瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

改装

祖母の蔵書(56)村上元三

昨日の続きで、電話台に使っていた5段の簞笥の一番下の段の、後列に入っていた8冊揃い。 ・講談社文庫『水戸黄門』 139|8/A001『水戸黄門㈠ 葵獅子(上)』昭和55年1月15日第1刷発行・昭和55年2月28日第3刷発行・480円・426頁水戸黄門(一)葵獅子(上) …

祖母の蔵書(55)藤沢周平④

藤沢周平の文庫本は拾い尽くして、単行本に着手したつもりだったのだが、祖母宅の売却が具体化したこの時機になって纏まった数が出て来た。 応接間(兼ダイニングルーム)の隅に、昨日見た嶋中文庫『銭形平次捕物控』などが詰まった9段の簞笥があるのだが、…

祖母の蔵書(54)野村胡堂①

・嶋中文庫『銭形平次捕物控』嶋中書店 の 1 3(三)酒屋火事 二〇〇四年七月二〇日 第一刷発行・定価619円・373頁銭形平次捕物控 3 酒屋火事 (嶋中文庫 の 1-3)作者:野村 胡堂嶋中書店Amazonの 1 6(六)結納の行方 二〇〇四年一〇月二〇日 第一刷発行…

祖母の蔵書(52)モンゴメリ②

・新潮文庫 新装版 村岡花子 訳 「赤毛のアン/誕生100年」を記念して新装版を出しているのであるが、このとき、赤地のカバー背表紙、標題の下に標題と同じくゴシック体白抜きで「赤毛のアン・/シリーズ1 」のようにシリーズ名と順番が表示された。本体背…

祖母の蔵書(51)モンゴメリ①

家人は朝の連続テレビ小説を見ていて、人物の関係を『赤毛のアン』や『若草物語』に当て嵌めて理解しようとすることがあるのだが、これは10代の頃に祖母に薦められて読んだからで、祖母の小説の趣味は、晩年は時代小説、その前は推理小説と時代小説であった…

祖母の蔵書(50)池波正太郎⑤

・文春文庫『鬼平犯科帳』 2022年8月5日付(18)に取り上げた(四)までの4冊の続きは、応接間の隅の簞笥の中に収まっていた。 142―9(五)1978年5月25日 第1刷・1979年12月15日 第3刷・定価 300円・286頁鬼平犯科帳 (5) (文春文庫)作者:池波 正太郎文藝…

祖母の蔵書(49)池波正太郎④

2022年8月26日付(33)に、応接間の隅にある簞笥での発見を報告した文庫版『鬼平犯科帳』の揃いだが、まづ1段め(最上段)に入っていたものについて見て置こう。背を上にして、きちんと詰めない状態で並べてあったので撓んでいたのだが、しばらく横にして積…

祖母の蔵書(48)司馬遼太郎③

祖母の持っていた司馬遼太郎の文庫本は既に2回取り上げているが、その後、8月26日に居間(応接間)の隅にある9段ある簞笥に文庫本が数百冊詰まっているのが見付かった中に司馬遼太郎の長篇小説の揃いが2つ見付かった。 いや、そうでなくてもクローゼットの奥…

赤堀又次郎伝記考証(26)

3月28日付(07)に触れた、書誌書目シリーズ(97)『書物通の書物随筆』全8巻*1のうち、赤堀氏の著作2点を借りて来た。 ・宮里立士/佐藤哲彦[編集・解題] 書誌書目シリーズ(97)『書物通の書物随筆』ゆまに書房・A5判上製本 ・第一巻『赤堀又次郎『読史随筆』…

岩佐東一郎『隨筆くりくり坊主』(2)

引用が多くなるとどうもその前後左右に余裕があり過ぎるのが気になるのでブログのデザインを変えて見た。私は「はてなダイアリー」当時のデザインが気に入っていたので、それに似ているものにしてみたのである。ただ、文字が小さい。150%に拡大して見ている…

