瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(17)

・ギンティ小林『新耳袋大逆転』(3) クリネックスティシューのCMについては追って再検討することにして、2月22日付(14)の続きで、怪人物についての回想の続きを見て行きましょう。 単行本87頁6〜12行め・文庫版75頁5〜12行め、「翌日」になると「前日…

松本清張『軍師の境遇』(9)

・角川文庫18107(5) 昨日の続きで、改版再版のカバーについて2014年3月26日付(4)にメモした改版初版のカバーと比較しつつ記述してみる。 カバー表紙は同じ。 カバー表紙折返し、上部の顔写真と略伝は一致。最下部に紹介文よりも楷書に近いゴシック体で…

松本清張『軍師の境遇』(8)

・角川文庫18107(4) 2014年4月4日付(6)の続き。 奥付が全て明朝体横組みになった改版再版を見た。 奥付の上下に子持線(7.8cm)があり、その間に細い横線(7.8cm)が9本ある。1本めの横線の上に「軍師の境遇/新装版/松本清張*1」とあり、2本めの横線…

連続テレビ小説「あさが来た」(4)

1月2日付(3)にて、主人公白岡あさの娘・千代の年齢を問題にしたが、第15週「大阪の大恩人」の第85回(1月11日放映)にて明示されていたので確認して置きたい、 冒頭、中番頭亀助と女中ふゆの結婚写真撮影の場面がある。 ついで下部に「1880年[明治13年]」…

井上章一『京都ぎらい』(1)

2015年12月6日付「山本禾太郎「第四の椅子」(19)」の付足し*1に、 ――「丹波の篠山」或いは「丹波の園部」とは言っても「兵庫の篠山」だの「京都の園部」とは言わない。「福知山」や「宮津」は特に「丹波の」或いは「丹後の」と冠さないが「京都の福知山」…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(16)

・クリネックスティシューのCM(2) 昨日の続きで、もう少しクリネックスのCMについて確認して置きましょう。 このCMについては当時週刊誌等でも取り上げられたようですが、差当り小池壮彦の近著を参照してみました。 ・MU NONFIX『怪奇事件の謎』201…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(15)

・クリネックスティシューのCM(1) さて、私は昭和59年度から昭和61年度まで、中学生の3年間を横浜で過ごしました。但し市域の南部で暮らしていたので、この怪人が乗っていたらしい東急線には当時、殆ど乗ったことがありません*1。意外に(?)活動的な…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(14)

・ギンティ小林『新耳袋大逆転』(2) 2月13日付(05)の続き。――「不思議ナックルズ」からの依頼を受けて、単行本『新耳袋大逆転』93頁7〜12行め、文庫版『新耳袋殴り込み 第二夜』81頁1〜6行め、 「ギンティ、一緒にサリーちゃんの取材をしないか」 二十…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(13)

・「不思議ナックルズ」VOL.12(6) 一昨日からの続き。 4節め、①初出誌の見出しは045頁段め14〜15行め「"都市伝説"になり損ねた/"怪人" 」で、②再録では068頁「ローカル伝説に終わったのは/実在したが故… 」、ここはまとめです。前半部分を抜いて置きま…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(12)

・「不思議ナックルズ」VOL.12(5) 昨日の続き。 3節め、①初出誌の見出しは044頁3段め4〜5行め「マスクの下に隠された正体は/オッサンだった……? 」で、②再録066頁上段4行め〜067頁下段「「マスクの下にある顔は/ただのオッサンだ」 」です。 この節からは…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(11)

・「不思議ナックルズ」VOL.12(4) 昨日の続き。 2節め、①初出誌の見出しは043頁4段め16〜18行め「「その目玉を見てしまった奴が/いるんです。死人のような/目をしていたそうですよ」」ですが、②再録064頁下段7行め〜066頁上段行め「様々な証言が錯綜する/…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(10)

・「不思議ナックルズ」VOL.12(3) 「デキゴトロジー」について長くなりましたが、2月14日付(06)の続きで「不思議ナックルズ」の記事に戻って、1つめの節の最後、「週刊朝日」の要約を示した続きを示して置きましょう。本文の引用は②再録『恐怖の都市伝…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(09)

・「週刊朝日」デキゴトロジー(3) 一昨日からの続きで、①週刊誌掲載のものと②新潮文庫『デキゴトロジー vol.8』掲載のものの本文を比較して見ます。「/」は①の、「|」は②の改行位置です。 細かい異同は注記しましたが、大きな違いは灰色太字で示した箇…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(08)

・「週刊朝日」デキゴトロジー(2) 昨日の続き。 『デキゴトロジー』の信憑性については、巻頭、『vol.7』『vol.8』共通で3〜5頁「デキゴトロジー宣言」に謳われております。恐らく他の単行本・文庫版も同様に巻頭にこの宣言があるのでしょう。 最後の方を…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(07)

