瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

伊藤正一『黒部の山賊』(8)

今回も私の手許にある②新版、③定本、④文庫版について。 ・見返し(2) それでは②裏表紙見返しの「山賊たちのプロフィール」について、③220~221頁④300~301頁と比較して見よう。前回注意したように②には(昭和三十九年当時)と註記してあって、基本的に4人…

伊藤正一『黒部の山賊』(7)

今回も私の手許にある②新版、③定本、④文庫版について。 ・見返し(1) ③は濃灰色のタントで、遊紙にも何も刷られていない。④は本体表紙をめくると本文共紙の1頁(頁付なし)扉になっている。よって③④については特に記述することはない。しかし②には(恐らく…

伊藤正一『黒部の山賊』(6)

今回は私の手許にある②新版、③定本、④文庫版について。 ・カバー折返し まづ②は見返しに印刷してある図や文字が隠れないよう切除されている。カバー表紙折返しは白地で 1.0cm ほど存しており、下部は何か色刷の右端に沿って切断したようだ。カバー裏表紙折返…

伊藤正一『黒部の山賊』(5)

①初版、②新版、③定本、④文庫版の関係について。 ・初版カバー裏表紙の竹節作太の紹介文 ①のカバー裏表紙、右側の余白の上部、縦組みで「●ほんとう /にあった話 /当時毎日新聞担当記者/竹 節 作 太」とあって、明朝体縦組み2段組の紹介文。この竹節作太(1…

伊藤正一『黒部の山賊』(4)

昨日の続きで①初版、②新版、③定本、④文庫版の関係について。 ・カバー裏表紙の「毎日新聞」の記事 カバー背表紙、②は白地で上部にカバー表紙や扉と同じ字体の標題、下寄りに明朝体で大きく著者名、最下部にゴシック体の横並びで極小さく「実業之日本社」。③…

伊藤正一『黒部の山賊』(3)

昨日の続きで①初版、②新版、③定本、④文庫版の関係について。 ・カバー表紙の版画 ①初版は未見だが、前回述べたように本文の図版を元の写真によって新しいものに差し替えた他は②新版と同じであると云う前提で進めて行く。 カバー表紙、①②④は同じ版画を装画に…

伊藤正一『黒部の山賊』(2)

昨日の続きで①初版、②新版、③定本、④文庫版の関係について、まづ①初版、②新版の関係を確認して置こう。 と云って、昨日も述べたように私は①を見ていない。 しかしながら、②を見るに、装幀は昨日示したように違っているが、本文1~223頁は①をほぼそのまま覆刻…

伊藤正一『黒部の山賊』(1)

昨年から④文庫版を某市立図書館で時々借りていた。この某市立図書館は3月末から完全休館してしまったのだが、急にそうなることになった、その前日にたまたま本を返しに行って借りて、今もそのまま手許にある。 それから、3月に何冊かブックオフに本を売った…

周防正行『シコふんじゃった。』(12)

一昨日の続きで、「立教大学体育会相撲部」HPの「周防正行さん特別インタビュー」について、今回も昨日と同じくモデルについて語っている部分を見て置こう。 ・山本秋平のモデル それこそ、助っ人で行って、普通は体育会運動部から助っ人が行くんですけど、…

周防正行『シコふんじゃった。』(11)

昨日の続きで、「立教大学体育会相撲部」HPの「周防正行さん特別インタビュー」から、モデルについて語っている部分を見て置きましょう。 ・慶應義塾大学相撲部、青木と田中のモデル 慶應大学、東京大学にも取材に行った。東大の部員は凄いマニアックな人た…

周防正行『シコふんじゃった。』(10)

昨日の続きで、「立教大学体育会相撲部」HPの「周防正行さん特別インタビュー」で語らえている内容について。 前回紹介したように、仮に番号を附した①②③の順になっているが、実は②①(周防正行)の順に収録され、さらに③(桝井省志)が収録されたようだ。当然…

周防正行『シコふんじゃった。』(09)

5月18日付(08)の最後に、ジャン・コクトーの旅行記の、堀口大學訳の書影を補って置いたが、主題曲「林檎の木の下で」及び挿入曲「悲しくてやりきれない」を収録するアルバム(1992年1月22日発売)を示して置こう。 ・おおたか静流『REPEAT PERFORMANCE』 …

赤いマント(245)

・北川幸比古の学年(6) 児童文学作家・詩人の北川幸比古(1930.10.10~2004.12.25)の学年とその時期について、松谷みよ子『現代民話考』の中で一定していないことを、これまで指摘して来ました。 まづ2013年10月24日付(003)にて、北川氏が『現代民話考…

周防正行『シコふんじゃった。』(8)

ジャン・コクトーの引用は、冒頭だけではない。 穴山教授の実家に夏合宿に出掛け、小説*1では教授の実家の青森まで高速道路を延々運転させられることになっていたと思うのだが、こちらはローカル線(2輛の単線)を乗り継いでいる。 そんなに高くない丘陵地と…

周防正行『シコふんじゃった。』(7)

