瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

松本清張「天城越え」(2)

2013年7月30日付(1)にぼんやりとした回想を述べたが、その後再見の機会を得ないままだった。松本清張原作 天城越え【NHKスクエア限定商品】大谷直子、佐藤慶、鶴見辰吾 ほかAmazon それが、4月9日(土)未明(8日深夜)の「けものみち」再放送に続く「松…

全国歴史散歩シリーズ13『東京都の歴史散歩』(1)

山川出版社から出ている全国47都道府県の歴史散歩シリーズ。 私はこういう簡便な本に頼るのが嫌だったので、余り世話になった覚えがない。しかし、結局碌な参考書にも巡り合わず、好い加減に歩いて現地の看板で初めてどんな場所であるのか感心するような按配…

桜井正信『滅びゆく武蔵野』(1)

桜井正信 解説/岡田沢治 写真『滅びゆく武蔵野』有峰書店 【第一集】刊行当時【第二集】刊行は予定されておらず、しばらく【第一集】が『滅びゆく武蔵野』とのみ題して刊行されていた。 その後【第二集】の制作が進んだ時点で第二刷から『滅びゆく武蔵野【…

道了堂(46)

・かたくら書店新書45『浜街道 「絹の道」のはなし』(5) 前回の最後に注意した、『八王子事典』が平成2年(1990)9月としている大塚山公園の開園時期を、本書と『歴史的環境の形成と地域づくり』で馬場喜信が平成2年(1990)3月としていることについて、…

道了堂(45)

・かたくら書店新書45『浜街道 「絹の道」のはなし』(4) 昨日の続き。 本書の由来は「おわりに」の最後の段落(251頁9行め~252頁2行め)に述べてある。 この本は、かたくら書店の田原勘意さんのすすめで、書きました。はじめにお話/をいただいたのは、…

道了堂(44)

・かたくら書店新書45『浜街道 「絹の道」のはなし』(3) 内容の確認の続き。要領は昨日示した通り。 99頁(頁付なし)中央上部にゴシック体太字で「第2部 歩いてみよう「浜街道」」とある扉。 「0 道を歩くために――地図のことなど」100頁5行め~106頁3…

道了堂(43)

・かたくら書店新書45『浜街道 「絹の道」のはなし』(2) 昨日の続きで、内容を眺めて置こう。 1頁(頁付なし)中央上部にゴシック体太字で「第1部 調べてみよう「浜街道」」とある扉。 章の題はやや大きく1字下げ4行取り、図版は大体下に明朝体横組みで…

道了堂(42)

僅かな記述であっても、どのような条件の下で書かれたものだか確認して置かないと安心出来ないので「東京新聞ショッパー」連載を元にした2冊にえらい手間を掛けてしまったが、次に在野の著述家馬場喜信の、浜街道探求の集大成とも呼ぶべき本を見て置こう。 …

道了堂(41)

・馬場喜信『流域紀行八王子』(4) 本書第一部「流域紀行八王子」は『峠と路』第一部「八王子の峠と坂道」と同じく「東京新聞ショッパー」八王子・日野版への連載で、分量も限られているから、道了堂について詳しく描写するようなことはない。18~19頁「⑨ …

道了堂(40)

・馬場喜信『流域紀行八王子』(3) 昨日の続きで、第二部「八王子の歩き方」の細目と初出、図版及び表について確認して置こう。 ① 市境歩き(東京新聞ショッパー一九八一年九月四日号)106~112頁 ・107頁上 概念図(八王子市の境界線、●で山や峠・住宅地…

道了堂(39)

・馬場喜信『流域紀行八王子』(2) 昨日の続きで、第一部「流域紀行八王子」の細目を見て置こう。要領は4月16日付(35)に見た、同じ「東京新聞ショッパー」八王子・日野版への連載を元にした『峠と路』第一部「八王子の峠と坂道」に準ずる。本文末、改行…

道了堂(38)

・馬場喜信『流域紀行八王子』1982年1月25日 印刷・1982年2月1日 発行・定価 800円・かたくら書店・154頁 新書判だが本書が刊行された当時はまだ「かたくら書店新書」と云うレーベルにしていなかった。その後「かたくら書店新書4」として再刊されているは…

道了堂(37)

・かたくら書店新書23『峠と路』(3) 「あとがき」の後半は連載時の担当者に対する謝辞である。すなわち164頁3行め「 本書第一部については、東京新聞ショッパー社の斉藤康子氏にお世話になりました。‥‥」とあり、8行め「 本書第二部については、多摩文化…

道了堂(36)

・かたくら書店新書23『峠と路』(2) 昨日の続き。――1頁(頁付なし)第一部の扉をメモするのを忘れていた。左上にやや大きく「第一部 八 王 子 の 峠 と 坂」とあって、中央から右下に縦長の松林の写真、右側に下詰めで明朝体縦組みで小さく「南高尾山稜に…

道了堂(35)

しばらく、馬場喜信の著述を眺めて行くこととしよう。 ・かたくら書店新書23『峠と路 八王子とその周辺』1987年3月18日 第1刷発行・2008年2月11日 第3刷発行・定価800円・164頁 最後に頁付のない見開きの「〔第三刷への補記〕」がある。1頁め2~3行め、 二〇…

道了堂(34)

