瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

雜誌

祖母の蔵書(139)相撲

祖母の家には小型の液晶テレビがあったが、付いていた記憶は殆どない。耳が遠くなって、台詞が聞き取れないのでドラマなどは久しく見ていないようだった。大きな声でしっかり話せば聞こえるので、買物などでは困らない。90代には見えなくても80代には見えた…

祖母の蔵書(138)食物

祖母の部屋には1合炊きの電気炊飯器があって、近所のスーパーマーケットやコンビニエンスストアで惣菜を買ったり、ショッピングセンター1階の魚屋で干物や刺身などを買っておかずにして、余り料理はしなかったらしい。たまに急にどうしても食べたくなったお…

祖母の蔵書(137)植物

祖母は動物が苦手で、家人の家で飼っていた犬*1にも最後まで親しまなかったし、――かつてしばらく体調を崩したときに見舞に来た姪(姉の娘)が、叔母さまは本が好きだから、と見舞の品として絵本を買ったのだが、直前になって叔母さま、鼠が嫌いだったわ、と…

祖母の蔵書(133)野村胡堂②

鍵を引き渡す2日前に130冊余りを掘り出して大いに慌てたことは、8月2日付(122)に述べた。翌日、最寄りの古本屋に声を掛けて『童話』復刻版75冊と別冊解説、写真集1冊と明治期の木版本10巻5冊の3点を3000円で引き取ってもらった。『童話』は定価が19万8千円…

祖母の蔵書(122)童話

いよいよ明後日、仲介業者に鍵を引き渡すことになっている。電気や水道の契約は明日までにしてあるから、明後日は朝のうち、入ることは出来るがもう作業は出来ない。明日の夕方、仲介業者が見に来ると云うので、今日の午前、家人が久し振りに祖母宅に出掛け…

祖母の蔵書(105)司馬遼太郎⑤

昨日、祖母が個人全集を揃えようとしておらず、同じ場所に保管もしていなかったことを指摘したが、同一シリーズであっても揃えて置こうとしていなくて、こうして整理する際に見当たらない1冊が何処かにあるのか、それともないのか、困惑させられているのだが…

祖母の蔵書(097)漢字パズル①

祖母はパズルの雑誌・MOOK・本を数多く買っていたが、解いているのは初めの方だけで、殆どが空白のまま残されている。書入れは鉛筆である。 全部解いてから次を買えば良いのでは、と思ってしまうのだが、そもそもパズルに取り組む根気を持合せない私には、こ…

赤堀又次郎伝記考証(58)

・『森銑三著作集』続編(3) 昨日の続き。 ・『森銑三著作集』続編 第十三巻(雑纂一)一九九四年一〇月一〇日初版印刷・一九九四年一〇月二〇日初版発行・定価6602円・中央公論社・579頁・A5判上製本雑纂一 (森銑三著作集 続編 第十三巻)作者:森 銑三中央…

赤堀又次郎伝記考証(57)

・『森銑三著作集』続編(2) 『森銑三著作集』続編に見える赤堀氏に関する記述は、5月7日付(47)5月15日付(55)そして前回6月4日付(56)の3回で、伝記に関わりそうなところはほぼ採り尽したと思うのだが、一応別巻「人名索引」に出ている箇所につき、メ…

赤堀又次郎伝記考証(55)

昨日で赤堀氏の調査は一旦中断するつもりであった。しかし犬山赤堀家の系譜、赤堀象万侶の明治初年の消息、そして何よりも赤堀氏の著書、校訂書から窺える動向、言語取調所・日本図書館協会・国書刊行会での活躍、完璧な著述目録、そして旧蔵書目録など、既…

赤堀又次郎伝記考証(54)

赤堀又次郎の経歴を調べていて鹿島大宮司家の則文や則泰、そして何より「桜山文庫」の名を久し振りに目にしたとき、私はまづ深沢氏のことを思い出した。 しかしそのとき、鹿島家ではなく子息の赤堀秀雅から父の赤堀象万侶へと進む方針で、さらに『書物通の書…

赤堀又次郎伝記考証(52)

深沢秋男は筆まめな人で、重友毅門下生で近世初期文芸研究会を結成し、年刊で「近世初期文芸」を刊行、晩年には同じ体裁で「芸文稿」と云う同人誌を刊行していた。その旁らネットでの情報発信も活発にしていた。最晩年には「近世初期文芸」「芸文稿」とも引…

赤堀又次郎伝記考証(50)

・鹿島家との関係(1) 川瀬一馬の云うように「赤堀氏は鹿島則文の女婿」であった。 私はこのことを知ったとき、鹿島則文が伊勢神宮宮司で創設期の神宮皇学館の拡張に努めた人物であったことから、神宮皇学館の前身である神宮教院本教館に学んでいたらしい…

赤堀又次郎伝記考証(48)

・赤堀又次郎の歿年(3) 森銑三は赤堀氏の最晩年の消息を知らなかったようだ。しかし、昭和20年(1945)まで生きていたことは、知っていたはずである。 ・『森銑三著作集』別巻(昭和四十七年八月 十 五 日印刷・昭和四十七年八月二十五日發行・定價三五〇…

赤堀又次郎伝記考証(47)

・赤堀又次郎の歿年(2) 前回稿の後半の主要部分は2月22日付「赤いマント(357)」と同時に書き上げていた。そのまま投稿しても良かったのだが、2ヶ月半かかってしまった。 2月下旬は84年前に赤マント流言が東京市を席捲した時期なので、国立国会図書館デ…

赤堀又次郎伝記考証(46)

