瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

森類『鴎外の子供たち』(1)

小金井喜美子や森於菟の、鴎外についての回想の諸本を借りて来たついでに、森茉莉や小堀杏奴、それから森類『鴎外の子供たち』も借りて来て、メモを取ってみたのだが、ダイアリーからブログに移行するに際して、過去の記事を通覧していたら、2013年2月28日の…

岡本綺堂の文庫本(13)

・岩井紫妻の「恋」と「死」(4) 一昨日からの光文社時代小説文庫『女魔術師』177~192頁「岩井紫妻の死」と、中公文庫『怪獣』117~130頁「岩井紫妻の恋」の比較の続きで、今回は「下」について。 ・『女魔術師』187頁9行め「座敷に這入って」は、『怪獣…

岡本綺堂の文庫本(12)

・岩井紫妻の「恋」と「死」(3) 昨日からの光文社時代小説文庫『女魔術師』177~192頁「岩井紫妻の死」と、中公文庫『怪獣』117~130頁「岩井紫妻の恋」の比較の続き。 前回の引用からも分かるように、『怪獣』は歴史的仮名遣いのまま(振り仮名を除く)…

岡本綺堂の文庫本(11)

・岩井紫妻の「恋」と「死」(2) 昨日の続き。昨日敬体だった文体が常体になっているのは気分で、深い意味はありません。 それでは光文社時代小説文庫『女魔術師』177~192頁「岩井紫妻の死」と、中公文庫『怪獣』117~130頁「岩井紫妻の恋」を比較して見…

岡本綺堂の文庫本(10)

・岩井紫妻の「恋」と「死」(1) 2月22日付(09)にて、光文社時代小説文庫『傑作情話集 女魔術師』に収録されている「岩井紫妻の死」が「新演藝」大正12年(1923)3月号に掲載された初出で、中公文庫『怪獣 岡本綺堂読物集七』に収録された「岩井紫妻の恋…

山岸凉子『ヤマトタケル』(6)

上製本と単行本(あすかコミックス)の本体を比較してみよう。 上製本は巻頭にカラー口絵、1頁(頁付なし)は2月7日付(1)に指摘したように単行本『前編』のカバー表紙に、3頁(頁付なし)は2月17日付(2)に指摘したように単行本『後編』のカバー表紙に…

岡本綺堂の文庫本(09)

・中公文庫『怪獣 岡本綺堂読物集七』 2018年10月25日 初版発行(303頁)定価780円怪獣-岡本綺堂読物集七 (中公文庫)作者: 岡本綺堂出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2018/10/23メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 中公文庫のこのシリーズ(千葉…

山岸凉子『ヤマトタケル』(5)

・あすかコミックス版のカバー(2) 昨日の続きで、カバー折返しを見て置こう。白地で、文字は全て横組み。 カバー表紙折返しは共通で、上部に桃色の枠(’3.5×3.5cm)に囲われて例のロンパリのギャグ漫画風の自画像で桃色の薔薇を銜えている。下辺のみ太く…

山岸凉子『ヤマトタケル』(4)

・あすかコミックス版のカバー(1) カバー表紙は2月7日付(1)及び2月17日付(2)に示したが、上部の標題などが入っている辺りの地色は褪色しているようだ。私の手許にある本はさらに褪色が進んでいて、書影では黄色が入っている標題が『前編』の方は白…

赤いマント(167)

私は何周年とか、何回めとか、入場者数何人めとか、そんなことは余り気にしないのだけれども、昭和14年(1939)の赤マントについては80周年を期して何とか纏めてみたいと思っていました。 今日は2013年11月8日付(18)に取り上げた記事、新聞が初めてこの流…

山岸凉子『ヤマトタケル』(3)

・上製本のカバー カバーの図柄については2月7日付(1)にも触れたが、もう少し詳しく見て置こう。 表紙と裏表紙は僅かな余白(幅0.3cm)を除いてほぼ全面が子持枠(18.4×12.1cm)*1で、表紙には二上山の夕景、雄岳(517m)と雌岳(473.9m)の間、雄岳の斜…

山岸凉子『ヤマトタケル』(2)

今回から新稿である。――2月7日付(1)に書いた、何故か私が行ったときだけ上製本が貸出中になっていた図書館にまた行って来た。今はネットで貸出延長が出来るから、しばらく行かないつもりでいた。私が借りるような本は他の人が余り借りない妙な本か、どこ…

織田作之助『世相』の文庫本(1)

・講談社文芸文庫『世相・競馬』 世相・競馬 (講談社文芸文庫)作者: 織田作之助出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/03/11メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (14件) を見る・二〇〇四年三月一〇日第一刷発行(283頁)定価1100円 …

東雅夫編『文豪怪談傑作選』(1)

・『文藝怪談実話』のカバー ちくま文庫のこのシリーズは文豪1人1冊で、怪異小説や随筆をまとめたものである。――怪異小説と云うと私はどうも、嘘臭さやわざとらしさが気になってしまうので、たまに図書館で借り来ても殆ど読まずに返してしまうのだが*1、2011…

