瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

吉田秋生『櫻の園』(09)

・中原俊監督映画(4) ③の「main menu」画面は、右が濃いグラデーションの桃色地で文字は全て横組み、左にパッケージに使用されているB2判ポスター、その下に淡い桃色のゴシック体で英語の題「The Cherry Orchard」、ポスターの右に淡い灰色の明朝体で立体…

吉田秋生『櫻の園』(8)

・中原俊監督映画(3)出演者 前回整理した、映像商品のうち③のパッケージの写真は、ポスター(B2判)を縮小して収めている。 ポスター(B2判)にはもう1種類あって、制服姿の顔写真を1段に4~5人、5段に配したものがある。すなわち、2~4段めの中央は標題…

吉田秋生『櫻の園』(7)

来月、(と云うか、いつの間にか今週末になってしまったが)中原俊監督映画の Blu-ray 盤が発売される。櫻の園 [Blu-ray]出版社/メーカー: オデッサ・エンタテインメント発売日: 2019/08/02メディア: Blu-rayこの商品を含むブログを見る この映画については…

赤いマント(207)

・吉行淳之介『贋食物誌』(2) 昨日の続き。 和田氏との対談ではごく簡略になって、当初女学生を狙っていることになっていた件などが見当たらない。これは7月18日付「吉行淳之介『恐怖対談』(3)」に引いた、恐怖対談シリーズの担当編集者・横山正治「解…

赤いマント(206)

7月22日付(205)に予告した、吉行氏が赤マント流言体験を書いたエッセイを確認して置こう。 ・吉行淳之介『贋食物誌』(1) 諸版と引用の要領については7月24日付「吉行淳之介『贋食物誌』(1)」に同じ。 ①42~43頁・②65~67頁・③73~76頁5行め「19・餅…

吉行淳之介『贋食物誌』(3)

7月24日付(1)に引いた「あとがき」に拠ると連載は昭和48年(1973)12月11日から昭和49年(1974)4月10日まで100回、この間の日数は121日だから、年末年始と週1回くらい、休んでいる勘定になる。 山藤氏のイラストに注目すると、年記が「17・蟹(かに)③」…

吉行淳之介『贋食物誌』(2)

・吉行淳之介の誕生日(1) 吉行淳之介の年譜としては、当初、近所の市立図書館等で目にした次の本に載るものを参照していた。 ・新潮現代文学42『砂の上の植物群・夕暮まで』 昭和五十四年六月 十 日 印刷・昭和五十四年六月十五日 発行・定価一二〇〇円・…

吉行淳之介『贋食物誌』(1)

①単行本(新潮社・207頁・四六判上製本)贋食物誌 (1974年)作者: 吉行淳之介出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1974メディア: ?この商品を含むブログ (1件) を見る・昭和49年10月10日 印刷・昭和49年10月15日 発行・定価 七〇〇円 ②新潮文庫2470 贋食物誌 (197…

保健室の思ひ出(1)

中学の2年か3年のとき、クラス替えがなかったのでどちらか思い出せないのだが、反省文を書かされたことがある。 掃除当番は教室の他に特別教室の担当もあって、それをどう回していたかももう覚えていないけれども、その日、私の属する男子ばかりの班は保健室…

赤いマント(205)

・吉行淳之介『特別恐怖対談』(2) 昨日の続きで、6節め「小鳥クリーニングと赤マント」の後半、吉行氏と和田氏の語る赤マントの件を見て置こう。 単行本144頁2行め~145頁8行め・文庫版160頁15行め~163頁6行め・文芸文庫55頁8行め~56頁(15行め)。 和…

赤いマント(204)

一昨日まで最初の『恐怖対談』と最後の『特別恐怖対談』の2点だけだけれども、吉行淳之介「恐怖対談シリーズ」について一応の確認をした。そして昨日、手始めに「エレベーターの墜落」にまつわる怪談を取り上げたのだけれども、本題はむしろこちらの方である…

elevator の墜落(3)

・吉行淳之介『恐怖対談』 昨日まで、企画について確認した吉行淳之介の「恐怖対談シリーズ」の1冊め、『恐怖対談』には10人のゲストとの対談が順に収録されているが、7月17日付「吉行淳之介『恐怖対談』(2)」に引いた文庫版の和田誠「解説」にもある通り…

吉行淳之介『恐怖対談』(4)

昨日の続き。 ・『特別恐怖対談』(2) 最終回である10篇め「遠藤周作――メイ手vs.メイ人篇」単行本193~211頁・文庫版219~240頁、1頁め(頁付なし)は扉で横組みで大きく上部に単行本は中央、文庫版は左寄せで題、単行本はその下にゲスト名、文庫版は右寄…

吉行淳之介『恐怖対談』(3)

昨日の続きで、今回はシリーズ最終巻から「恐怖対談」について述べた箇所を抜き出して見よう。 ・『特別恐怖対談』(1) 吉行淳之介「あとがき」は単行本213頁・文庫版241頁、同文で字配りも同じである。2~12行め、 この本は「恐怖対談」シリーズPART…

吉行淳之介『恐怖対談』(2)

それでは、シリーズ最初の『恐怖対談』と最後の『特別恐怖対談』から、この「恐怖対談」が如何なるものであるかの記述を抜き出して見よう。 ・『恐怖対談』(1) 吉行淳之介「あとがき」は単行本(2刷)231頁・文庫版(二刷)266頁、同文で字配りも同じで…

