瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(189)

これも今日投稿しないと2022年は投稿なしになってしまうので急遽準備して投稿することにした。 2021年12月19日付(188)に続いて、叢書東北の声44『杉村顕道作品集 伊達政宗の手紙』に収録される小説の設定を検討したものを(189)と(190)として準備してい…

赤いマント(328)

一昨日、12月28日付「『稲川淳二のすご~く恐い話』(6)」に少し苦情(?)を述べたように、私は赤マント流言について長らく調べていて、恐らく日本で一番詳しいのだけれども、執筆希望を出しているのに何処からも執筆依頼がない。それどころか、当ブログ…

稲川淳二『稲川怪談』(8)

念のために断って置くと、私は『新耳袋』は殆ど読んでいない。何冊か借りて見たのだが、昨日の最後の方に述べたように、私はどうしても背景、すなわち、時代や場所、人間関係などの説明に具体性がなくて、体験そのものだけが書かれたものにはリアリティを感…

『稲川淳二のすご~く恐い話』(6)

昨日の最後に取り上げた、「中山市朗ブログ」の2009年04月15日「マスコミについて」に、稲川氏が『新耳袋』と共通の話をライブで語り、書籍にも載せていることについて「‥‥。で、あの人はライブで話したことを本にする(ゴーストライターが、ですけど)んで…

稲川淳二『稲川怪談』(7)

細かいところを見て行くと際限がなくなる上に、私はそもそも稲川淳二のことをそんなに知らぬので、このまま続けても勘違いをしては後でそのことに気付いて訂正また訂正と云うことになりそうだ。そんな訳で、この辺りで本題である稲川氏が取り上げて有名にな…

稲川淳二『稲川怪談』(6)

こんな記事を上げているものだから(但し殆ど閲覧されていないから気にする必要はないかも知れぬのだが)再々断っているように、私は怪異の体験談とか実話怪談とか云うものが苦手である。体験したと云う主張を否定するつもりはない。当人が見たと云う以上、…

稲川淳二『稲川怪談』(5)

昨日取り上げた②『昭和・平成・令和 長編集』第二章【4-2】「ピンクの女」は、昨日も注意したように【4-1】「闇夜の赤ん坊」と抱き合わせて【4】「ナオ・バーズ・バー」として纏められている。 そのため、初出『稲川淳二のすご~く恐い話(PARTⅠ)』第34話「…

稲川淳二『稲川怪談』(4)

一昨日、12月22日付(3)に見た、②『昭和・平成・令和 長編集』の「出典・初出一覧」に『稲川淳二のすご~く恐い話』の『ベストセレクション』が入っていることに注意し、昨日、そのリイド文庫『稲川淳二のすご~く恐い話 ベストセレクション』について、12…

『稲川淳二のすご~く恐い話』(5)

昨日述べたような理由で、実物未見ながら次の本を取り上げる。 ・リイド文庫『稲川淳二のすご~く恐い話 ベストセレクション』平成13年8月2日 第1刷発行・平成17年7月11日 第2刷発行・定価457円稲川淳二のすごーく恐い話ベストセレクション (…

稲川淳二『稲川怪談』(3)

昨日の続きで今年刊行された②『昭和・平成・令和 長編集』の細目と「出典・初出一覧」を眺めて置こう。要領は昨日に同じ。 ・7頁(頁付なし)扉「第一章 怖い記憶」全面に写真、カバー裏表紙「6」に同じ。 【1】真っ赤な男(8~13頁) ユニJオフィース 【2…

稲川淳二『稲川怪談』(2)

昨日の続きで①『昭和・平成傑作選』と②『昭和・平成・令和 長編集』の細目と222~223頁「出典・初出一覧」を合わせて確認して置こう。 ①②とも222頁1行めには「本書に掲載した作品は、リイド社より刊行された、次の書籍に掲載されたものを改訂・改題したもの…

稲川淳二『稲川怪談』(1)

稲川淳二は同じ話を繰り返し語っています。語り藝ですから、当然揺れがあります*1。単に稲川氏の怪談を愉しみたいと云うのであれば、前に聞いた、或いは読んだのと違うところが、少し引っ掛かって、SNSなどに書いて、それ以上別に何ともしない訳ですが、私は…

東京八王子西ロータリークラブ『山と平野のふれあう街』(1)

①東京八王子西ロータリークラブ広報委員会 編集『山と平野のふれあう街 ―写真でつづる八王子の昔と今―』昭和56年6月26日発行・東京都八王子西ロータリークラブ(八王子)・146頁・19.5×21.5cm ②東京八王子西ロータリークラブ30周年実行委員会 編集『山と…

『稲川淳二のすご~く恐い話』(4)

・リイド文庫『稲川淳二のすご~く怖い話』(4)PARTⅢの細目 昨日の続きで③PARTⅢの細目を見て置こう。①と同じ要領で写真が挿入されているが、メモする余裕がなかった。再見の機会があれば補いたい。 「もくじ」の題は古印体、本文では行書体、人魂の枠は灰…

『稲川淳二のすご~く恐い話』(3)

・リイド文庫『稲川淳二のすご~く怖い話』(3)PARTⅡの細目 昨日の続きで②PARTⅡの細目を見て置こう。①と同じ要領で写真が挿入されているが、メモする余裕がなかった。再見の機会があれば補いたい。 「もくじ」と本文とも題は行書体。 第1話『犬泣きトンネ…

