万百九十四号、7月1日の朝刊の(五)面*1「家庭」面、9段まで記事で以下5段は「毎日案内」、記事の5〜9段め、見出しは5〜6段めの2段抜きで「童心を傷ける/"赤マント"の流言…

赤いマント(109)

・大阪附近の赤マント(5) 赤マントは何時のことなんだか久しく忘れ去られて、平成に入ってから、昭和14年(1939)の流言だということが年表類にも出始めます。その要因の1つは平成4年(1992)に『〈新聞/集成〉昭和編年史』に大阪の赤マントの記事が収録…

赤いマント(108)

・大阪附近の赤マント(4) 前回も書いたように、大阪の赤マントの記事は『〈新聞/集成〉昭和編年史』の『昭和十四年度版III*1』(平成四年六月一日印刷・平成四年六月十三日刊行・定価二五、七五〇円(税込)・18+868+20頁)に掲出されています。 目次に…

赤いマント(107)

・大阪附近の赤マント(3) 2月4日付(104)の冒頭に書いたように、大阪の赤マントも新聞記事になっております。これまで出し惜しみをしたような感じになって来ましたが、別に見るのが難しいようなものではなく、既に何人か、この記事を見て使用している人…

赤いマント(106)

・大阪附近の赤マント(2) 2月4日付(104)に引き続いて、大阪の赤マントについて触れている資料を挙げて見ましょう。 ・『すずきとし昭和のこども250景』 平成7年10月26日印刷・平成7年11月1日発行・定価1,800円・朋興社(大阪)・260頁・A5横判並製本、…

赤いマント(105)

・物集高音「赤きマント」(10) 2月1日付(101)の続き。 白フリル(富崎ゆう)は昭和10年度の長野の例と、昭和12年(1937)の大阪の例を挙げて赤マントは加太氏説の昭和15年(1940)よりも前からあった、と主張するのです。但し三原氏の昭和12年説は計算違…

赤いマント(104)

・大阪附近の赤マント(1) 大阪附近での「赤マント」ですが、新聞記事が存在することは早くに気付いていて、2013年11月27日付(37)及び1月8日付(78)でも予告したのですが、なかなか十分な調べが出来ずにおります。とにかく昭和14年(1939)2月東京で始…

赤いマント(103)

・日本の現代伝説『魔女の伝言板』(3) 一昨日からの続き。 三原氏はこの「III トイレ」の章で、もう1箇所、自身の記憶を持ち出した箇所があります。「赤い紙やろか青い紙やろか」の節(106頁11行め〜109頁8行め)で、やはり4例紹介されていますが、その考…

赤いマント(102)

・日本の現代伝説『魔女の伝言板』(2) 昨日の続き。 三原氏は99〜136頁「III トイレ」を担当しています。詳しく見ても良いのですが、そうすると学校の便所の怪異について一通り眺めることになってしまいますので、やはり赤マントに限りましょう。119頁9行…

赤いマント(101)

・物集高音「赤きマント」(9) 1月30日付(100)では飛ばした、加太こうじの紙芝居以前に赤マントの噂があった根拠を白フリル(富崎ゆう)が説明したところを検討して見ましょう。 まず白フリルは「『現代民話考 学校』って本のコピー」を机に置きます。前…