瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

映画

手塚治虫『ブラック・ジャック』(09)

・大林宣彦監督『瞳の中の訪問者』(8) 昨日の続きで、11月11日付「水島新司『ドカベン』(45)」に書影を貼付し、11月17日付「水島新司『ドカベン』(51)」に目次を紹介した映画秘宝セレクション『漫画+映画! 漫画原作映画の現在地』には、当然のことな…

水島新司『ドカベン』(52)

・鈴木則文監督『ドカベン』(38)『漫画+映画!』(2) 昨日の続き。 55〜088頁、高鳥都(1980生)執筆の「第3章/映画と劇画の70年代/エロスと血しぶきと衝動の時代」は、15の節に分かれているが、一番長い節が9節め、072頁8行め〜075頁(13行め)「監督…

水島新司『ドカベン』(51)

・鈴木則文監督『ドカベン』(37) 11月11日付(45)に書影を貼付した次の本を見た。 私は雑誌「映画秘宝」を手にしたことがなくて、専ら洋泉社MOOK「別冊映画秘宝」ばかり見ていたのだが、今回初めて「映画秘宝セレクション」を手にした。 ・映画秘宝セレク…

水島新司『ドカベン』(46)

・鈴木則文監督『ドカベン』(36)『東映ゲリラ戦記』(5) 昨日の続きで、キャストに関する鈴木氏の意見を見て置こう。159頁12〜18行め、 一般公募者の中からオーディションで選んだ山田太郎役の橋本三智弘、岩鬼正美役の高/品正広、長島徹役の永島敏行の…

水島新司『ドカベン』(45)

・鈴木則文監督『ドカベン』(35)『東映ゲリラ戦記』(4) 11月9日付(44)の続きで「本社宣伝部作成の映画館配布文」のうち、気になる箇所を幾つか見て置こう。 まず6行のリード文があるが、最後の2行(158頁2〜3行め)に、 全国3000万ファンの 熱望…

水島新司『ドカベン』(44)

・鈴木則文監督『ドカベン』(34)『東映ゲリラ戦記』(3) 昨日の続き。 天尾企画部長の提案を断った鈴木氏であったが、155頁11〜12行め「数日後」菅原文太と温めていた企画の「参考に新しいハヤカワ・ミステリでも読んでみるか/……とふらっと立ち寄った新…

水島新司『ドカベン』(43)

・鈴木則文監督『ドカベン』(33)『東映ゲリラ戦記』(2) 昨日の続きで、152〜161頁「漫画原作をストレートに「実写再現」しようとする男の深層について 『ドカベン』」の記述を見て置こう。 鈴木監督が本作の監督を依頼されたときの応対は、153頁10行め…

水島新司『ドカベン』(42)

昨日の続き。 ・鈴木則文監督『ドカベン』(32)『東映ゲリラ戦記』 鈴木則文『東映ゲリラ戦記』の意図については、「ちくま」連載の最初に特に説明しなかったようだし、単行本にする際に「まえがき」を加えて説明したりもしていない。90頁15行め〜91頁2行め…

水島新司『ドカベン』(41)

昨日の続き。 ・鈴木則文監督『ドカベン』(31) 山田と長島の台詞は、棒読みではあるけれども、聞き取りづらいと云うことは全くない。 そこで思い出すのは、10年くらい前、歌舞伎座で市川染五郎が坂本龍馬を演じたのを見たのだが*1、主役の台詞が聞き取れな…

水島新司『ドカベン』(40)

・鈴木則文監督『ドカベン』(30) 映画を再見したら幾らでもネタが拾えるつもりでいたのだが、暇がなくてやっと週末に通覧した後は、以前から気になっていた部分を幾つか、細かく見直すだけで終わってしまった。だから他にも記事にしたい箇所は幾つもあるの…

水島新司『ドカベン』(39)

・鈴木則文監督『ドカベン』(29) 『映画『トラック野郎』大全集』を見ているうち、『トラック野郎』シリーズの「●キャスト」に、第四作「田村:」第七作「黒崎:」として出演しているのが見える「日尾孝司」の名に、見覚えがあることに気付いた。 この時期…

水島新司『ドカベン』(38)

・鈴木則文監督『ドカベン』(28) さて、敬遠の指示を無視して長島がサヨナラ負けする試合を、10月11日付(22)に述べたように私は夏の大会だと思っていたのだが、それは8月下旬に見たときに試合当日付のスポーツ紙の紙面をメモし損ねていたため、その後参…

水島新司『ドカベン』(37)

・鈴木則文監督『ドカベン』(27) 昨日の続きで、映画を再見して気付いたことなど。 ――映画では、最後に柔道部員たちが新生野球部に入っている。 原作では10月9日付(20)に見たように、木下たちは中学3年の4月に山田を引き留めずに野球部へと送り出し、そ…

水島新司『ドカベン』(36)

・鈴木則文監督『ドカベン』(26) 丹下が柔道部を辞めることを希望する理由が、原作とはちょっと違っている。 原作では、木下は丹下に負けたことを部員に説明していない。山田との話の流れで打ち明けるのである。それを受けて、部員たちが事情を説明する(…

水島新司『ドカベン』(35)

・鈴木則文監督『ドカベン』(25) これまで本作に関する記事は、8月下旬に見たときのメモを基本に、動画サイトに挙がっている特報・予告篇や断片、映画情報サイトやブログ等の記述を参考にして、さらには記憶(!)に頼って書いていたのだが、2箇月振りに再…

