瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

傳説

白馬岳の雪女(095)

・石沢清『北アルプス白馬ものがたり』(5) 昨日の続き。 5 白馬につたわる話 【1】白馬の雪ん子(女の子) 174頁2~5行め、前置きの後半、4~5行め「‥‥、村の人々は深い山並みのどこかに雪ん子がいると信じて、いい伝えてきた。そして、本/当に見たとい…

白馬岳の雪女(092)

・石沢清『北アルプス白馬ものがたり』(2) 「もくじ」の最後、16頁下段3~7行めに下寄せで、 《写真・カット提供》*1 カバー表/森 肇 カバー裏/梨 子 田 真 口 絵/白馬村観光課 カ ツ ト/著 者 とある。石沢氏のカット・挿絵には「清」のサインがある…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(178)

・杉村顕道の家系(5) 2019年10月2日付(131)まで4回ほど、杉村顕道の生歿年月日や父兄の伝記資料など、断片的な蒐集に止まるけれどもメモして置いた。 しかしながら、杉村氏については注目している人も少なくないので、長野県関係の著述の評価を適正なも…

今野圓輔 編著『日本怪談集―妖怪篇―』(2)

・現代教養文庫1055(2) 昨日の続きで「はじめに」の最後の方を見て置こう。6頁2~12行め、 編者の聞書、採集以外の資料については、本文に関係深い部分だけの再録にとどめた。原文は/できるだけ尊重したが、一部分の抜書で充分でない場合は、前後を要約…

今野圓輔 編著『日本怪談集―妖怪篇―』(1)

①現代教養文庫1055(1981年12月30日 初版第1刷発行・定価560円・社会思想社・342頁)*1 日本怪談集 妖怪篇 (現代教養文庫)作者:今野円輔社会思想社Amazon カバー表紙、標題は白抜き、副題は灰色の明朝体、編者名は副題と同じ大きさのゴシック体灰色、その下…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(177)

・杉村顯『信州百物語』の剽窃本(3) 昨日の続きで、野田悠『信濃奇談夜話』の細目について、「←」で典拠である杉村顯『信州百物語』の話を、仮に附した番号と叢書東北の声11『杉村顕道怪談全集 彩雨亭鬼談』に収録される本文(281~380頁)の位置を添えて…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(176)

・杉村顯『信州百物語』の剽窃本(2) 昨日の続き。 ・野田悠『信濃奇談夜話』昭和六十二年八月六日発行・定価一、二〇〇円・郷土出版社・135頁・四六判並製本 カバー表紙には、上部に八角形の子持枠(3.3×10.8cm)があって、太線(外郭)の内側は白、細線(…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(175)

・杉村顯『信州百物語』の剽窃本(1) 民話や伝説の本は、先行する書籍から採っているものが多い。昔話や伝説は著作物ではない(はずだ)から問題にならない(はずである)。この素材に「再話」と称する書換えを行えば、それは著作物になる。いや「再話」だ…

白馬岳の雪女(090)

・大島廣志の「雪女」(2) 8月9日付(013)に、大島氏が昭和62年(1987)4月に世間話研究会の例会で「小泉八雲の『雪おんな』と雪女伝承」と題する発表をしていることに触れた。その内容は、その12年後に発表した論文「「雪おんな」伝承論」に反映されてい…

白馬岳の雪女(089)

さて、石崎氏は日本の民話55『越中の民話』第二集の丁度2年後に、4月26日付「石崎直義 編著『越中の伝説』(1)」に見た『越中の伝説』を著しており、4月29日付「石崎直義 編著『越中の伝説』(4)」に見たように、3章め「怪異伝説」の1節め「妖怪変化」の…

日本の民話55『越中の民話』第二集(4)

一昨日からの続きで、最後の4章めを見て置こう。 213頁(頁付なし)扉「九十歳の老媼七話/ ――話手 小矢部市埴生 上田はる(明治十七年生)」。 【80】嫁さになりそこなった蛇娘(215~218頁)挿絵215頁左上 【81】鴨川へ流れていった桃太郎(219~221頁) …

日本の民話55『越中の民話』第二集(3)

昨日の続きで、2章めと3章めを見て置く。 73頁(頁付なし)2章め「海の子守りうた」の扉。 【24】狐退治(75~76頁) 話手 氷見市南大町 余川久太郎 【25】蛸と鯛と茄子の山遊び(77~78頁)挿絵77頁上 話手 氷見市南大町 余川久太郎 【26】魚のけんかの仲裁…

日本の民話55『越中の民話』第二集(2)

2019年12月22日付(1)に①上製本と④並製本(オンデマンド版)についてメモして置いた。①上製本のカバーについては2020年3月14日付「日本の民話35『越中の民話』(4)」に、色違いの第一集カバーと比較しつつメモしてある。 1~2頁「は し が き」から内容…

日本の民話35『越中の民話』(6)

昨日の続き。 137頁(頁付なし)「呉 西 地 方」の扉、138頁(頁付なし)の左下に「高 岡 市 新 湊 市 氷 見 市/礪 波 市 小矢部市 東礪波郡/西礪波郡 射 水 郡」。要領は昨日に同じ。 【45】天までとどいた竹の子〔西礪波郡〕139~148頁(挿絵139頁上) …

日本の民話35『越中の民話』(5)

カバーについて2020年3月14日付(4)にて、2020年3月11日付(3)に見た①上製本第一刷と比較した①上製本第七刷に拠って、細目を見て置くこととしたい。扉や奥付については2019年12月21日付(1)にメモして置いた。 1~2頁「はしがき」の内容については2019…