稲川淳二『稲川怪談』(1)

稲川淳二は同じ話を繰り返し語っています。語り藝ですから、当然揺れがあります*1。単に稲川氏の怪談を愉しみたいと云うのであれば、前に聞いた、或いは読んだのと違うところが、少し引っ掛かって、SNSなどに書いて、それ以上別に何ともしない訳ですが、私は…

東京八王子西ロータリークラブ『山と平野のふれあう街』(1)

①東京八王子西ロータリークラブ広報委員会 編集『山と平野のふれあう街 ―写真でつづる八王子の昔と今―』昭和56年6月26日発行・東京都八王子西ロータリークラブ(八王子)・146頁・19.5×21.5cm ②東京八王子西ロータリークラブ30周年実行委員会 編集『山と…

『稲川淳二のすご~く恐い話』(1)

私は体験談に余り興味がない。それなのに取り上げる理由は、場所や時代、それから登場人物に対する興味からである。 稲川氏の話の場合、後で引用するが、どうも話を盛っているところが目に付いて、そのまま考証に使えない。しかも稲川氏は同じ話を繰り返し語…

山田桂子『「待ち」の子育て』(1)

人間選書77『「待ち」の子育て』農山漁村文化協会・206頁・B6判並製本 ・昭和61年1月5日 第1刷発行・昭和61年7月20日 第8刷発行・定価 1,200円 ・昭和61年1月5日 第1刷発行・昭和63年6月20日 第16刷発行・定価 1,262円 ・1986年1月5日 第1刷発行…

清水成夫『八王子ふるさとのむかし話』(1)

清水成夫の伝説蒐集に関しては、11月18日付「清水成夫 編『八王子周辺の民話』(3)」及び11月19日付「清水成夫 編『八王子周辺の民話』(4)」に、昭和43年(1968)8月刊『八王子周辺の民話』の橋本義夫「跋」にある、清水氏が「前々から長年蒐集につとめ…

祖母の蔵書(45)赤川次郎②

あまりメモを取らないつもりだったのだけれども、平成前半の帯を見ていると、どうしても色々確認したくなってしまう。 新潮文庫(2) 新潮社 ・新潮文庫4763/あ-13-17『ふたり』平成 三 年十一月二十五日 発 行・平成 五 年 一 月 二 十 日 六 刷・定価4…

祖母の蔵書(44)赤川次郎①

カッパ・ノベルス 光文社 ・㉗-8『三毛猫ホームズの恐怖館』昭和57年7月10日 初版1刷発行・昭和57年7月20日 2刷発行・定価680円・268頁三毛猫ホームズの恐怖館―長編推理小説 (カッパ・ノベルス)作者:赤川 次郎光文社Amazon※ 帯あり「●最新刊・書き下ろし・長…

『「超」怖い話』(11)

・勁文社文庫21 Q-013『「超」怖い話』1993年6月1日 第1刷・定価544円・218頁 今私の手許に勁文社文庫21版の『「超」怖い話』シリーズが4冊ある。本書と『続「超」怖い話』『新「超」怖い話』『新「超」怖い話5』で、いづれもカバーは同じレイアウトになっている。…

武蔵野文化協会 編『武蔵野事典』(3)

昨日の続きで記念号の699頁、市販版の奥付の前の頁を見て置こう。 上段1行めは丸ゴシック体で若干大きく2行取りで「表紙・口絵・補遺編凡例」とあって記念号は4項であったが市販版は3項になっている。すなわち記念号の1項めが削除されているのだが、次のよう…

武蔵野文化協会 編『武蔵野事典』(2)

昨日の続きで、「武蔵野」記念号の『武蔵野事典』について、昨日見た上製本と比較しながら見て置こう。 ・「武蔵野」第九十五巻第一・二号(通巻三五九・三六〇号) 特集『武蔵野』創刊100周年記念号「武蔵野事典」(令和二年五月四日発行・701頁・A5判) まづ装…