・法政大学地域研究センター叢書5『歴史的環境の形成と地域づくり』(9) さて、しばらく本書所収の馬場喜信の論文、第一部「第七章 浜街道《絹の道》―歴史的景観の発掘と史跡化―」の、今後の考察に関わりそうな箇所を取り上げて来たが、最後に215頁12行め…

道了堂(33)

・法政大学地域研究センター叢書5『歴史的環境の形成と地域づくり』(8) 馬場喜信の論文、第一部「第七章 浜街道《絹の道》―歴史的景観の発掘と史跡化―」の「第二節 《絹の道》―その歴史的景観の発掘と史跡化」の「(2) 《絹の道》史跡化への動き―行政…

道了堂(32)

・法政大学地域研究センター叢書5『歴史的環境の形成と地域づくり』(7) 馬場喜信の論文、第一部「第七章 浜街道《絹の道》―歴史的景観の発掘と史跡化―」の「第二節 《絹の道》―その歴史的景観の発掘と史跡化」の「(2) 《絹の道》史跡化への動き―行政…

道了堂(31)

・法政大学地域研究センター叢書5『歴史的環境の形成と地域づくり』(6) 昨日の続きで、馬場喜信の論文、第一部「第七章 浜街道《絹の道》―歴史的景観の発掘と史跡化―」の「第二節 《絹の道》―その歴史的景観の発掘と史跡化」210~213頁7行め「(2) 《…

道了堂(30)

・法政大学地域研究センター叢書5『歴史的環境の形成と地域づくり』(5) 昨日の続きで、馬場喜信の論文、第一部「第七章 浜街道《絹の道》―歴史的景観の発掘と史跡化―」の208~215頁11行め「第二節 《絹の道》―その歴史的景観の発掘と史跡化」を眺めて行…

道了堂(29)

・法政大学地域研究センター叢書5『歴史的環境の形成と地域づくり』(4) 昨日の続きで、馬場喜信の論文、第一部「第七章 浜街道《絹の道》―歴史的景観の発掘と史跡化―」の「第一節 浜街道《絹の道》の生成から衰退まで」の「(2)浜街道―盛時から忘れら…

道了堂(28)

・法政大学地域研究センター叢書5『歴史的環境の形成と地域づくり』(3) 4月7日付(27)の続きで、馬場喜信の論文、第一部「第七章 浜街道《絹の道》―歴史的景観の発掘と史跡化―」の「第一節 浜街道《絹の道》の生成から衰退まで」の「(2)浜街道―盛時…

白馬岳の雪女(103)

白馬岳の雪女が越中の伝説として富山県で現在でも流布され続けていることは、2021年11月29日付(089)にその一端を窺った。 この少し前、2021年7月30日(金)から11月23日(火)まで開催されていた、黒部市のうなづき友学館(黒部市歴史民俗資料館)の市制施…

道了堂(27)

・法政大学地域研究センター叢書5『歴史的環境の形成と地域づくり』(2) 4月5日付(26)に見た、編著者の馬場憲一が序章で述べている本書のもととなったプロジェクトの研究会について、馬場喜信の発表と論考「浜街道《絹の道》―歴史的景観の発掘と史跡化―…

謬説の指摘(5)

これは昨日投稿するつもりだったのだけれども、書き上げる前に解除し忘れていた別稿の予約投稿が実行されてしまったので少し間が抜けているが1日遅れで上げて置く。従って文中の「昨日」は一昨日、「今日」は昨日のことである。 * * * * * * * * * …

道了堂(26)

昭和58年(1983)解体説を広めるのに最も力があったのは Wikipedia「道了堂跡」項であろう。その典拠は示されていないが、大元は『八王子事典』であったろうと思う。『八王子事典』は3月29日付(23)に取り上げた「多摩のあゆみ」第五十五号の2年半後、平成3…

校舎屋上の焼身自殺(29)

・川奈まり子『実話怪談 でる場所』(3) 以下、収録される話には仮に番号を打ち、場所は②文庫版3~5頁(頁付なし)「目 次」に近い形式で題に添えて置いた。①並製本3~4頁(頁付なし)「目 次」では、場所はやはりゴシック体で、2018年10月8日付「閉じ込め…

校舎屋上の焼身自殺(28)

・川奈まり子『実話怪談 でる場所』(2) ①並製本にはなく、②文庫版に新たに追加されたのは、256~258頁「文庫あとがき」のみである。 ここに、本書の成立についての記述がある。――本書に収録される話は全て著者・川奈まり子(1967.11.9生)本人或いは川奈…

校舎屋上の焼身自殺(27)

2018年10月8日付「閉じ込められた女子学生(5)」からしばらく取り上げて検討した、①川奈まり子『実話怪談 出没地帯』だが、先日、図書館OPACで文庫版が出ていることを知って、借りて来た。 ②河出文庫『実話怪談 でる場所』二〇一九年 七 月一〇日 初版印刷…

井上章一『南蛮幻想』(1)

・井上章一『南蛮幻想 ユリシーズ伝説と安土城』 ①上製本(平成十年九月十日 第一刷発行・定価2286円・文藝春秋・451頁・四六判上製本)南蛮幻想―ユリシーズ伝説と安土城作者:章一, 井上文藝春秋Amazon 平成11年(1999)4月13日に読み始めて4月21日に読み終…