水島新司『ドカベン』(34)

・鈴木則文監督『ドカベン』(24) 9月20日付(09)に取り上げた【22】の12名のうち、『トラック野郎』シリーズの出演者として『映画『トラック野郎』大全集』に名前が見えるのは、北都智和のみである。テレビドラマデータベースには「北都 智和」としてある…

水島新司『ドカベン』(33)

・鈴木則文監督『ドカベン』(23) 昨日の続きで『映画『トラック野郎』大全集』によって『トラック野郎』シリーズに出演していることが確認出来る本作出演者について。 9月17日付(07)に取り上げた【18】の10名のうち3名、蓮見里美は第四作「初枝:」とし…

水島新司『ドカベン』(32)

・鈴木則文監督『ドカベン』(22) 10月13日付(24)に取り上げた『映画『トラック野郎』大全集』033〜133頁「『トラック野郎』全10作品完全解題」を見るに、それぞれの作品紹介はまづ最初の2頁にスチル写真、2頁め左上に黒地にゴシック体横組みで2列、左に…

水島新司『ドカベン』(31)

・山田の家の住所 畳の営業のためにサチ子が持っているプラカード(文庫版⑦21頁3コマめ*1)に、縦書きで「タタミの/ご注文は/一流の腕の/山田へ /――幸町三丁目二十七」と書いた紙*2を鋲で四隅を止めている。 10月14日付(25)に見た、映画に出て来る「幸…

樋口尚文編著『「昭和」の子役』(1)

・樋口尚文編著『「昭和」の子役 もうひとつの日本映画史』二〇一七年八月一五日初版第一刷発行・定価2,800円・国書刊行会・381頁・四六判上製本 本書には刊行前の8月8日付「松本清張『砂の器』(6)」に言及し、書影も貼付した。――目下検討中の『ドカベン』…

水島新司『ドカベン』(30)

・殿馬のピアノ(1) 原作では、野球部の再建に立ち上がった岩鬼に、部員の勧誘を命じられた山田がサチ子と校内を回り、山田が生徒会室に連れ込まれて大河内生徒会長に注意されている間に、サチ子が殿馬を勧誘するのだが、全くの素人と云った風情であった(…

手塚治虫『ブラック・ジャック』(8)

10月4日付(6)の続き。 原作の館与理子は犯人のことを好きだった。角膜に焼き付いた青年の立ち姿から、恐らくそのように解釈して、映画の楯与理子は犯人の風間史郎と愛し合っていた設定にした。楯与理子は陶酔の中で絞殺されるので「殺される瞬間に見た光…

水島新司『ドカベン』(26)

・鈴木則文監督『ドカベン』(21) そうすると、8月24日付(01)に紹介した冒頭の書店のシーン、現在は仕舞た屋で営業しておらず、看板なども掲げていないが、豊島区雑司ヶ谷3丁目16番の分岐で、左は商店街(鬼子母神通り商店睦会)、右が昭和15年(1940)4…

水島新司『ドカベン』(25)

・鈴木則文監督『ドカベン』(20) 今回は映画の一場面のロケ地について確認して置く。 原作では、岩鬼が山田の住む長屋を初めて訪ねるのは、母親や兄たちの言い付けを破って、長兄の婚約者・影丸亜希子の弟・隼人と柔道の試合で対戦し、負傷させてしまった…

水島新司『ドカベン』(24)

・鈴木則文監督『ドカベン』(19) 10月11日付(22)の続き。 この映画には続編は作れない、と私は思っていた。 まづ、設定と登場人物の問題。 この映画は、中学時代のことを明訓高校の、しかも2年生のときのこととして作っている。 登場するライバルは、原…

水島新司『ドカベン』(22)

・鈴木則文監督『ドカベン』(18) 映画では、長島は故障していない。県大会の直後に敗戦の責任を取って退部したところ、他の部員たちも辞めてしまう。そこで生徒会では「緊急生徒会議題/野球部再建の件」なる生徒会役員の集まりを開いて、長島を説得する。…

水島新司『ドカベン』(20)

・鈴木則文監督『ドカベン』(17) 昨日の続き。 原作では山田が鷹丘中野球部に入って野球を再開する切っ掛けとして、転校前に野球をやっていた時期のライバル小林真司と、その妹・稔子を登場させる。そしてこれに伴って人物相関図的に小林稔子とポジション…

水島新司『ドカベン』(18)

・鈴木則文監督『ドカベン』(16) 映画のヒロインは朝日奈麗子(山本由香利)と云う名前だが、原作ではフルネームでは呼ばれていない。しかし「麗子」ではないらしい。では何と云う名前かと云うに、――山田の「八百長」について大河内生徒会長に意見しようと…

水島新司『ドカベン』(17)

・鈴木則文監督『ドカベン』(15) 原作と映画での影丸・賀間との関わり方の違いは、映画を再見する機会を得てから改めて詳述するつもりだけれども、1点だけ触れて置きたい。 9月27日付(15)に触れたように、車に轢かれそうになったサチ子を助けるのが、原…

手塚治虫『ブラック・ジャック』(7)

・大林宣彦監督『瞳の中の訪問者』(7) ここで映画の出演者の年齢を確認して置こう。 主役の小森千晶を演じた片平なぎさ(1959.7.12生)は公開当時18歳。 チーム&ルーム・メイト南部京子を演じた志穂美悦子(1955.10.29生)は公開当時22歳。映画では同学…