瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(6)

昨日の続きで、改訂版の3章めについて細目を見て置く。79頁(頁付なし)は扉、縦組みで上部中央に明朝体太字「み〜っつ◆」◆は人魂型で中に光沢状に淡い人魂型が入る。その下、中央に古印体「よみがえる伝説の怪異」とある。 初版では3月27日付(3)にて見た…

だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(5)

3月28日付(4)の続きで、2章め、初版41頁=改訂版47頁(頁付なし)は扉、縦組みで上部中央に明朝体太字「ふた〜つ◆」◆は人魂型で中に光沢状に淡い人魂型が入る。その下、中央に古印体で2行「なぜわたしが…… /無惨に死んだ亡者のすすり泣き」とある。扉の…

中島京子『小さいおうち』(44)

・文春文庫 文庫版については、当初未見であったため、書影を貼付した記事(2013年12月21日付「赤いマント(61)」)を、刷次を列挙して置く形式にしなかった。 そこでバラバラに挙げることになってしまったため、非常に見づらくなってしまった。それで今更…

だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(4)

【事務連絡】2013年12月31日付「記述の方針について」に述べたように、コメント欄での意見交換はしないことにしています。コメントは管理人である私の承認後に公開になりますので、連絡を希望される場合はコメントにメールアドレスを添えて下さい。折返し連…

だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(3)

一昨日からの続きで、本体について初版と改訂版を比較して見る。 見返しは遊紙ともに小豆色、扉は皮革状の凹凸のある白いアート紙で、文字等が初版では茶色で、改訂版は赤で印刷されている。初版は上部に、ごく薄い茶色でカバー背表紙中央にあったのと同じ人…

だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(2)

昨日の続きで、平成12年(2000)7月刊の初版と、平成13年(2001)7月刊の改訂版のカバーを比較して見る。 カバー背表紙、改訂版の最上部にゴシック体白抜き横組みで「改訂」と入っている他の「多摩の怪談ぞくぞくガイド◆行けば、出る けやき出版」は同じだが…

だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(1)

・『多摩の怪談 ぞくぞくガイド』2000年7月21日第1刷発行・定価1000円・けやき出版・159頁・B6判並製本多摩の怪談ぞくぞくガイド作者: だーくプロ出版社/メーカー: けやき出版発売日: 2000/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る・『改訂 多摩の怪談…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(21)

結論を述べてしまうとそこで安心(?)してしまって続けられなくなってしまう悪癖が私にはあって*1、3月3日付(20)から随分間が空いてしまいましたが、ぼちぼち再開することにします。 ・ギンティ小林『新耳袋大逆転』(5) 3月1日付(18)の続き。 「週刊…

八王子城(12)

前回、3月18日付(11)までで、椚國男の著書のうち2冊に取り上げられた八王子城跡の怪異について、紹介を終えた。他の著述はまだ確認していない。――前回見たように椚氏本人は何も見ていないのだけれども、卒業生や警備員、ボーイスカウトや和太鼓のグループ…

新人物往来社『東京都の不思議事典』(4)

昨日の続きで、単行本『東京都の不思議事典』下巻15〜55頁「文学編」にあって、新人物文庫『東京都謎解き散歩』に再録されなかった項について、目次にある番号と、ゴシック体の本文見出し、括弧で括った執筆者、頁と行を示して置く。 2 鹿の骨を焼いた!? 武…

新人物往来社『東京都の不思議事典』(3)

それでは文庫版の「新編集」振りを窺うべく、手始めに「文学編」を比較して見よう。 単行本『東京都の不思議事典』では「文学編」は下巻15〜55頁に41項あったが、文庫版『東京都謎解き散歩 23区編』61〜96頁「第2章 文学編」では12項、文庫版『東京都謎解き…

新人物往来社『東京都の不思議事典』(2)

『東京都の不思議事典』はその後、地域別に編集し直して2冊の文庫本(新人物往来社)として刊行されている。単行本では本文は図版も含め全てモノクロであったが、文庫版はオールカラーである。 ・新人物文庫248『東京都謎解き散歩 23区編』2012年10月13日第1…

新人物往来社『東京都の不思議事典』(1)

上下2巻(新人物往来社)A5判上製本。 ・樋口州男・谷口榮・加藤貴・小野一之・早崎博之 編『東京都の不思議事典〈上巻〉』一九九七年二月十日第一刷発行・定価三、〇〇〇円・204頁東京都の不思議事典〈上巻〉作者: 樋口州男,加藤貴,早崎博之,谷口栄,小野一之出版…

八王子城(11)

3月16日付(10)の続き。 揺籃社ブックレット8『高尾山と八王子城』の「今に残る怪異」の最後、32頁4〜10行め、 ‥‥。二〇年くらい前になるが、八王子城山会のメンバーに不幸が/あいついだ。この城跡/を愛し大切にしている/のになぜ! とおもっ/たが、私…

宮澤賢治の文庫本(11)

・新潮文庫4192『新編 銀河鉄道の夜』(3) 青いカバーの掛かった①四十九版を見た。そこで2015年8月16日付(05)で見た、①三十六刷や②六十二刷等と同じ表紙のカバーが掛かっている①四十九刷を借りて来て、比較して見た。後者を仮に通常カバーと呼ぶことにす…

八王子城(10)