『稲川淳二のすご~く恐い話』(2)

・リイド文庫『稲川淳二のすご~く怖い話』(2)PARTⅠの細目 昨日の記事で、このシリーズの最初に出た3冊を並べて(仮に①②③として)装幀や構成を比較して見たのだが、②PARTⅡと③PARTⅢは先に返却してしまったので、細目と、気になった話若干についてメモが取…

『稲川淳二のすご~く恐い話』(1)

私は体験談に余り興味がない。それなのに取り上げる理由は、場所や時代、それから登場人物に対する興味からである。 稲川氏の話の場合、後で引用するが、どうも話を盛っているところが目に付いて、そのまま考証に使えない。しかも稲川氏は同じ話を繰り返し語…

道了堂(114)

・郷内心瞳『拝み屋念珠怪談』(5) 昨日の続き。『奈落の女』224頁8~10行め、 遊佐さんたちの目当ては、同じ境内に祀られている首なし地蔵と呼ばれる地蔵だった。*1 こちらもその名のとおり、首から上の部分が欠損した地蔵尊で、悪戯半分で触れると/祟り…

道了堂(113)

昨日の記事は郷内氏の説明する「ノート」の性質の確認だけに終わってしまい、道了堂跡の記述に及びませんでした。或いは『拝み屋念珠怪談』の方を記事の題にすべきかとも思ったのですが、通読する余裕のないまま『奈落の女』は返却してしまったし、『緋色の…

道了堂(112)

・郷内心瞳『拝み屋念珠怪談』(3) 取材ノートの纏め方については『緋色の女』180頁8行め~181頁9行めに以下のように説明されている。 乗換駅までは四十分近い時間があった。かなりの余裕があるため、鞄*1からメモ書き用/の取材ノートを取りだし、先ほど…

道了堂(111)

ところで、都内の民俗調査報告書などにも「オガミヤ」のことは出ているから、そのような存在が村社会にいたことは知識としては知っている。イタコとか、テレビの心霊番組に出ていた霊能者も、そして道了堂の堂守もそう云った存在だったのだろう。そう云えば…

道了堂(110)

・郷内心瞳『拝み屋念珠怪談』(1) 近年の実話怪談の類にも、道了堂或いは道了堂跡を取り上げたものがあって、9月13日付「『「超」怖い話』(1)」に述べたように、少しずつ拾い集めている。元より私は7月10日付「新聞解約の辯(4)」に述べたように、体験…

山田桂子『「待ち」の子育て』(1)

人間選書77『「待ち」の子育て』農山漁村文化協会・206頁・B6判並製本 ・昭和61年1月5日 第1刷発行・昭和61年7月20日 第8刷発行・定価 1,200円 ・昭和61年1月5日 第1刷発行・昭和63年6月20日 第16刷発行・定価 1,262円 ・1986年1月5日 第1刷発行…

八王子市の首なし地蔵(7)

昨日、菊地正の八王子の民話集についても着手すべきか、と書いたのだけれども、今日、勤め帰りに図書館に寄ってちらちら眺めて、とても手に負えないと思った。昨日述べたことについても、若干訂正を要するかと思ったのだが、これも本格的な検討には発展させ…

八王子市の首なし地蔵(6)

・北八王子町会「北八王子だより」(2) 昨日の続きで、「北八王子だより」No.29(2020 年6月号)に引用・紹介されている「■ 首無し地蔵の伝説」の2つめを見て置こう。こちらは八王子市図書館蔵書のカバー表紙・背表紙・裏表紙の白黒複写を掲載してい…

八王子市の首なし地蔵(5)

・北八王子町会「北八王子だより」(1) 北八王子町会は八王子市町会自治会連合会「東北部地区連合会HP」に拠ると2022年3月現在で230世帯、世帯数から見て、八王子市石川町の南端、北八王子駅、八王子市立第一中学校、八王子市立第八小学校と云った辺りを…

八王子市の首なし地蔵(4)

八王子市『ふるさと八王子』所収「東西南北」の「首なし地蔵の昔話」の最後の段落、167頁下段7~15行めには、 地蔵の前に/は、さい銭や/供物があった。/新しい住民が/増えたこの土/地で、今も人/びとの信仰を/つないでいる/ようだ。 とあって、昭和5…

八王子市の首なし地蔵(3)

昨日は清水成夫『八王子周辺の民話』及び『八王子ふるさとのむかし話』に言及されている、日野原(日野市日野台)の首塚の場所と伝承について確認するうち、何時なくなったのかの検証(と云うか見当を付けること)で長くなってしまった。八王子市石川町の首…

八王子市の首なし地蔵(2)

昨日引用した清水成夫による2種の「首なし地蔵」のうち、気になるのは「現在の第八小学校の敷地内にあった」との記述である。 何故なら、現在位置は岐れ道で方角を失って倒れた、と云う話の内容に良く合うからである。八王子市立第八小学校の敷地では、周囲…

八王子市の首なし地蔵(1)

八王子に「首なし地蔵」と呼ばれる地蔵があって、と云う話は稲川淳二が広めてかなり有名になっているらしい。その鑓水の道了堂跡にある石地蔵だが、立像と座像の2躯があって、稲川氏は一方に指定しているのに混乱を来している。その上、稲川氏は近著に収録し…