吉行淳之介『恐怖対談』(1)

吉行淳之介(1924.4.13〜1994.7.26)の小説は、殆ど読んだことがない。有名作家の作品は他の人に任せて置けば良いと思っていたのと、題材にされている娼婦に興味も親しみも覚えないからである。落語の廓噺も好きではない。勉強のために聞いたので、大して面…

赤いマント(203)

・黒田清『そやけど大阪』(6) 昨日引いた、滝川小学校の卒業生たちが同窓会で語った赤マント流言の内容について、確認して置こう。 「小学四、五年生のころだったか」の段落が、実は小学3年生のときだったと思われるのだが、黒田氏が実際に接した流言の内…

赤いマント(202)

・黒田清『そやけど大阪』(5) 第三章の19節め「紙芝居の街、郷愁の赤マント」の続き、185頁5~14行め、 小学四、五年生のころだったか。学校の新館(木造校舎でない木造モルタル張りの校舎をそう呼ん/だ)の便所に赤マントがいるとか、隣の松枝小学校まで…

赤いマント(201)

・黒田清『そやけど大阪』(4) 昨日見た、第三章の18節め「匂いの記憶が町並みを浮かばせる」に述べられていた平成5年(1993)4月の同窓会のことは、19節め、183頁11行め~185頁「紙芝居の街、郷愁の赤マント」に続くのである。 前節の最後の段落を受けて…

赤いマント(200)

・黒田清『そやけど大阪』(3) 昨日の続き。 滝川小学校の同窓会については、まづ第二章の10節め「昭和十年代の天満を地図で ”再現” 」の冒頭、前回引用した箇所の前の段落に、99頁11~12行め、 九月はじめの日曜日、小学校の同窓会があった。場所は天満天…

赤いマント(199)

・黒田清『そやけど大阪』(2) 私は高校時代の3年間を兵庫県で過ごし、大阪にも年に何度か出たけれども、ほぼ梅田の周辺で用事を済ませて、それ以外の場所に行って見たことがない。たまに都会に出る高校生には大阪は何だか複雑で、寄席や映画を見るような…

赤いマント(198)

田辺聖子の赤マントについて、時期と登場人物につき少々長くなってしまった。河合隼雄との対談では、昨日の引用に続く「大きな意味をもって存在する男の子」の節に、登場する男子のモデルについて(『私の大阪八景』には触れずに)語っており、小説との関連…

赤いマント(197)

・田辺聖子『私の大阪八景』(16) タヌキ先生⑧ 昨日の続きで、河合隼雄対談集『あなたが子どもだったころ』の四六判並製本(光村図書出版)と四六判上製本(楡出版)の、田辺氏との対談から、3節め「小学四年生という時代」を全文抜いて置こう。48頁下段7行…

赤いマント(196)

・田辺聖子『私の大阪八景』(15) タヌキ先生⑦ 昨日の続きで、河合隼雄対談集『あなたが子どもだったころ』の四六判並製本(光村図書出版)と四六判上製本(楡出版)の、田辺氏との対談から、小学4年生時の回想を抜いて置こう。 1節め「人生のいちばん初め…

赤いマント(195)

・田辺聖子『私の大阪八景』(14) タヌキ先生⑥ 昨日書影を示した河合隼雄対談集『あなたが子どもだったころ』の四六判並製本(光村図書出版)と四六判上製本(楡出版)の関係だが、頁数が一致するところから察せられるように、装幀が違うだけで本体はほぼ同…

赤いマント(194)

・田辺聖子『私の大阪八景』(13) タヌキ先生⑤ 昨日で『私の大阪八景』については一区切りにして、今日から新たに、大阪でやはり小学生時代にこの流言に接した人物の回想を取り上げる予定だったのだが、念のため「答案の回覧」について述べている本をもう1…

赤いマント(193)

・田辺聖子『私の大阪八景』(12) 前回引用した数え歌だが、何か元歌があってその節で歌ったのだろうか。「三ぴん」は漢字だと「三一」。 それでは、赤マント小説の一件の最後*1。『全集』第一巻33頁4~12行め(長篇全集219頁上段11行め~下段2行め・岩波現…

赤いマント(192)

・田辺聖子『私の大阪八景』(11) 昨日、主人公トキコが授業中に小説を書いていることをタヌキ先生に見つかって、教壇で級友たちに見せるように言われて笑われるところを見たが、今日はその続きで読み上げさせられるところを抜いて置こう*1。『全集』第一巻…

赤いマント(191)

・田辺聖子『私の大阪八景』(10) タヌキ先生の確認で長くなったが、6月30日付(188)の続き、少し飛ばして、『全集』第一巻31頁5~19行め(長篇全集218頁上段3行め~下段1行め・岩波現代文庫34頁4行め~35頁5行め・角川文庫(改版)37頁8行め~38頁7行め)…

赤いマント(190)

・田辺聖子『私の大阪八景』(9) タヌキ先生④ 『田辺写真館が見た ”昭和” 』19章め「昭和の子供の夏休み」では、昨日の引用した箇所までで一旦中断して、195頁11~12行め、 ――このお話は前にもある所へ書いたことがあるけれども、この、一見、かしこそうな…