瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

昭和史

赤いマント(269)

・中村希明『怪談の心理学』(21) 「明治時代の小学校」の怪談は、『現代民話考』にはこの今村泰子の報告の他に4例、ほぼ同時代の水野葉舟(1883.4.9~1947.2.2)や佐々木喜善(1886.10.5~1933.9.29)の報告も含め、幽霊や妖怪が「出た」と云った単純な話…

赤いマント(267)

・中村希明『怪談の心理学』(19) それでは次の節、37頁13行め「「赤い紙ヤロカ、白い紙ヤロカ」」を見て置きましょう。第一章「トイレの怪談の系譜――デマの心理学」の細目は2014年1月5日付(075)に示しましたが、その9節めです。 14行め~38頁8行め、 筆者…

赤いマント(266)

・中村希明『怪談の心理学』(18) 昨日は途中から脇に逸れてしまいました。しかし、中村氏及び217~218頁「あとがき」の最後の段落(218頁9~11行め)に見える「資料集めに御協力いただいた講談社資料センターの板谷洋一氏」が資料探索にもう少し手間を掛け…

赤いマント(265)

・中村希明『怪談の心理学』(17) 昨日の続きで、続く35頁9行め「報道管制とデマゴーグ」の節を見て置きましょう。まづは前半、35頁10行め~36頁5行め、 戦時色が強まるにつれて、軍需工場の多かった北九州の小学校でも、「敵間諜*1の謀略によ/る『流言蜚語*2…

赤いマント(264)

・中村希明『怪談の心理学』(16) 9月1日付(262)の続きで、「なぜ赤マントの怪人になったか」の節の最後を見て置きましょう。34頁13行め~35頁8行め、 ではなぜこの時期にトイレの赤マントの恐怖デマが成立したのだろうか。 しのびよる戦争の不安は、まず…

赤いマント(263)

・中村希明『怪談の心理学』(15) 本書の赤マント流言関連の記述を徹底的に検討して見る、と云う課題を私は長らく後回しにしてきたのですが、やって見てこれまで甚だ気乗りしなかった理由が分かりました。――既に嫌気が差しているので「大阪から東京」説の確…

赤いマント(262)

・中村希明『怪談の心理学』(14) さて、中村氏は昨日見たように、赤マント流言の時代背景を纏めた上で、この節の題である「なぜ赤マントの怪人になったか」に話を進めて行きます。33頁6~8行め、 こうした少年少女の空想の世界のなかで、トイレの「赤マン…

赤いマント(261)

・中村希明『怪談の心理学』(13) 中村氏は、鳥越信が松谷みよ子に語り、松谷氏が『現代民話考』に「学校の怪談」を取り上げる原点になった、旧制姫路高等学校の寮に伝えられていた怪談「あかずの便所」から、「赤マントの怪談」へと筋を引こうとしているの…

赤いマント(260)

・中村希明『怪談の心理学』(12) 昨日の続き、と云うか2014年1月8日付(078)の続きで、中村氏の描いた赤マント流言の流れを、30頁12行め「暗い情動」の節から順を追って見て行きましょう。 中村氏はまづ、30頁13行め「 この「赤マント」のルーツを『現代…

祖母の思ひ出(07)

・森田たま『もめん隨筆』(1) 義理の祖母は生い立ちから戦後のことまで、6月11日付(01)に述べた御機嫌伺いのときなどに、折に触れて様々な回顧談を聞かせてくれたのだが、ある日、馴染みの料理屋で御相伴に与っているときに「森田たまさんの『もめん随…

湯浅初江、もしくは湯浅初枝(6)

湯浅初枝については、その後、目星を付けて置いた新聞や雑誌の記事に当たって見るつもりだったのだが、コロナウィルスのために思うに任せない。 しかし、今月から鼻中隔彎曲症のために通院している大病院で、具合の悪そうな老人がうようよしているのを目にす…

elevator の墜落(4)

本当は2019年7月20日付(3)の続きで、北杜夫の著書の記述を確認して置くつもりだったのだけれども、2019年8月20日付「北杜夫『どくとるマンボウ医局記』(1)」及び2019年8月21日付「北杜夫『どくとるマンボウ医局記』(2)」に諸本の確認をしているうち…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(157)

・青木純二の経歴(21)『日本新聞年鑑』昭和27年 青木純二はアイヌの伝説捏造の方面で注目されているらしい。最近久し振りに Twitter で検索して見たのですが、その中に、明らかに当ブログもしくは当ブログ告知 tweet(瑣末亭*1)に依拠していながら、その…

赤いマント(257)

・井上雅彦「宵の外套」(12) 赤マントに関連しそうなところはここまでであるが、序でに以後の展開を眺めて置こう。 友人に大切な何かを汚されてしまったように感じた「私」は「深草」に赴き、自転車を引いた黒い外套の「老人」に逢う。 続いて、四条大橋の…

赤いマント(255)

・井上雅彦「宵の外套」(10) 昨日の続きで①初出『京都宵』②再録『四角い魔術師』③再々録『夜会』の異同を確認しつつ内容を見て置こう。要領は8月8日付(250)に同じ。 昨日引いた、地の文になっている友人の説明の続き。【F】赤マントとの関連(二)(①47…

赤いマント(254)