白馬岳の雪女(085)

昨日の続き。 ・『日本昔話通観●第11巻/富山・石川・福井』(5) 橘正典『雪女の悲しみ』は10月7日付(066)に触れたように「139 雪女」の類話2を取り上げていたから、典型話も、類話1も、橘氏は見ていたはずである。しかし、取り上げていない。この辺り…

白馬岳の雪女(084)

昨日の続き。 ・『日本昔話通観●第11巻/富山・石川・福井』(4) やはり「伊藤稿」を見たいものである。しかしながら『日本昔話通観』に提供したためか、結局刊行されなかったようだ。――伊藤曙覧の旧蔵書は、小杉町民図書館(現・射水市中央図書館)と、住…

白馬岳の雪女(082)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(41)「五」1節め⑦ 昨日は何とか投稿したものの、余裕がなく、その後手を入れてそれなりに整えたものの、意を尽していない。 要するに、――全国的には松谷みよ子の再話で有名になったのだろうが、地元・長野県では胡桃沢友男の…

白馬岳の雪女(081)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(40)「五」1節め⑥ 昨日の続き。 しかし、遠田氏は越中・富山県側の伝承(?)事情を調べようともしない。いや、その後、8月1日付(005)に見たように黒部川の支流・黒薙川の十六人谷伝説に注目し、富山大学のシンポジウムに参…

白馬岳の雪女(080)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(39)「五」1節め⑤ 引用は11月9日付(078)の続き、7 石崎直義 編『越中の民話』第二集(1974年)に載る「雪女」(富山県下新川郡朝日町)と8『日本昔話通観』第十一巻(1981年)に載る「雪女」(富山県中新川郡立山町)の2話…

白馬岳の雪女(079)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(38)「五」1節め④ 11月9日付(078)に、遠田氏が「こんな再話」呼ばわりした『日本伝説傑作選』の中山光義「白馬の雪女」を、「口碑あるいは古い伝説として記録されたものであること」を条件にした「白馬岳の雪女伝説のリスト…

日本児童ペンクラブ『日本伝説傑作選』(3)

本書を確認しようと思ったのは、本書に載る「白馬の雪女」を、8月22日付「白馬岳の雪女(026)」に見たように、遠田勝『〈転生〉する物語』が白馬岳の雪女伝説の「口碑あるいは古い伝説として記録されたもの」としてリストアップしたものに含めていたからで…

日本児童ペンクラブ『日本伝説傑作選』(2)

昨日の続き。 内容は大きく2つの章に分けられている。 7頁(頁付なし)「怨霊と怪奇の世界」の章の扉。 9頁(頁付なし)1節め「怨 霊 伝 説」の扉。章・節の扉ともに上部中央に明朝体縦組み、節の方はやや小さく、章の方は太字。 10頁、3字下げ3行取りで1話…

日本児童ペンクラブ『日本伝説傑作選』(1)

・和歌森太郎・二反長半 共編『日本伝説傑作選』昭和四十九年三月三十日 初版第一刷発行・定価1200円・第三文明社・235頁・四六判上製本日本伝説傑作選 (1974年)第三文明社Amazon 一昨年に都内2つの区立図書館で借りた。今手許にあるものはカバーがない。現…

中島悦次『傳説の誕生』(4)

さて、本書9章め「傳説雪女」については、「あとがき」三二九頁3行めに「 同 「傳説雪女」 昭和 八・ 二・ 八(水) 後六・二五―六・五五」とあって、昭和8年(1933)2月8日水曜日の18時25分から55分に日本放送協会東京放送局(JOAK)の第一放送「趣味講座「傳説…

白馬岳の雪女(074)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(33)「四」① 83頁6行め~100頁3行め「四 ハーンの「雪女」を読む」は、遠田氏の「雪女」読解である。――私には「雪女」をどう読むか、と云ったところまで先行研究を辿り直して検討するだけの準備は出来ていないの…

日本の民話1『信濃の民話』(12)

・信濃叢書『信濃昔話集』(2) 本書に「採集 牧内武司」として見えている話の典拠と思しき牧内武司の著書だが、昨日述べたように10月20日付(08)に見た伊那民俗研究會 編『伊那民俗叢書 第二輯 昔ばなし』と共通する話が少なくないようだ。――もちろん『昔…

日本の民話1『信濃の民話』(09)

昨日の続きで最後、5章めを①上製本(初版)第一刷にて見て行くこととする。要領は10月17日付(05)に同じ。 259頁(頁付なし)中央上部に大きく「木 曾 路」。260頁(頁付なし)は左下に「西筑摩郡」。2012年11月30日付「泉鏡花『高野聖』の文庫本(4)」の…

日本の民話1『信濃の民話』(08)

昨日の続きで、①上製本(初版)第一刷の、4章めを見て行くこととする。要領は10月17日付(05)に同じ。 207頁(頁付なし)中央上部に大きく「諏訪湖・伊那谷」。208頁(頁付なし)は左下に「諏 訪 郡 諏 訪 市 岡 谷 市 上伊那郡/下伊那郡 駒ヶ根市 飯 田 …

日本の民話1『信濃の民話』(07)

一昨日からの続きで、①上製本(初版)第一刷の、3章めを見て行くこととする。要領は10月17日付(05)に同じ。 139頁(頁付なし)中央上部に大きく「安曇野・筑摩の里*1」。140頁(頁付なし)は左下に「北安曇郡 南安曇郡 大 町 市/東筑摩郡 松 本 市」。 【…