瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

傳説

杉村顯『信州の口碑と傳説』(10)

・「南信地方」(5)下伊那郡 昨日の続きで、青木純二『山の傳説 日本アルプス篇』と共通する話を挙げ、典拠と認められそうなものを「←」、部分的に一致するものを「≒」で示した。 356頁8行め~376頁3行め「下伊那郡」6題、但し6番め、371頁4行め~376頁3行…

杉村顯『信州の口碑と傳説』(09)

・「南信地方」(4)上伊那郡 昨日の続きで、青木純二『山の傳説 日本アルプス篇』と共通する話を挙げ、典拠と認められそうなものを「←」、部分的に一致するものを「≒」で示した。 317~356頁7行め「上伊那郡」9題、但し9番め、345頁2行め~356頁7行め「駒…

杉村顯『信州の口碑と傳説』(08)

・「南信地方」(3)北安曇郡 昨日の続きで、青木純二『山の傳説 日本アルプス篇』と共通する話を挙げ、典拠と認められそうなものを「←」、主題は同じだが依拠していないものを「≠」で示した。 274頁9行め~316頁「北安曇郡」9題、但し9番め、294頁8行め~3…

杉村顯『信州の口碑と傳説』(07)

・「南信地方」(2)南安曇郡 昨日の続き。 214頁4行め~274頁8行め「南安曇郡」12題、但し10番め、254~269頁5行め「有明山」は6項に分かれており、合計で17話である。 青木純二『山の傳説 日本アルプス篇』とは15話が共通する。但し【1】と【9】は、同じ…

杉村顯『信州の口碑と傳説』(6)

・「南信地方」(1)東筑摩郡・西筑摩郡・諏訪郡 昨日取り上げた「北信地方」は、地理的に見ても青木純二『山の傳説 日本アルプス篇』とは無関係であるはずなのだが、何故か『山の傳説』に含まれていた北信地方の2話(更級郡・小県郡)が、採録されているの…

杉村顯『信州の口碑と傳説』(5)

・「北信地方」の構成と『山の傳説』に類似する2例 8月23日付(2)の続きで、本書の構成を見て置こう。「北信地方」は「長 野 市」14題に続いて、42~79頁1行め「上水内郡」14題、79頁2行め~85頁1行め「下水内郡」2題、85頁2行め~88頁「上高井郡」2題、89…

杉村顯『信州の口碑と傳説』(4)

今日は、当初「・伝説集に対する麗しき誤解」との見出しで昨日の続きを述べて行くつもりだったのだが、人によっては当り前のことだし、急にこんな展開になって十分に用意が出来ている訳でもない。かつ、続きを書かないと全国各地から歎声が漏れる程に、読者…

杉村顯『信州の口碑と傳説』(3)

以下に述べることは考えて見れば当り前のことである上に、私自身、大体こんなものだろう、と云う見当は、持っていたのだけれども、最近の学界の議論は承知していないし、自分でも十分に整理し切れていない。かつ、本書に限った問題でもないので、ここで不慣…

杉村顯『信州の口碑と傳説』(2)

・編纂の動機 昨日の続きで、乙部泉三郎「序」及び杉村顯「自序」から、本書編纂について述べた箇所を見て置こう。 まづ、乙部氏の「昭和八年正月」付の「序」は、まづ「最近頓に勃興した郷土研究」の意義について述べ、しかし、県立図書館長として館の利用…

杉村顯『信州の口碑と傳説』(1)

①初版(昭和八年三月一日 印 刷・昭和八年三月五日 發 行・定價金貳圓四拾錢・信濃郷土誌刊行會・8+19+393頁・B6判) ②覆刻版(昭和六十年十一月十一日初版発行・定価 四、八〇〇円・郷土出版社・A5判上製本) 私は以前この覆刻版を、多分横浜市立中央図書…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(105)

・青木純二『山の傳説』(7) さて、8月15日付(102)まで4回に分けて引用した青木純二「晩秋の山の宿(白馬岳)」本文の、白銀冴太郎「深夜の客」との異同について、8月16日付(103)に何例か挙げて杉村顕道「蓮華温泉の怪話」は「晩秋の山の宿」に依拠し…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(85)

・末広昌雄「雪の夜の伝説」(20) ここまで、8月15日付(34)に引いた灰月弥彦の2018年1月24日21:19の tweetを切っ掛けに、朝里樹『日本現代怪異事典』から小松和彦監修『日本怪異妖怪大事典』と辿って末広氏の「山の伝説」について検討し、さらにその隠さ…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(84)

・末広昌雄「雪の夜の伝説」(19) 今回は昨日の続きで、ここまでの検討につき一応の結論を述べるつもりでしたが、その前に細かいことを2つ、取り上げて置きましょう。 * * * * * * * * * * 「嫁子ネズミの話」の「一」節めの類話が、同じ佐々木喜…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(82)

・末広昌雄「雪の夜の伝説」(17) 昨日の続きで、末広氏が依拠したと思しき佐々木喜善『東奥異聞』の「嫁子ネズミの話」の「一」節め、5段落めを抜いて置きましょう。 そこでスギのレッチウの者ども、女人のお告げの洞にいってみると、いかにもいわれたとお…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(81)

・末広昌雄「雪の夜の伝説」(16) 昨日の続きで、末広氏が依拠したと思しき佐々木喜善『東奥異聞』の「嫁子ネズミの話」の「一」節め、4段落めの残りを抜いて置きましょう。 ‥‥。女人はひどく喜んでスカリに向かっていうには、おおよく聴けよ。われこそはた…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(80)