・「週刊朝日」デキゴトロジー(1) ここで「週刊朝日」の記事を詳しく見て置きましょう。 ・「週刊朝日」10月23日号(昭和62年10月23日発行・朝日新聞社・182頁) ついでに前後の号も眺めてみました。別に記事にするかも知れません。なお、総頁数ですが、…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(06)

・「不思議ナックルズ」VOL.12(2) 昨日の続き。 さて、この記事の執筆者ですが、初出誌042頁左下に「【取材・文】こども商事/【イメージ・イラスト】烟巻和美」、再録には062頁左上に「取材・文●こども商事 イラスト●烟巻和美」とあります。本文を読んでみ…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(05)

2月9日付(04)の続き。 ・「不思議ナックルズ」VOL.12(1) そして、単行本『新耳袋大逆転』「第三十話」文庫版『新耳袋殴り込み 第二夜』「第二十六話」の「『不思議ナックルズ』からの依頼」ということになります。 まず、単行本『新耳袋殴り込み』を読…

稲川淳二「生き人形」(6)

1月28日付(5)の続きで、小池壮彦の「生き人形」検証記事について。 前回、章見出しの異同を確認しました。今度は細かい本文の異同を見て置きます。句読点や括弧の半角・全角の違いなどは取りませんでした。 ②073頁2行め「壮絶な恐怖譚は80年代に」→③093頁…

赤い半纏(12)

・日本の現代伝説『魔女の伝言板』(4) 1月31日付(11)及び2月1日付「大島廣志『民話――伝承の現実』(1)」にて取り上げた、大島広志編「若者たちのこ・わ・い話」ですが、2014年2月1日付「赤いマント(101)」に取り上げた、日本の現代伝説(白水社)シ…

丸山昭『まんがのカンヅメ』(13)

・小学館文庫『トキワ荘実録』(6)あとがき① 2015年8月19日付(4)に、文庫版の初版第一刷と第二刷について、うっかり「大きく異なるのは奥付のみのようである」と書いてしまったのだが、2015年【12月27日追記】に注意して置いたように、225〜226頁「あと…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(4)

・「映画秘宝」 ギンティ小林『新耳袋大逆転』及びその文庫版『新耳袋殴り込み 第二夜』の記述を順に検討しても良いのですが、小林氏がこの人物を著述に取り上げるに至った経緯から見て置きましょう。 単行本「第二十九話」文庫版「第二十五話」の「蘇る都市…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(3)

・ギンティ小林『新耳袋大逆転』 それでは、基本文献たる『直撃現代百物語 新耳袋大逆転』とその文庫版『新耳袋殴り込み 第二夜』の、この人物に関する記述について、その位置を確認して置きましょう。書影は2月6日付(1)に貼付しました。 さて、単行本・…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(2)

・ギンティ小林『新耳袋殴り込み』 昨日の続き。 この人物に関する文献には、後述するように出没していた時期のものもあるのですが、まずはこの人物について、話題が再燃するきっかけになったギンティ小林による言及を見て置きましょう。 ・ギンティ小林『突…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(1)

・基本文献 記事の題は、現在最も流布している「三本足のサリーちゃん」としても良かったのですが、これは目撃者の一部に行われていた呼称であり、敢えて採用しませんでした。「三本足」は実態に即していないし、別に流布している「三本足のリカちゃん」とも…

芥川龍之介『侏儒の言葉』の文庫本(3)

・新潮文庫1810『侏儒の言葉・西方の人』(3) 2015年12月11日付(2)の続き。 ①三十七刷を①二十七刷と比較して見た。 カバー表紙折返しは、新潮カセットブックの「芥川龍之介のカセット」の広告で、「●芋粥/羅生門」「●好色/藪の中」「●杜子春/蜘蛛の…

筒井康隆『時をかける少女』(7)

・角川文庫3637(3) 昨日の続きで角川文庫3637(六十二版)と角川文庫14269(改版初版)の本体の比較、表題作については昨日済ませているので、今日は併載の2作品について比較して見る。 ・六十二版115頁(頁付なし)改版初版117頁(頁付なし)「悪夢の真…

筒井康隆『時をかける少女』(6)

・角川文庫3637(2) それでは角川文庫3637(六十二版)と角川文庫14269(改版初版)の本体を比較して見る。 ここで注意して置きたいのは、番号が異なっているのに後者が「改版初版」となっていることである。番号を打ち直すのであれば、ただの「初版」で良…

筒井康隆『時をかける少女』(5)

・角川文庫3637(1) 角川文庫3637の六十二版を見た。 カバー表紙は、2015年4月6日付(1)に貼付した書影に同じ*1。Amazon詳細ページでは原寸以上に拡大して見ることが出来る。 カバー表紙折返し、縦組みで著者紹介文、 ●筒井康隆(つつい やすたか) 一九三…

大島廣志『民話――伝承の現実』(1)

昨日の1月31日付「赤い半纏(11)」に取り上げた大島広志(1948生)の報告ですが、初出誌は見ていませんが大島氏の論文集によって素性が少々明らかになりましたので、ここに補って置きます。 ・大島廣志『民話――伝承の現実』三弥井書店・250頁・A5判上製本民…