昨日の続き。昨日は途中で、過去の記事の誤りを訂正するために脇道に逸れてしまったが、ここで再び、冒頭の「比較文化研究室」の場面に話を戻そう。 壁の本棚の一隅、例のコクヨのスクラップブックと並んで「Seven Stars」がカートンで置いてある。コクヨ ス…

周防正行『シコふんじゃった。』(6)

何故『シコふんじゃった。』を思い出したかと云うと、4月13日(月)の晩からしばらく、2014年11月30日付(2)へのアクセスが増えたので、何事かと思ったら、21:00~22:45にBSプレミアムで斎藤道三関連番組(?)として放送されていたのだった。気付いていな…

同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(11)

・五-3-G「デマの傳播」(2) 一昨日・昨日の続き。ですから本当は(3)なのですが、昨日の「赤マント事件」は独立して取り上げたので(2)として置きます。今回は278頁12行めからこの章の最後、281頁4行めまでを抜いて置きます。 目なし達磨 色々の…

赤いマント(244)

・同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(2) 標記の記事としては2つめだが、5月3日付(243)の続きと云うよりも昨日の続き、すなわち「G デマの傳播」の引用の続きで、278頁6~11行め、 赤マント事件 昭和十三年十一月から翌年二月にかけて、帝都の學童を震…

同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(10)

・五-3-G「デマの傳播」(1) 私が本書を確認しようと思ったのは、2019年4月12日付「赤いマント(175)」に述べたように、ナカネくんの2019年4月2日22:04の tweet に紹介されているのを見たからです。しかしながら、5月3日付「赤いマント(243)」に述…

同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(09)

昨日の続き。 1頁中扉、上部中央に縦組み明朝体太字で標題。なお、記事の題ではナカネくんの2019年4月2日22:04の tweet に示されている表紙(及び背表紙)の標題通り「國際宣傳戦」としていますが、活字では全て「國際宣傳戰」となっております。 3頁「一、…

同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(08)

昨日まで、5月4日付(01)に引いた「編者の言葉」を執筆している同盟通信社調査部長内海朝次郎(1900~1946.12.9)について、子息の内海紀雄による「メディア展望」への連載「一通信社記者の「昭和」~その軌跡を手紙と日記に見る」にて、同盟通信時代の経歴…

同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(7)

昨日の続きで、新聞通信調査会HPの「メディア展望総目次(年)」から、内海紀雄「一通信社記者の「昭和」~その軌跡を手紙と日記に見る」の(XI)から最後まで見て置きましょう。要領は5月5日付(2)に同じ。 ・第591号(平成23年4月1日発行・40頁)13…

同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(6)

昨日の続きで、新聞通信調査会HPの「メディア展望総目次(年)」から、内海紀雄「一通信社記者の「昭和」~その軌跡を手紙と日記に見る」の(Ⅷ)から見て行きましょう。要領は5月5日付(2)に同じ。 ・第588号(平成23年1月1日発行・32頁)17~19頁…

同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(5)

昨日の続きで、新聞通信調査会HPの「メディア展望総目次(年)」から、内海紀雄「一通信社記者の「昭和」~その軌跡を手紙と日記に見る」の(Ⅴ)から見て行きましょう。要領は5月5日付(2)に同じ。 ・第585号(平成22年10月1日発行・32頁)14~16頁…

同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(4)

一昨日からの続きで、新聞通信調査会HPの「メディア展望総目次(年)」から、内海紀雄「一通信社記者の「昭和」~その軌跡を手紙と日記に見る」の(Ⅳ)を見て置きましょう。要領は5月5日付(2)に同じ。 ・第584号(平成22年9月1日発行・40頁)14~1…

同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(3)

昨日の続きで、新聞通信調査会HPの「メディア展望総目次(年)」から、内海紀雄「一通信社記者の「昭和」~その軌跡を手紙と日記に見る」の(Ⅱ)以降を見て行きましょう。要領は昨日見た(Ⅰ)に同じ。 これは、当ブログで行って来た赤マント流言についての記…

同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(2)

前回、内海朝次郎(1900~1946.12.9)は8月歿か、と見当を付けて見たのですが、違っていました。 前回触れた「一記者の戦中・戦後」との副題の2冊は閲覧の機会がなかなか得られそうにありません*1が、新聞通信調査会HPの「メディア展望総目次(年)」から、…

同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(1)

昨日の続きで当初、「赤いマント(244)」と題して投稿したのですけれども、本の説明がしばらく続きそうで赤マント流言には及びませんので、書名の方を題にしました。 * * * * * * * * * * 本書の書影はナカネくんの2019年4月2日22:04の tweet に…

赤いマント(243)

・同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(1) 私はこの本のことを、2019年4月12日付(175)に述べたように、ナカネくんの2019年4月2日22:04の tweet に拠って知りました。 しかし、国立国会図書館には所蔵がなく、国立国会図書館サーチで検索するに、都内で所…

赤いマント(242)

・森川直司『裏町の唄』の「赤マント」(3) 昨日の続きで、赤マント流言の内容について。 「女ばかりか子供も男も殺されたとか」と云う被害者の範囲ですが、これについては差当り2018年9月3日付(161)に引いた「經濟雜誌ダイヤモンド」昭和14年3月1日号の…