別冊太陽「森鴎外」(3)

・別冊太陽 日本のこころ 193「森鴎外 近代文学界の傑人」(3) ・83~93頁「父なる鴎外」の章は山崎氏による説明はなく、子供たちの回想を引き、子供宛の書状などの写真を掲出しているが、90~91頁「杏奴のために/教科書を手作り」については、90頁中央の…

別冊太陽「森鴎外」(2)

・別冊太陽 日本のこころ 193「森鴎外 近代文学界の傑人」(2) ・昨日見た1章め、山崎一穎「鴎外の生涯」には、研究者や作家の書いたコラムが5つ挿入されているが、その4つめ、36~39頁、岡井隆「詩歌人 鴎外の謎と魅力/日露戦争従軍の体験詩歌句集『うた…

別冊太陽「森鴎外」(1)

・別冊太陽 日本のこころ 193「森鴎外 近代文学界の傑人」 2012年2月17日 初版第1刷発行・平凡社・定価2300円・159頁・A4判並製本森鴎外―近代文学界の傑人 (別冊太陽 日本のこころ 193)作者: 山崎一穎出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2012/01/19メディア: …

松本清張『山中鹿之助』(2)

昨日の続き。 P+D BOOKS版には解説類はなく、作品の来歴は奥付の前の頁にある「(お断り)」に初出について説明しているのみである。小学館文庫版の同じ位置(205頁の裏、奥付の前)には明朝体で、 ――――――――本書のプロフィール――――――― 本書は、二〇一…

松本清張『山中鹿之助』(1)

・P+D BOOKS(小学館・B6判並製本)山中鹿之助 (P+D BOOKS)作者: 松本清張出版社/メーカー: 小学館発売日: 2015/05/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る・2015年5月25日 初版第1刷発行/2015年7月11日 第3刷発行(190頁)定価…

新潮日本文学アルバム(2)

・新潮日本文学アルバム 1『森鴎外』(2)奥付 昨日の続きで初刷・九刷・一二刷の本体、奥付の異同について。 右上隅の「編集・評伝 竹 盛 天 雄/エ ッ セ イ 吉 村 昭」は一致。 その左「資料提供協力者」として3段、九刷と一二刷は一致、1段めは「石黒…

新潮日本文学アルバム(1)

・新潮日本文学アルバム 1『森鴎外』(1)カバー 1月17日付「小金井喜美子『森鴎外の系族』(5)」に書影を示した新潮日本文学アルバム 1『森鴎外』のカバーについて、3種を並べて見た。 改装としたが、カバー表紙・背表紙・折返しは同じ*1。どこが違う…

山岸凉子『ヤマトタケル』(1)

この下書き記事は2015年7月28日に登録・保存したままになっていた。最近、あすかコミックスの2冊本を借りる機会があったので四六判上製本と比較して記事にしようと思ったのだが、上製本を借りた図書館は今、ちょっと行くのが難しく、今でも通っている別の区…

チェーホフ『ワーニャ伯父さん』の文庫本(1)

これは2017年4月9日の昼前に登録・保存している。すなわち昨日取り上げた岩波文庫32-622-4『三人姉妹』のメモを最後に保存したのが同じ日の午後で、どうやらこの『ヴァーニャ伯父』のメモの作成に関連してのことであったらしい。 これも今、何ら記事に加筆・…

チェーホフ『三人姉妹』の文庫本(1)

2016年3月29日に登録し、2017年4月9日に保存したままになっていた。第29刷と第38刷のメモだが、今後の追加に期待して上げて置く。なお、巻末の目録について、草稿ではそれぞれ別の段落にしていたのをまとめた以外は手を入れていない。 Amazon詳細ページでは…

松谷みよ子『あの世からのことづて』(3)

2016年5月8日付(2)を投稿するに際し分割し、冒頭「昨日の続きで」としているように5月9日に投稿するつもりだったのだが、何故か時期を逸して最終的に5月23日に保存したままになっていた。 これも手を入れずにそのまま上げて置く。 * * * * * * * …

伊藤左千夫『野菊の墓』(6)

これも下書き記事から。2012年11月23日晩に登録し、2014年3月17日に保存したままになっていました。 どうも、ダイアリーからブログへの移行のため、約1000件の下書き記事をコピー・ペーストしてワープロ文書として保存する作業を繰り返すうちに、何だか虚脱…

杉浦日向子『江戸アルキ帖』(3)

これも下書き記事から。2014年3月23日に登録して2014年4月22日に保存してそのままになっていた。どうして当時投稿しなかったのか、何となくは推測出来るが今更当時するつもりだった加筆を十全に出来そうにないので、手を入れずにそのまま上げて置く。 * * …

岡本綺堂『三浦老人昔話』(1)

これも下書き記事から。2013年3月6日に登録し、2013年3月8日に保存してそのままになっていた。『三浦老人昔話』には2017年5月1日付「岡本綺堂の文庫本(5)」に触れたことがある。 * * * * * * * * * *・光文社文庫『鎧櫃の血』(1) 2012年11月…