瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

雑記

越中の思ひ出(5)

昨日の続き。 私は国立の大学院に騙されるようにして移って、2度学会発表をさせられたのだが、うち1度が金沢であった。 そこで、新宿で再会してしばらく車中で久闊を叙した越中の友人に早速連絡して、またお世話になりたいと言うと快く引き受けてくれた。 こ…

越中の思ひ出(4)

題とは相違して信越国境の思ひ出みたいな按配だが、越中旅行の途次の体験なので題はそのままにして置く。 昨日の続き。 さて、南小谷駅で2輛編成の気動車の、確か、1輛めの窓際に乗って発車を待っていると、新たに松本方面からの列車が到着したらしく、ぞろ…

越中の思ひ出(3)

昨日の続き。――越中の地名を幾つも眺めているうちに思い出が甦って、少しずつ記憶を辿って行くうちに、覚えず妙なことを思い付いてしまった。 さて、当時の私はどう思ったのかと云うと、友人の、短大を卒業して就職してもう2年になろうと云う高校の同級生か…

越中の思ひ出(2)

昨日の続き。 私が初めて越中を訪ねたのは学部を卒業した3月上旬、卒業旅行と云うほどではないが、青春18切符でサークルの友人たちの実家に泊めてもらって、まづ卒業後北海道で就職することが決まっていた者の実家に、恐らく最後の機会になるわけだから泊め…

越中の思ひ出(1)

当ブログで、未来社版『越中の民話』や、石崎直義 編著『越中の伝説』を取り上げている理由は、そのうちに分かると思いますが、これらの本を見ているうちに越中に出掛けたときのことを色々と思い出したのである。 私が越中に出掛けたのは3度、学部を卒業した…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(20)

・吉田正三について(5) 一昨日からの続きで、東京新聞社社会部 編『名人 〈町の伝統に生きる人たち〉』105頁16行め~106頁15行めを見て置きましょう。 ‥‥。むか/しは、父親の描いた絵馬を、千住から/池袋あたりまで持っていった。【105】 「雑司ケ谷の…

和楽路屋『東京区分地図帖コンパクト版』(2)

昨日の続き。 ・冨田均『住所と日付のある東京風景』(2) この地図のことは28篇め、235~242頁「地図と高速道路と猫」にも、236頁16行め~237頁11行め、 和楽路屋発行の『東京都区分地図帖コンパクト版』をとり出す。これが今の東京を歩くには絶/好の地図…

和楽路屋『東京区分地図帖コンパクト版』(1)

雑司ヶ谷の高田書店には、私には勿論、ここまでする程の思入れがあるはずもないのだが、思い掛けず新たな切り口が得られることもあるので、事の序でに色々と、図書館に行く度に漁ってしまうのである。 ところで、2020年2月撮影の Google ストリートビューに…

小沢昭一『裏みちの花』(1)

①単行本(文藝春秋・282頁・四六判上製本)裏みちの花作者:小沢 昭一文藝春秋Amazon・一九八九年八月三十日 第一刷・定価1262円 ・一九八九年八月 三 十 日 第一刷・一九九〇年九月二十五日 第三刷・定価1262円 カバーは第一刷と第三刷で同じ。異同は奥付の…

中学時代のノート(26)

・昭和56年頃に聞いた怪談ノート(23) 中学2年生、昭和60年(1985)の夏(推定)に書いた、昭和55年(1980)から昭和57年(1982)に掛けて、私が兵庫県明石市大久保町高丘の、明石市立高丘東小学校で聞いた話を纏めたノートの記載は、前回までで全て紹介し…

祖母の思ひ出(07)

・森田たま『もめん隨筆』(1) 義理の祖母は生い立ちから戦後のことまで、6月11日付(01)に述べた御機嫌伺いのときなどに、折に触れて様々な回顧談を聞かせてくれたのだが、ある日、馴染みの料理屋で御相伴に与っているときに「森田たまさんの『もめん随…

elevator の墜落(4)

本当は2019年7月20日付(3)の続きで、北杜夫の著書の記述を確認して置くつもりだったのだけれども、2019年8月20日付「北杜夫『どくとるマンボウ医局記』(1)」及び2019年8月21日付「北杜夫『どくとるマンボウ医局記』(2)」に諸本の確認をしているうち…

いまに語りつぐ『日本民話集』伝説・現代民話(13)

鼻中隔彎曲症の手術を、近いうちに受けたいと思っていろいろ調べて(と云うか家人が調べて)見たのだけれども、なかなかハードルが高い。時期が余程悪くなければ1週間くらい、いつだって休んだって構わないのだが、目下、政府・与党が旗を振り、そして少なか…

いまに語りつぐ『日本民話集』伝説・現代民話(7)

昨日の続きで、このシリーズの「現代民話」の6冊め。要領は7月12日付(2)に示した。 ⑮『噓のようなホントの話』編集:高津美保子・236頁・92話 1章め「今はむかし」扉(頁付なし)13頁、章解説14~15頁(高津美保子) 一 苗字さわぎ 高知県(高知県 石野春…

いまに語りつぐ『日本民話集』伝説・現代民話(6)