・井上雅彦「宵の外套」(9) 昨日の続きで①初出『京都宵』②再録『四角い魔術師』③再々録『夜会』の異同を確認しつつ内容を見て置こう。要領は8月8日付(250)に同じ。 昨日引いた会話の続き。【E】赤マントとの関連(一)(①474頁3行め~475頁2行め②247頁…

赤いマント(253)

・井上雅彦「宵の外套」(8) 一昨日の続きで①初出『京都宵』②再録『四角い魔術師』③再々録『夜会』の異同を確認しつつ内容を見て置こう。要領は8月8日付(250)に同じ。 「黒い外套の男」の候補として、「私」は2人の人物(?)を上げている。1人は冥界と…

赤いマント(252)

2019年6月16日に作成して置いたのだが、投稿しないままになっていた。昨日触れた「コトリ」について突っ込んだ記述があるので、少々整わない草稿だけれども、ここに上げて置くこととする。 * * * * * * * * * *・平凡社新書165『謎とき 名作童謡の…

赤いマント(251)

・井上雅彦「宵の外套」(7) 昨日の続きで①初出『京都宵』②再録『四角い魔術師』③再々録『夜会』の異同を確認しつつ内容を見て置こう。要領は昨日に同じ。 語り手の「私」は、6月28日付(246)に引いた「自作解題」の類に「母から聞いた想い出話」等と述べ…

いまに語りつぐ『日本民話集』伝説・現代民話(09)

昨日の続き。 ・「現代民話」の出典②~立石憲利の著作 昨日見た松谷みよ子『現代民話考』を出典とする話の中では『現代民話考Ⅱ 軍隊』が44題で最も多く、『現代民話考第二期Ⅱ 学校』が32題でこれに次ぎ、さらに『現代民話考第二期Ⅰ 銃後』が23題でこれに次ぐ…

いまに語りつぐ『日本民話集』伝説・現代民話(2)

昨日の続きで、本シリーズ第三集の「現代民話」に配当されていると思しき最後の6冊の細目を見て置こう。 各話の題は最初に2行取りで大きく「 四 お命を頂く 沖縄県*1」の如くに入り、2行分空けてから本文になっている。この一覧では、番号と地名を小さくしな…

閉じ込められた女子学生(28)

・「不思議な世界を考える会会報」(8) それでは、問題のある典拠について見て置きましょう。次いでに話の時期についても考えて見ることにします。 【D】典拠 ②233頁下段6~8行め 同20号(90年7月)●「ヤングの知っているこわい/話」(4)上田渡編 信州豊…

阿知波五郎「墓」(16)

昨日、twitter を始めた切っ掛けを、意図せざる「閉じ込められた女子学生」記事閲覧数の激増にあるように書いてしまったのですけれども、これは理由の1つではありますが、主たるものではありませんでした。その、主たるものは昨年4月に縷々書いたので繰り返…

結婚式の引出物(1)

父は昭和が終わったときに丁度満50歳で、当時管理職として多くの部下を使っていた。昭和の管理職らしく、年に1度自宅に部下たち10余名を招いて、母に食事を作らせてもてなしていた。今話題(?)の夜の街にも部下を自腹で連れて行ったりしていたらしい。バブ…

伊藤正一『黒部の山賊』(5)

①初版、②新版、③定本、④文庫版の関係について。 ・初版カバー裏表紙の竹節作太の紹介文 ①のカバー裏表紙、右側の余白の上部、縦組みで「●ほんとう /にあった話 /当時毎日新聞担当記者/竹 節 作 太」とあって、明朝体縦組み2段組の紹介文。この竹節作太(1…

伊藤正一『黒部の山賊』(4)

昨日の続きで①初版、②新版、③定本、④文庫版の関係について。 ・カバー裏表紙の「毎日新聞」の記事 カバー背表紙、②は白地で上部にカバー表紙や扉と同じ字体の標題、下寄りに明朝体で大きく著者名、最下部にゴシック体の横並びで極小さく「実業之日本社」。③…

周防正行『シコふんじゃった。』(10)

昨日の続きで、「立教大学体育会相撲部」HPの「周防正行さん特別インタビュー」で語らえている内容について。 前回紹介したように、仮に番号を附した①②③の順になっているが、実は②①(周防正行)の順に収録され、さらに③(桝井省志)が収録されたようだ。当然…

赤いマント(245)

・北川幸比古の学年(6) 児童文学作家・詩人の北川幸比古(1930.10.10~2004.12.25)の学年とその時期について、松谷みよ子『現代民話考』の中で一定していないことを、これまで指摘して来ました。 まづ2013年10月24日付(003)にて、北川氏が『現代民話考…

同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(11)

・五-3-G「デマの傳播」(2) 一昨日・昨日の続き。ですから本当は(3)なのですが、昨日の「赤マント事件」は独立して取り上げたので(2)として置きます。今回は278頁12行めからこの章の最後、281頁4行めまでを抜いて置きます。 目なし達磨 色々の…

赤いマント(244)

・同盟通信社調査部 編『國際宣傳戦』(2) 標記の記事としては2つめだが、5月3日付(243)の続きと云うよりも昨日の続き、すなわち「G デマの傳播」の引用の続きで、278頁6~11行め、 赤マント事件 昭和十三年十一月から翌年二月にかけて、帝都の學童を震…