武蔵野文化協会 編『武蔵野事典』(1)

・武蔵野文化協会 編『武蔵野事典』2020年9月10日 初版発行・定価12,000円・雄山閣・ⅵ+690頁・A5判上製本武蔵野事典雄山閣Amazon 書影は帯が掛かったものらしく、私の手許にあるカバーでは紫地の箇所には、最下部中央に行書体白抜きで「雄 山 閣」とあるば…

祖母の蔵書(39)夢枕獏

祖母は、時代小説・推理小説の分野の流行作家の、新刊や話題作に興味を示す傾向があるようだ。 ここまで「※ 帯あり」との註記を附した本が少なからずあった。私は帯に惹かれて本を買うような経験を久しくしていなかったが、今回祖母の蔵書を整理して、①今月…

黒井千次『たまらん坂』(3)

③講談社文芸文庫(二〇〇八年七月一〇日第一刷発行・定価1300円・講談社・254頁)たまらん坂 武蔵野短篇集 (講談社文芸文庫)作者:黒井 千次講談社Amazon カバー表紙、副題は右上に小さく示す。カバー背表紙では標題の下に小さく添える。 カバー裏表紙、右側…

黒井千次『たまらん坂』(2)

②福武文庫0301(1995年7月5日 第1刷印刷・1995年7月10日 第1刷発行・定価534円・ベネッセコーポレーション・217頁) 書影は表示されない。カバー表紙右上に明朝体縦組み斜体で大きく標題、右側のみ地色が、上が濃く下が白くなる青紫色のグラデーション…

黒井千次『たまらん坂』(1)

①上製本(一九八八年七月一一日 第一刷印刷・一九八八年七月一五日 第一刷発行・定価一四〇〇円・福武書店・233頁・四六判上製本)たまらん坂―武蔵野短篇集作者:黒井 千次福武書店Amazon 私の見た本には帯が掛かっていない。書影のカバー表紙の、帯に隠れて…

祖母の蔵書(36)柴田錬三郎

・新潮文庫 新潮社 祖母は時代小説のうちで剣豪小説も好みだったらしく、新潮文庫の『眠狂四郎』を冠するものは全て買い揃えていた。――『眠狂四郎』以外のものは殆ど見当たらなかったので、他社の文庫とともにここに纏めて取り上げて置こう。 ・新潮文庫『眠…

祖母の蔵書(34)大沢在昌

いよいよ全貌が見えて来たようである。いや、見えて来たように、思う*1。 地元の古本屋に相談して見たところ、昭和の流行作家の作品は買い取らないそうだ。そうすると、素直に流行作家の作品を読んでいた祖母の蔵書はどうにもならないことになる。しかし、そ…

祖母の蔵書(33)ジェフリー・アーチャー

昨日の記事を読んだ家人が「猫」のシリーズをこんなに持っていたなんて知らなかった、と驚いていた。祖母は家人にドイルやクリスティやクロフツなど海外推理小説、『赤毛のアン』や『ハイジ』などの少女小説、それから松本清張なども薦めて読ませていて、新…

祖母の蔵書(31)エド・マクベイン

昨日、いきなり翻訳小説を取り上げてしまったが、祖母は海外の推理小説が好きで、ドイル、クロフツ、クリスティを始めとしてかなりの冊数がある。――終戦後、恩給が停止され戦争未亡人として子供を抱え、女学校の同級生が始めた小料理屋を手伝ったり、三兄の…

祖母の蔵書(30)ドロシー・ギルマン

・集英社文庫 柳沢由実子 訳 祖母は Dorothy Gilman(1923.6.25~2012.2.2)を愛読していたようで、The Mrs. Pollifax series は全14作を揃えていた。クローゼットに13点14冊あったのだが、もう1冊も持っているのではないかと思って、仏間の硝子棚を見たら何…