昨日の続きで、このシリーズの「現代民話」の5冊め。要領は7月12日付(2)に示した。 ⑭『浮遊する現代の妖怪たち』編集:常光徹・238頁・80話 1章め「夢の不思議」扉(頁付なし)13頁、章解説14頁(常光徹) 一 夢枕に立ったお大師様 高知県(愛媛県東宇和…

図書館派の生活(11)

昨日、自転車で都内の図書館に出掛けて、その疲れもあるし、結構なことだが今朝、涼しくなって、昨夜、寝てから冷えるような気がして、久し振りに掛蒲団で寝た。だから寒くて起きると云うことはなかったが、一度早朝に目が覚めて、小用を済ませようかと思っ…

図書館派の生活(10)

今日はA区立図書館の返却期限なので、4月5日付「花粉サイクリング(4)」に述べた4月3日以来、3ヶ月半ぶりにA区立K図書館に出掛けた。4月にK図書館で借りた本は、6月17日付「阿知波五郎「墓」(19)」の前置きに述べたように、6月17日に別の図書館に返却し…

閉じ込められた女子学生(23)

・「不思議な世界を考える会会報」(3) さて、④の本文については、4~12頁(頁付なし)「目次」に次いで、1頁分白紙を挟んで14頁(頁付なし)に凡例に当たる箇条書きがあります。このシリーズ全体の編集方針でもありましょうから、今後の検討に参照するた…

図書館派の生活(9)

今日は職場でくしゃみが出て困った。左の鼻に何かがあって、むずむずする。そこで、明日の勤め帰りに耳鼻科の予約を入れた。いや、今年は花粉症の時期が終わっても、2週間に1度、耳鼻科に通っているので、別に今日のくしゃみのせいだけで入れたのではないの…

祖母の思ひ出(06)

家人から、祖母の「帰りたい」について補足があった。 泊まり込んだ翌朝、出勤のため一旦帰宅しようと「帰ります」と挨拶すると、「私も一緒に帰るわ」と言い、「あなた、学校?」と尋ねたそうだ。家人が学校と縁が切れてから既に10年余、学生であったのは20…

祖母の思ひ出(05)

昨日書いた内容について、家人からクレームが付いた。そして「あなたは他人の記憶をあげつらっているのに、自分は記憶のまま確認せずに書いていて良いのか」と言うのである。 確かにその通りなのだけれども、敢えてやっているので、取り敢えず今、私の記憶し…

祖母の思ひ出(04)

結局、祖母は最後には救急車で病院に運ばれ、そしてそのままマンションに戻ることはなかったのである。 しかし、私は6月26日付(02)の後半に書いたような事情で立ち会っていないので、話は聞いたけれども、正確なところを再現出来ない。 ただ、祖母の死を承…

祖母の思ひ出(03)

あんなに脅していた自粛させていたのに、経済が続かなくなるから緊急事態宣言は解除したのは仕方がないとしても、ここまで緩めさせてはいけなかったのではないか。しかし、世間はすっかり元通りである。電車も、外国人観光客と、部活で集団で移動する連中が…

祖母の思ひ出(02)

6月11日付(01)の続き。 義理の祖母は恐ろしくせっかちで、家人が年末、実家、すなわち祖母の長男の家に帰る際に一緒に連れて行くのだが、昼過ぎの電車で着くように10時半の新幹線に席を取ってあるのに、何故か9時半に東京駅のホームに着いてしまうような時…

阿知波五郎「墓」(20)

昨日の続き。 ・「七月二十三日。」条(1)鼠の正しさと学者の愚 前日は雨で涼しかったせいか、キャラメルの存在を思い出した以外は無気力に過ごしていた主人公だったが、5日めのこの日は、初めから感情を爆発させている。――日付も含めて23行だった前日に対…

祖母の思ひ出(1)

先日、義理の祖母(1915.10.3~2020.6.6)が死んだ。 私が初めて会ったとき、満87歳であったが、当時は元気に独居生活を楽しんでいた。 長男の長女である家人は、久しく2駅のところに住んで、月に2回は御機嫌伺いしていた。そこで私も御相伴に与ったと云う次…

内館牧子『必要のない人』(2)

久しく歩かなかったせいで臀部の肉が落ちていたせいか、起きたら尻が痛かった。しかし午後まで持ち越さなかったから大した痛みではない。まぁせいぜい3時間乗り続けただけなのである。今日は朝から晴れて、昨日と同じ時間に都内に自転車で出たら、途中でへた…

図書館派の生活(8)

世間はもう過去のことのように出歩いていて、先日も夕方にコンビニエンスストアの前を通ったら、高学年の男児たちが自転車に跨がって7人だか8人、寄り集まって大声で喋っていた。まぁ、誰も感染していないのだろうけれども、今後何処から入り込むか分からな…

結婚式の引出物(1)

父は昭和が終わったときに丁度満50歳で、当時管理職として多くの部下を使っていた。昭和の管理職らしく、年に1度自宅に部下たち10余名を招いて、母に食事を作らせてもてなしていた。今話題(?)の夜の街にも部下を自腹で連れて行ったりしていたらしい。バブ…

睡眠不足(5)

図書館は再開されたけれども、まだ行く気が起こらない。いや、長期休館を見越して借りて置いた本も、結局その多くは積んで置くだけになってしまって、それも今後行きづらくなる図書館の本よりも、今後も利用するかも知れない図書館の本ばかり使ってしまって…