瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

雑記

祖母の蔵書(68)女流時代小説家

祖母が少数しか買わなかったらしい作家のものを纏めて置こう。 【藤原緋沙子】 ・講談社文庫ふ66-5『鳴子守 見届け人秋月伊織事件帖』2011年9月15日第1刷発行・定価552円・284頁鳴子守 見届け人秋月伊織事件帖 (講談社文庫)作者:藤原 緋沙子講談社Amazon・…

赤堀又次郎伝記考証(54)

赤堀又次郎の経歴を調べていて鹿島大宮司家の則文や則泰、そして何より「桜山文庫」の名を久し振りに目にしたとき、私はまづ深沢氏のことを思い出した。 しかしそのとき、鹿島家ではなく子息の赤堀秀雅から父の赤堀象万侶へと進む方針で、さらに『書物通の書…

赤堀又次郎伝記考証(53)

深沢秋男のサイトとして「近世初期文芸研究会」閉鎖後は「老人雑録」改題「深沢秋男雑録」と「深沢秋男の窓」がある旨を書いたのだが、「近世初期文芸研究会」と並行する時期にもブログ JUGEM「傀儡子の日記」と、はてなダイアリー「fuakiの日記」に同日付で…

赤堀又次郎伝記考証(47)

・赤堀又次郎の歿年(2) 前回稿の後半の主要部分は2月22日付「赤いマント(357)」と同時に書き上げていた。そのまま投稿しても良かったのだが、2ヶ月半かかってしまった。 2月下旬は84年前に赤マント流言が東京市を席捲した時期なので、国立国会図書館デ…

赤堀又次郎伝記考証(40)

『書物通の書物随筆』第一巻『赤堀又次郎『読史随筆』』の「解題」の「赤堀又次郎について」については、ほぼ点検し尽くしたと思うのだが『読史随筆』そのものの解題と、第二巻『赤堀又次郎『紙魚の跡』』については、出身大学の図書館が遠からず卒業生の利…

反町茂雄『一古書肆の思い出』(1)

まだ研究者の端くれであった女子高講師時代までは、たまに特殊文庫に古典籍を見に行ったりしたものである。 全国の文庫を旅して無数の古典籍を見て廻るようなやり方をしている研究者もいるが、私は別に古典籍の原本を見るのが心地良いと云うタイプではないの…

『稲川淳二のすご~く恐い話』(6)

昨日の最後に取り上げた、「中山市朗ブログ」の2009年04月15日「マスコミについて」に、稲川氏が『新耳袋』と共通の話をライブで語り、書籍にも載せていることについて「‥‥。で、あの人はライブで話したことを本にする(ゴーストライターが、ですけど)んで…

稲川淳二『稲川怪談』(6)

こんな記事を上げているものだから(但し殆ど閲覧されていないから気にする必要はないかも知れぬのだが)再々断っているように、私は怪異の体験談とか実話怪談とか云うものが苦手である。体験したと云う主張を否定するつもりはない。当人が見たと云う以上、…

道了堂(110)

・郷内心瞳『拝み屋念珠怪談』(1) 近年の実話怪談の類にも、道了堂或いは道了堂跡を取り上げたものがあって、9月13日付「『「超」怖い話』(1)」に述べたように、少しずつ拾い集めている。元より私は7月10日付「新聞解約の辯(4)」に述べたように、体験…

清水成夫 編『八王子周辺の民話』(4)

・郷土資料シリーズ⑷『八王子周辺の民話』(4)跋② 昨日は典拠の問題で終わってしまったが、今回は橋本義夫「跋」のうち、編集について述べた箇所を見て置こう。67頁上段3~8行め、 本シリーズには都合により五十六篇だけ採録されてあ/るが、氏の手元には…

東京都八王子市『ふるさと八王子』(4)

つい半年程前であれば、本書を読んでも別に何とも思わなかったろうが、今は部分的に妙に詳しくなってしまった。 1章め【1】「別所・長池」は近くで昔の同僚が飲食店を開いたので、何度か出掛けたことがある。都内の出身で、別に多摩丘陵には縁もゆかりもなか…

祖母の蔵書(47)日本語①

祖母は日本語に関する本も少なからず持っていた。古代史にも関心があったから日本語の由来、漢字との関わりについて述べた本もあり、そして自分が生まれ育った東京の言葉にも興味を持ち、江戸言葉の本も幾つか持っていた。尤も祖母が住んでいたのは十條や池…

道了堂(100)

「日本農業全集月報」に「「絹の道」をゆく――東京・八王子市鑓水にて――」を寄稿している、(主婦・農書を読む会会員)を称する山田桂子が、どうもただの主婦ではないらしいとの疑いから、前回8月24日付(99)にネット検索で判明した著書について述べたのであ…

声はすれども姿は見えぬ君は深野の蟋蟀(2)

以下の記事は9月27日付で投稿したのであったが、昨日述べたような事情で今日再投稿することにした。本文には全く手を入れていない。 その後、29日に家人が風呂場で、30日の夕方には私も風呂場で見掛けたが10余日滞留していたのとは別の、鳴かないからどうや…

声はすれども姿は見えぬ君は深野の蟋蟀(1)

私の家の庭には梅の木があって、10余年住んでいるうちにかなり大きくなった。毎年記事にしているように小粒の実を万単位で実らせ、傷のないものを拾って蜂蜜漬けにしている。しかし、半分くらいだろうか、落果の際に割れたり虫に喰われたりしたものはそのま…

祖母の蔵書(43)