揺籃社ブックレット8『高尾山と八王子城』の「今に残る怪異」の最後の段落、その冒頭の32頁3〜4行めを抜いて見よう。 霊感のつよい人には死霊*1にみちた怖い山であり、霊が呼ぶのか花篭沢の奥で/は自殺者が多い。‥‥ この「霊が呼ぶのか」という事例は『戦…

八王子城(09)

揺籃社ブックレット8『高尾山と八王子城』32頁1〜2行め、3月13日付(07)に引いた「最もリアリティがある」例に付け足されているもう1例を見て置こう。 ‥‥。また、大手門跡近くに寺院を建てようとした僧侶が、反対集会参加者に語った「強い霊圧がありました…

八王子城(8)

前回と同じ人から聞いた話がもう1話。『戦国の終わりを告げた城』70頁8〜10行め、「造形大の怪談」の節だけれども、大学とは関係ない内容である。 これも松尾さんが市内にある「龍神太鼓」のメンバーの一人から聞いた話であるが、御主殿の/滝のちかくで練習…

八王子城(7)

「造形大の怪談」の5話めを引いて見よう。『戦国の終わりを告げた城』70頁3〜7行め、 つぎは、毎年旧暦六月二十三日の落城忌に氏照公の墓前で一緒になる松尾好高さん(西蓮寺檀/家総代)が、造形大の警備員を一〇年間していた近所の人から聞いた兵士の幽霊…

八王子城(6)

さらに続きを見てみよう。『戦国の終わりを告げた城』69頁12行め〜70頁2行め、 第四は、造形大3号館での怪である。多摩陵の参道近くにある学生寮で霊界の存在を信じてい/る尚樹さんの先輩が新寮生たちに学校のまわりから幽霊が出る話をし、「信じない者は夜…

八王子城(5)

残念ながら、復興は殆ど進んでいないようだ。その前段階の、大袈裟に過ぎる嵩上げとか防潮堤とかをモタモタ作っているうちに、莫大な予算をつぎ込んで人の殆どいない街を拵えることになりかねない様相だ。いくら安全な街を作ってもこんなに待たされては、人…

八王子城(4)

昨日の続きで揺籃社ブックレット8『高尾山と八王子城』の「忌み山」の章、「今も残る怪奇」の節の最初の段落を引いて見よう。31頁5〜11行め、 「幽霊を見た!」とか、「鬨の声を聞いた!」という話は今でもあり、御主/殿の滝下は民放が数回取材にみえた心…

八王子城(3)

・揺籃社ブックレット8『東京の名山・名城 高尾山と八王子城』2009年10月12日初版発行・定価800円・高尾山の自然をまもる市民の会・123頁・A5判並製本高尾山と八王子城―東京の名山・名城 (揺籃社ブックレット)作者: 椚國男,吉山寛出版社/メーカー: 揺籃社発…

チェーホフ『桜の園』の文庫本(2)

・湯浅芳子訳(2) 本体、1頁(頁付なし)扉、匡郭は第二九刷は10.4×6.5cm、第46刷・第55刷は10.2×6.5cm、第二九刷と第46刷・第55刷との異同は、上部2行めの明朝体半角数字に下線のところが「4117」から「32-622-5」になっていること*1。 2頁(頁付なし)は…

チェーホフ『桜の園』の文庫本(1)

・湯浅芳子訳(1) 第二九刷・第46刷・第55刷の3冊を並べて見た。 ・岩波文庫4117 ・昭和二五年一二月二〇日第一刷発行 ・昭和三七年九月一六日第一九刷改版発行(101頁) ・昭和四六年二月二〇日第二七刷発行 定価★*1 ・昭和四八年一一月三〇日第二九刷発…

八王子城(2)

・椚國男『戦国の終わりを告げた城』(2) さっそく「造形大の怪談」の本文を見て行くこととしよう。まず68頁3〜6行め、 山裾にある東京造形大学には怪談が多い。昔は寄宿舎に新入生がはいってくると、先輩が寄宿/舎にまつわる怪談をして怖がるのを楽しむ…

八王子城(1)

八王子城跡には行ったことがない。 行こうと計画したことはある。大学2年生の春、後輩も増えたのでサークル内に名所旧跡を散策する集まりを作って、東京近辺の史跡巡りを何回か実施したことがある。結局行かなかったのだが、1:25000地形図「八王子」を購入し…

山本禾太郎「妻の災難」(1)

昨日は偉そうなことを書きましたが、あのような錯誤は別に珍しいことではありません。いきなり正解には辿り着けないので、ある程度材料が揃ったところで筋を通してみて、その上でなお材料を求めて、その都度、以前に通した筋で良いのか点検していくことにな…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(20)

・昭和61年秋(2) この怪人物の出没時期は、ギンティ小林『新耳袋大逆転』が出た当時、2月14日付(06)に引いた「不思議ナックルズ」の記事にもあるように、昭和62年(1987)の秋から冬に掛けてであるとされていました。 しかしながら、小林氏が「中学3年…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(19)

・昭和61年秋(1) ギンティ小林の記述に見られる錯誤については、前回までで材料をほぼ出し尽くしました。この錯誤に対する最良の解決法は、小林氏本人が自己の経歴と、怪人物出没時期及び「週刊朝日」や他の目撃者の証言との摺り合わせを行うことだろうと…