瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2014-01-01から1年間の記事一覧

川端康成『雪国』の文庫本(1)

・新潮文庫1(1) ①昭和二十二年七月十六日発行 ②昭和四十八年九月三十日六十九刷改版(172頁)*1 ・昭和五十七年三月十日九十二刷 定価180円*2 ・昭和六十年三月十日九十九刷 定価200円*3 ・昭和六十年六月五日百刷 定価200円*4 ③昭和六十二年五月二十五日…

周防正行『シコふんじゃった。』(2)

11月25日付(1)の続き。 * * * * * * * * * * この映画を私が懐かしく思うのは、同じ空気を吸っていたからだ。 もちろん、相撲部に入る前の主人公のようにふざけた学生生活を送っておらず、当時の私は、夏目漱石『こゝろ』の、お嬢さんに惚れて…

菅原孝標女『更級日記』の文庫本(1)

・角川文庫14659(ビギナーズ・クラシックス)角川学芸出版 ・川村裕子編『更級日記』 更級日記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)作者: 川村裕子出版社/メーカー: 角川学芸出版発売日: 2007/04/25メディア: 文庫 クリック: 23回この商品を含むブ…

『トキワ荘物語』(1)

・祥伝社新書288『まんが トキワ荘物語』2012年8月10日初版第1刷発行・定価760円・191頁まんが トキワ荘物語(祥伝社新書288)作者: 手塚治虫,赤塚不二夫,森安なおや,寺田ヒロオ,つのだじろう,水野英子,よこたとくお,鈴木伸一,永田竹丸,長谷邦夫,藤子不二雄A出…

『水辺の怪談――釣り人は見た』(2)

昨日の続きで『水辺の怪談』『水辺の怪談2』『水辺の怪談 最恐伝説』の比較。 ・カバー表紙折返しは白地で、『水辺の怪談』は余白、『2』は上部に「つり人社の単行本|」とあって「水辺の怪談/――釣り人は見た」のカラー書影入の広告で文字は横組み。『最…

『水辺の怪談――釣り人は見た』(1)

・『水辺の怪談』つり人社・B6判並製本 体験談は好きではないので、あまりこの手の本は読まない。年に数回訪れている某区立S図書館に『水辺の怪談』と『水辺の怪談2』があることに気付いたのは数年前で、しかし借りて読もうなどとは思わなかった。それを借…

周防正行『シコふんじゃった。』(1)

・映画 シコふんじゃった。 [レンタル落ち]メディア: DVDこの商品を含むブログを見るシコふんじゃった。 [DVD]出版社/メーカー: 角川エンタテインメント発売日: 2005/04/08メディア: DVD クリック: 27回この商品を含むブログ (58件) を見るシコふんじゃった…

太宰治『斜陽』の文庫本(20)

・角川文庫26(4) 今、手許に九十二版・九十三版・百十三版がある。但し九十二版と九十三版の本体は前回指摘したように殆ど一致するので、九十二版と百十三版の本体を比較して見る。 1頁(頁付なし)扉、単郭(11.5×7.7cm)と子持枠(4.5×4.8cm)の寸法は…

太宰治『斜陽』の文庫本(19)

・角川文庫26(3) 【百十三版】昭和二十五年八月十五日初版発行・平成七年五月三十日百十三版発行・定価301円・190頁 まずは百十三版について、2012年8月5日付(09)にメモした百十二版、2013年2月12日付(17)にメモした百十五版と比較しつつ、メモして置…

ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』(1)

・ビームコミックス(エンターブレイン)B6判並製本テルマエ・ロマエ コミック 全6巻完結セット (ビームコミックス)作者: ヤマザキマリ出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2013/06/25メディア: コミックこの商品を含むブログ (14件) を見るテルマエ・…

太宰治『斜陽』の文庫本(18)

角川文庫の太宰治作品集の、熊谷博人のカバーは2012年9月4日付「太宰治『晩年』の文庫本(1)」にて角川文庫706『晩年』改版二十八版・改版三十三版、2012年10月14日付「太宰治『女生徒』の文庫本(3)」にて角川文庫863『女生徒』改版二十六版、2012年10…

遠藤周作『海と毒薬』(06)

・新潮文庫1402(2) 昨日の続きで本体について*1。 1頁(頁付なし)扉、3頁(頁付なし)中扉で標題、本文5頁から、3行取り3字下げで大きく「第一章 海と毒薬」とあり、前にはさらに1行分空白。③は1頁18行、1行41字。④は1頁16行、1行38字。 目次はない。よ…

遠藤周作『海と毒薬』(05)

・新潮文庫1402(1) ①昭和三十五年七月十五日発行 ②昭和四十七年二月十日十八刷改版(182頁)*1 ・昭和六十一年一月三十日四十九刷 定価220円*2 ③昭和六十一年十二月二十日五十三刷改版(174頁)*3 ・平成二年五月二十五日六十四刷 定価214円*4 ・平成九年…

浅間山の昭和22年噴火(26)

・岸田今日子「夏休みの日記」(3) 昨日の続き。 八月十四日 晴のち小雨 本文は11月2日付(20)に引用して置きました。以下は、これまでに確認した新聞記事から察せられる経過を添えて置きましょう。 噴火から遺体収容までの経過を報じた新聞記事は、まず…

浅間山の昭和22年噴火(25)

・岸田今日子「夏休みの日記」(2) 11月2日付(20)の続きで、岸田今日子の昭和22年(1947)夏休みの日記から、北軽井沢の天候を抜き出して見ましょう。 七月十五日 晴 七月十六日 晴 七月十七日 晴 七月十八日 くもりのち雨 七月十九日 晴ときどき雨 七月…