以前は忙しかったので[改版]や[改装]など、とにかく都内の複数の区立図書館で借りて来た本を並べて比べてみるだけの記事で誤魔化していたと書いたが、当時はそれなりに真面目にやっていたのである。しかしそういうネタがなくなっていよいよ窮すると、過…

祖母の蔵書(41)俳句・俳諧②

8月18日付(28)に文庫の歳時記を取り上げたが、他にも文庫で俳句・俳諧関係の本を少なからず所蔵していた。 【原典】 ・講談社文庫 古 5-1 松尾芭蕉/板坂元・白石悌三 校注・現代語訳『おくのほそ道』昭和50年8月15日第1刷発行・昭和57年4月28日第10刷発…

祖母の蔵書(38)クライブ・カッスラー

まづ6冊、クローゼットで割合綺麗な状態のものを見付けていたが、その後、8月26日付(33)の最後に述べたように、居間の隅にあった9段の簞笥から13冊も纏めて出て来たのである。但し背表紙を上にしてあったので撓んでおり、全体に状態は良くない。仮に◎を附…

祖母の蔵書(37)ナンシー・ピカード

今のところ寝間の本棚と客間のクローゼットから7点9冊を掘り出した。まだあるかも知れないし、もうないかも知れない。 ハヤカワ・ミステリ文庫『ジェニー・ケイン・シリーズ』宇佐川晶子 訳 早川書房 3030〈HM(164)-1〉『恋人たちの小道』一九九一年七月三…

祖母の蔵書(35)藤沢周平③

8月14日付(24)に見たように、祖母は平成12年(2000)頃に『用心棒日月抄』シリーズ全4冊(新潮社)を文庫版で揃えていたのだが、単行本(四六判上製本)も揃えていた。文庫版の方は、妙に綺麗だったが、寝間の本棚に収まっていた単行本は繰り返し読んだら…

祖母の蔵書(32)リリアン・J・ブラウン

次のシリーズは寝間の本棚に多かったが、客間のクローゼットや仏間の硝子棚にもあって20点24冊(4点ダブリ)*1が見付かった。なお『猫は14の謎をもつ』はシャム猫ココが主人公ではない、すなわちシャム猫ココ・シリーズではないのだが、猫の短篇集としてここ…

祖母の蔵書(29)内田康夫

後述するように内田康夫を愛読していたことは知っていたのだが、ほぼ全て本棚やクローゼットに仕舞い込まれていたので、取り上げるのが遅くなった。今回掘り出したのは昭和末から平成12年までに刊行されたものに限られていて、今世紀に入ってから出た本がな…

祖母の蔵書(27)池波正太郎③

本棚に収まっていない文庫本は粗方処分したと書いたけれども、寝室の本棚の前にある、ティッシュBOXを使って作った本立てに並んでいた上製本を忘れていた、同じ場所にはもう1つ、鞍馬天狗が詰めてある紙袋があるのだが、撓んでいる上に埃を被っているので、…

祖母の蔵書(26)梅原猛

そろそろ硝子戸棚に仕舞い込まれていた本も片付けて行かないといけなくなった。そこでその手始めに、祖母は愛読していたのだけれども、8月8日付(21)に述べたように、私は余り惹かれない梅原猛の本を処分することにした。 ・『黄泉の王―私見・高松塚―』昭和…

祖母の蔵書(24)藤沢周平①

・新潮文庫 祖母は藤沢周平を愛読していたようで、単行本も少なからず見受けられたが、差当り文庫版を持って帰って来た。 新潮文庫2741/ふ-11-1『用心棒日月抄』昭和五十六年 三 月二十五日 発 行・平成 十 二 年 六 月 十 日 五十五刷・定価590円・402…

祖母の蔵書(22)吉川英治①

私は、2011年1月1日付「森鴎外『雁』の年齢など」にも書いたように、皆が読むような本は別に私が読まなくたって良いだろう、と云う考えだったので吉川英治は読む機会がなかった。吉川英治記念館には、もう30年くらい前、父と御岳山に登った序でに立ち寄った…

祖母の蔵書(21)永井路子

午前に借家の契約更新に不動産屋に行き、ついでに祖母宅に立ち寄り梅原猛の本を持ち帰る。古代史が好きだったので好んで読んでいたそうだ。私は様々な批判の方が先に眼に入って、結局読んでいない。表章が最晩年に、世阿弥の出自について梅原氏が偽古文書を…

祖母の蔵書(17)北原亞以子

・講談社文庫『深川澪通り木戸番小屋』 き 26 1『深川澪通り木戸番小屋』1993年9月15日第1刷発行・2000年8月31日第16刷発行・定価495円・270頁深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫)作者:亞以子, 北原講談社Amazonき 26 4『深川澪通り燈ともし頃』1997年9月1…

祖母の蔵書(15)平岩弓枝③

昨日、中身を改めて持ち帰った紙袋に入っていた10冊と、別にあった1冊(『横浜慕情』)について。 ・『御宿かわせみ』文藝春秋・四六判並製本 『源太郎の初恋』一九九七年六月十五日 第一刷・定価1095円・264頁「源太郎の初恋」―御宿かわせみ作者:平岩 弓枝…

祖母の蔵書(11)風野真知雄

平成の時代小説は古本屋では引き取ってもらえないらしい。そうすると、とにかくバーコードが付いていれば買い取ってくれるブックオフに持って行くしかなさそうだ。先月、別に下がりきってはいなかったけれども、なんだか世間一般は少なくなったような気にな…