・赤堀又次郎の歿年(1) 前回、赤堀氏が昭和20年(1945)1月号まで雑誌2誌で言論活動を行っていたことを指摘した。 ・月刊「日本及日本人」第四百三十九號(昭和二十年一月號)(昭和二十年一月五日印刷納本・昭和二十年一月八日發行・定價五拾錢・政教社…

赤堀又次郎伝記考証(45)

・反町茂雄「辞書のはなし」(3) 『反町茂雄文集』はとっくに返却してしまって、俄に確認しに行くことも出来ないのだが、『下』巻末左開き36頁の「索 引」を見るに、1頁左22行めに、 赤堀又次郎 上128 とあること、そして34頁右27~28行めに、 横尾勇之助…

赤堀又次郎伝記考証(44)

・反町茂雄「辞書のはなし」(2) 3月15日付「反町茂雄『一古書肆の思い出』(5)」に参照した『一古書肆の思い出5』編集部 作成「反町茂雄著述目録」の、375頁10~32行め「昭和62年(1987)」条を見るに、375頁25~26行め「5月」条の26行めの方が、 辞…

赤堀又次郎伝記考証(43)

・反町茂雄「辞書のはなし」(1) 村嶋英治「最初のタイ留学日本人織田得能(生田得能)と近代化途上のタイ仏教」が赤堀氏の生歿年を「赤堀又次郎(1866‒1943?)」としている理由の1つは、前回検討したHN「書物蔵」のブログ「書物蔵 古本オモシロガリズム…

赤堀又次郎伝記考証(37)

・『書物通の書物随筆』第一巻『赤堀又次郎『読史随筆』』(7) さて、佐藤哲彦「解題」では一言触れているだけの早稲田大学での講義だが、これには当時学生だった人物の回想があって、どのようなものであったかを窺うことが出来る。 ・「國文學研究」第七…

赤堀又次郎伝記考証(32)

ここで、赤堀氏の主著と目されている『国語学書目解題』を見て置こう。 ・『國語學書目解題』明治三十五年六月五日印刷・明治三十五年六月九日發行・吉川半七 扉には毛筆の標題、右の枠に「東京帝國大學御藏版」左の枠に「 東京 吉川半七發行」とある。 以下…

赤堀又次郎伝記考証(19)

・赤堀象万侶④上田仲敏 最初「犬山壮年會雜誌」に赤堀象万侶の名を見付けたとき、親類だろうと思った。その後近藤秀胤書写本『犬山里語記』に赤堀象麻呂藤原朝臣秀雅の名を見て、赤堀氏の祖父か父ではないか、と思った。その後気を付けていると、赤堀氏と赤…

赤堀又次郎伝記考証(15)

・赤堀秀雅③ 赤堀秀雅の名は、ダイヤモンド社が刊行していた『ポケツト/会社職員録』にも見えている。 ・第四回〔昭和十四年版〕昭和十三年十二月 十 日 印 刷・昭和十三年十二月十三日 發 行・定價二圓五十錢・一四+五+八四五+一四五頁 第三回までは自…

赤堀又次郎伝記考証(14)

・赤堀秀雅② 赤堀氏の子息と思われる(ほぼ間違いないと思っているのだが確証は得ていない)赤堀秀雅について、大学以降の履歴を見て置こう。 ・『京都帝國大學一覽』京都帝國大學 ・〈自大正 九 年/至大正十一年〉大正十年十二月二十八日發行*1・五四二頁 …

赤堀又次郎伝記考証(04)

・「犬山壮年會雜誌」の連載と住所(1) 昨日の最後に見た『國語國文學年鑑』第貳輯に、当時の赤堀氏の住所が牛込区早稲田南町四番地とあることについて、その転居時期に触れた文献を取り上げる予定であったが、その前に赤堀氏の学歴に関連して、昨日の最初…

赤堀又次郎伝記考証(2)

昨日の続き。 ・赤堀又次郎『御即位及大嘗祭』大正三年三月 十 日印刷・大正三年三月十五日發行・大八洲學會 ・赤堀又次郎『御即位及大嘗祭』大 正 三 年 三 月 十 日 印 刷・大 正 三 年 三 月十五日 發 行・大 正 四 年 五 月 二 日 再版印刷・大 正 四 年…

赤堀又次郎伝記考証(1)

・『御即位及大嘗祭』著作権侵害事件 私は、ある人物の著述を活用する際に、生歿年月日や経歴・居住地を確認するようにしている。いつ、何処にいて、当時どういう立場だったか、それには家族も調べる必要が生じる。――『三田村鳶魚日記』の赤マント流言の記事…

赤いマント(365)

・山口瞳『男性自身』(3) 2月3日付(341)に山口瞳の生年月日と学年について確認し、2月4日付(342)に『男性自身シリーズ』に見える、赤マント流言に触れた2箇所の短い記述を取り上げた。 2月3日付(341)では、P+D MAGAZINE「【山口瞳電子全集】生誕90…

竹中労の前半生(04)

2006年は竹中英太郎生誕100年になるので、伝記が2点刊行されている。順序として、先に刊行されたものから見て置こう。美は乱調にあり、生は無頼にあり―幻の画家・竹中英太郎の生涯作者:備仲 臣道批評社Amazon・ 備仲臣道『美は乱調にあり、生は無頼にあり 幻…

赤いマント(358)

昨日の続き。 ・「大日」第二百三十四號(昭和十五年 十 月廿八日 印刷納本・昭和十五年十一月 一 日 發 行・定 價 金 參 拾 錢・八二頁) 七五~七六頁*1、水島爾保布「巢鴨より」は全体が流言を扱ったものとなっている。冒頭から中段13行めまで抜いて置こ…