浅間山の昭和22年噴火(24)

11月12日付(21)と11月14日付(23)に、朝日新聞社の編纂した通史を見ました。他社の刊行した通史にも、やはり昭和22年(1947)8月14日の噴火を写真入りで紹介してありました。 ・『決定版昭和史』第13巻 廃墟と欠乏 昭和21―25年(一九八三年一二月三〇日第…

北杜夫『マンボウ恐妻記』(2)

・新潮文庫7607『マンボウ恐妻記』(2) 既に10月15日付(1)に追加して置いたように、八刷と九刷を見た。 九刷には帯が掛かっている。長さ38.8cm、幅5.0cm、両端7.5cmずつ白地で、表・背・裏は紺地、紺地は折返しにも1.0cmずつ入り込んでいる。文字は白抜…

浅間山の昭和22年噴火(23)

・朝日新聞社編『朝日新聞に見る日本の歩み―焦土に築く民主主義II―』昭和48年9月10日発行・定価1000円・朝日新聞社・271頁 上製本(27.6×20.7cm)。このシリーズは3月24日付「楠勝平『おせん』(1)」に回想した、浪人時代に入り浸った図書館に揃っていて、…

浅間山の昭和22年噴火(22)

・讀賣新聞(2) 昭和22年(1947)の「讀賣新聞」には、8月14日の噴火以外にも浅間山噴火が出ていました。 この時期、まだ「讀賣新聞」は縮刷版を出していませんが、昭和20年(1945)から昭和23年(1948)の4年分の縮刷版を、「朝日新聞縮刷版」を復刻した…

浅間山の昭和22年噴火(21)

・写真(2) 10月22日付(14)にて、「朝日新聞」東京本社版昭和22年8月16日付記事に出ている写真と、国土交通省関東地方整備局の「〈第18期 砂防公開講座/第9回 防災住民講座〉合同講座」のチラシの写真とは、同じ人がほぼ同じ位置から撮ってはいるもの…

岡本かの子『老妓抄』の文庫本(5)

・新潮文庫97(2) 10月7日付(1)の諸刷一覧に既に追加したが、②四十五刷を見た。既に記述した箇所について見て置こう。 カバー表紙は②四十一刷に同じ。 カバー背表紙の上部の標題と著者名は、前者は若干③五十八刷よりも小さいようだがほぼ同じに見える。…

『遠藤周作怪奇小説集』(1)

・単行本(1)講談社・四六判上製本 奥付の裏は白紙。 ・第一一刷(昭和四五年二月一二日第一刷発行・昭和四八年六月八日第一一刷発行) 私の見た本はカバーが保存されていない。よって本体について記述する。表紙は紫色の横縞模様。表紙上部及び背表紙中央…

太宰治『女生徒』の文庫本(9)

・角川文庫863(8) 改版四十八版を見た。今、改版四十五版と改版五十二版と並べている。 【改版四十八版】昭和二十九年十月二十日初版発行・昭和四十三年二月五日四十四版発行・平成五年六月二十日改版四十八版発行・定価417円・249頁。 カバー表紙は一致…

遠藤周作『わたしが・棄てた・女』の文庫本(3)

・講談社文庫(3) 昨日の続きで本体について。 1頁(頁付なし)扉、私が見たうちでは第19刷のみ古いレイアウトで、横組みで上部(天から1.7cm)に横長のゴシック体で「講談社文庫」に下線。以下、扉で使用されているゴシック体は同じ横長で小さいもの。下…

遠藤周作『わたしが・棄てた・女』の文庫本(2)

・講談社文庫(2)カバー裏表紙折返し カバー裏表紙折返し、第19刷は白地にゴシック体縦組みで1行め「 ■講談社文庫/遠藤周作作品」とあって、2行めから2段組で上段、 聖書のなかの女性たち…………C21 海と毒薬…………………………A23 白い人、黄色い人ほか二編………A66…

遠藤周作『わたしが・棄てた・女』の文庫本(1)

・講談社文庫(1) ・昭和47年12月15日第1刷発行(279頁) ・昭和52年12月5日第19刷発行 280円 ・昭和53年7月15日第20刷発行 280円*1 ・昭和59年4月27日第36刷発行 定価360円*2 ・1992年1月20日第53刷発行(286頁)定価388円 ・1997年10月17日第69刷発行 …

柳田國男『日本の傳説』の文庫本(5)

・新潮文庫2381(3) 2013年1月10日付(4)の続き。2013年1月9日付(3)に追加して置いたように、①初刷を見た。適宜①三十五刷と比較しつつ、メモを取って置く。 カバー表紙、三十五刷には右下部に明朝体横組みで「新潮文庫」とある*1が、初刷にはない。他…

赤いマント(142)

昨日ストックがないと書いたけれども、若干あります。例によって掛け声だけで何もしないのも如何かと思うから、ここに紹介して置きましょう。 ・大阪附近の赤マント(11) 2月14日付(114)の続き。紙芝居「不思議の國」についてはさらに2月18日付(118)ま…

赤いマント(141)

赤マントの検証は、7月11日付(139)に書いたような心積もりでやっているのだけれども、その後、当ブログの記事は「赤マント」もしくは「赤いマント」で検索しても一向にヒットしなくなってしまいました。他人の説を悪く書き過ぎたからかも知れません。けれ…

浅間山の昭和22年噴火(20)

・岸田今日子「夏休みの日記」(1) この日記を確認しようと思ったのは10月28日付「岸田衿子・岸田今日子『ふたりの山小屋だより』(1)」で述べたような理由からで、分量や校訂方針などは10月29日付「岸田衿子・岸田今日子『ふたりの山小屋だより』(2)…