・末広昌雄「雪の夜の伝説」(15) 昨日の続きで、末広氏が依拠したと思しき佐々木喜善『東奥異聞』の「嫁子ネズミの話」の「一」節め、4段落めの初めを抜いて置きましょう。 そのあとその女はスギのレッチウの小屋にいって、前同様のことをいって一夜の世話…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(79)

・末広昌雄「雪の夜の伝説」(14) 昨日の続きで、末広氏が依拠したと思しき佐々木喜善『東奥異聞』の「嫁子ネズミの話」の「一」節め、3段落めの後半を抜いて置きましょう。 ‥‥。その小屋では狩人が、たださえ女という語を嫌うのに、ましてなによりいちばん…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(78)

・末広昌雄「雪の夜の伝説」(13) 昨日の続きで、末広氏が依拠したと思しき佐々木喜善『東奥異聞』の「嫁子ネズミの話」の「一」節め、2段落めと3段落めの前半を抜いて見ましょう。傍点「ヽ」が打ってある箇所は再現出来ないので仮に太字にしました。 私に…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(77)

・末広昌雄「雪の夜の伝説」(12) 昨日の続きで、末広氏が依拠したと思しき佐々木喜善『東奥異聞』の「嫁子ネズミの話」の「一」節め、1段落めの残りを抜いて見ましょう。 ‥‥。この村の山中にこだまネズミというて、普通のネズミよりはやや小がらな、焦茶色…

お茶あがれ地蔵(3)

・広坂朋信『東京怪談ディテクション――都市伝説の現場検証』(2) それでは4月11日付(2)の続きで、「お茶あがれ地蔵とホステスの幽霊」から、お茶あがれ地蔵に関する記述を抜いて置こう。110頁2〜14行め、 もう一つ江戸時代の話をしておく。東武東上線北…

お茶あがれ地蔵(2)

この話を現代の怪異談と関連付けて見せた本としては、小池氏以前に次の本がある。 ・広坂朋信『東京怪談ディテクション――都市伝説の現場検証』1998年8月20日初版第1刷発行 書影は2016年8月30日付「広坂朋信『東京怪談ディテクション』(1)」に貼付した。…

お茶あがれ地蔵(1)

この地蔵について記事にすることは、2月2日付「小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(11)」に予告してあった。 まづ、小池壮彦の記述を紹介することとする。小池氏が発掘した話と云う訳ではもちろんないので、早い時期の文献から拾って行くべきかと思ったのだが…

だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(10)

・将門伝説 3月31日付(06)にて「詳細は別に記す」と予告した、「よみがえる伝説の怪異」の章の「将門伝説」について、初版が6頁(105〜110頁)であったのが改訂版は8頁(95〜102頁)となっている、その増補改訂振りを確認して置こう。 「目次」には初版5頁…

七人坊主(51)

最近、八丈島で七人坊主に触れている刊行物がありました。高橋雅信「【定時制課程副校長あいさつ】ヒイミサマ」(「八丈高校定時制ニュース」第29号・平成25年12月13日・東京都立八丈高等学校)です。 まず「新採1年目に大島支庁管内の学校に訪問研修」した…

塩嘗地蔵(051)

・歴史街道歩きの会『歴史探訪ガイド 首都圏 旧街道を歩く』2010年5月30日(第1版・第1刷発行)・定価1600円・メイツ出版・128頁・A5判並製本首都圏旧街道を歩く作者: 歴史街道歩きの会出版社/メーカー: メイツ出版発売日: 2010/05/30メディア: 単行本この商品…

浅沼良次編『八丈島の民話』(6)

2011年10月28日付(5)の続きは別に用意していたのだが、そのままになってしまった。今回は2011年10月24日付(1)の続きのつもりで、本書の成立事情について①及び④1〜5頁の「昭和四十年七月」付、浅沼良次「はしがき」から関係する記述を拾い、「七人坊主…

七人坊主(50)

・東京伝説の会編『東京の伝説』(4) 本書の編著者「東京伝説の会」には、本書以外の著作はないようだ。すなわち、本書編集のためにだけ作られた組織のようである。 この話の執筆者の望月氏については、254頁、「一九八〇年十二月」付の東京伝説の会「あと…

七人坊主(49)

・東京伝説の会編『東京の伝説』(3) 菊池たかし「七人ぼうずのたたり」(『ほんとうにあったおばけの話⑩』所収)での坊主たちの死因は、2011年10月14日付(02)にある通りなので原文の引用はしないで置く。若干補足をして置くと、鳥を撃つとか食うとかい…

七人坊主(48)

昨日の続き。 さて、鳥をどうしたのか、だが、矢口氏の報告は「鳩を撃った」とだけで、食べるために撃ったのだろうがそれでどうしたかを説明していない。『東京の伝説』には目的は書いてあるが食べ方の説明はない。しかるに、浅沼良次編『八丈島の民話』は鳩…

七人坊主(47)

・東京伝説の会編『東京の伝説』(2) 8月7日付(45)の続き。 142頁4〜8行め。 七人の坊さまは、 「もはや、背に腹はかえられぬ、生きのびるた/ めには、殺生もやむをえぬ。」 と、六わのハトを射落としました。そこは、六/羽ケ尾とよばれています。*1 14…