瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

杉村恒『明治を伝えた手』(3)

5月16日付(2)の続き。 160頁までのグラビア頁に続いて、161~200頁、解説「職人の世界」と201~202頁「あとがき」がある。 161頁(頁付なし)解説の扉。左側に二重線の枠(16.2×4.0cm)があって、明朝体縦組みで、上部中央に大きく「職人の世界」下部中央…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(21)

・吉田正三について(6) 昨日引用した東京新聞社社会部 編『名人 〈町の伝統に生きる人たち〉』106頁に「好事家」からの「注文」のことが見えていましたが、まさにそうした需要を満たす吉田氏の画集『千住の吉田政造筆/東京の絵馬』があります。2月上旬に…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(20)

・吉田正三について(5) 一昨日からの続きで、東京新聞社社会部 編『名人 〈町の伝統に生きる人たち〉』105頁16行め~106頁15行めを見て置きましょう。 ‥‥。むか/しは、父親の描いた絵馬を、千住から/池袋あたりまで持っていった。【105】 「雑司ケ谷の…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(19)

・吉田正三について(4) 昨日の続きで、東京新聞社社会部 編『名人 〈町の伝統に生きる人たち〉』104頁1行め~105頁15行めを見て置きましょう。 絵馬は、信心の厚い人が豊作や商売繁昌、病気の全快を祈って神仏に奉納する。たとえば、農業の/神である稲荷…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(18)

・吉田正三について(3) 本書は Amazon 等のレビューや、最近でも Twitter の投稿にて、かなり高い評価を得ているようですが、私の評価は否定的なものとなっております。――当ブログではこれまで、駒村氏が当時の都市交通網を考慮に入れていないことを指摘…

杉村恒『明治を伝えた手』(2)

当初、4月12日付(1)に続けて「昨日の続き」として投稿するつもりで準備していたのだが、5月13日付「東京新聞社社会部編『名人〈町の伝統に生きる人たち〉』(1)」に述べたように本書の6年前に類書が刊行されていたことを知って、そちらを確認してからに…

東京新聞社社会部編『名人〈町の伝統に生きる人たち〉』(3)

昨日の続きで、今回は本書の成立について見て置こう。 229~230頁「あとがき」は最後、230頁17行め、1行分空けて2字下げで「昭和三十八年三月」付、下寄せで「東京新聞社社会部長 新貝博記 」とある。ここは記名だけれども法人著作物であり著作権は消滅して…

東京新聞社社会部編『名人〈町の伝統に生きる人たち〉』(2)

昨日の続き。 経年劣化もあってかクリーム色っぽく見えるやや厚手の見返し(遊紙)があって、1頁(頁付なし)扉には角の丸い太線の枠(14.4×7.5cm)に横組みで、上部に明朝体で大きく標題「名 人」上にやや小さく「〈町の伝統に生きる人たち〉」下に「東京新…

東京新聞社社会部編『名人〈町の伝統に生きる人たち〉』(1)

・ハヤカワ・ライブラリ『名人 〈町の伝統に生きる人たち〉』1963年 4 月15日発行・¥ 250・早川書房・230頁・新書判並製本名人―町の伝統に生きる人たち (1963年) (ハヤカワ・ライブラリー)メディア: - 4月12日付「杉村恒『明治を伝えた手』(1)」に関連…

和楽路屋『東京区分地図帖コンパクト版』(2)

昨日の続き。 ・冨田均『住所と日付のある東京風景』(2) この地図のことは28篇め、235~242頁「地図と高速道路と猫」にも、236頁16行め~237頁11行め、 和楽路屋発行の『東京都区分地図帖コンパクト版』をとり出す。これが今の東京を歩くには絶/好の地図…

和楽路屋『東京区分地図帖コンパクト版』(1)

雑司ヶ谷の高田書店には、私には勿論、ここまでする程の思入れがあるはずもないのだが、思い掛けず新たな切り口が得られることもあるので、事の序でに色々と、図書館に行く度に漁ってしまうのである。 ところで、2020年2月撮影の Google ストリートビューに…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(5)

昨日の続きで中公新書2023『東京ひとり散歩』の「鬼子母神懐古――雑司ヶ谷」の問題点について、もう少し突っ込んだ指摘をして置こう。 * * * * * * * * * * いや、そもそも「雑司が谷 わが夢の町」では、王子電車の牛乳運搬から「武蔵野の面影」を…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(4)

中公新書2023『東京ひとり散歩』の「鬼子母神懐古――雑司ヶ谷」は、読むほどに「雑司が谷 わが夢の町」を下敷きに書かれたように感じるのだが、対比するとなると全文を抜くことになってしまうのでそれは控えて、最後に「雑司が谷 わが夢の町」の誤りを訂正し…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(3)

・池内紀の居住歴(3) 板橋の次に住んだ豊島区雑司ヶ谷であるが、中公新書2023『東京ひとり散歩』の「まえがき」には、ⅴ頁5~11行め、 雑司ヶ谷には、けっこう長くいた。少し歩くと鬼子母神の境内にきた。樹齢五百年とかの/大イチョウがそびえており、人…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(2)

・池内紀の居住歴(2) 昨日の続き。 中公新書2023『東京ひとり散歩』の「まえがき」に拠れば、池内氏は姫路から上京して、まづ北区滝野川に住んでいる。滝野川と云っても西は赤羽線(埼京線)の板橋駅から、東は京浜東北線の王子駅近くまで、かなりの面積…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(1)

・池内紀の居住歴(1) 4月9日付「水島新司『ドカベン』(60)」にて、鈴木則文監督の実写映画『ドカベン』にて「朝日奈書店」として使用されていた書店が豊島区雑司が谷の高田書店であることを確認し、営業期間について豊島区南池袋の古書店・古書 往来座…

佐木隆三『復讐するは我にあり』(2)

昨日の続き。 ・福樹荘の神吉梅松弁護士(2) さて、前回参照した大正15年(1926)5月1日現在『東京電話番号簿』に神吉氏の名は見当たらないようであるが、中央区立図書館地域資料室アーカイヴス「電話帳簿」を見て行くと、神吉氏の名前も拾うことが出来る…

佐木隆三『復讐するは我にあり』(1)

さて、4月9日付「水島新司『ドカベン』(60)」を「今村昌平監督『復讐するは我にあり』(1)」と題して投稿しようかと思ったのだが、鈴木則文監督『ドカベン』のロケ地として、欅並木の鬼子母神表参道と西参道商店街の分岐点にあった本屋に注目したのだか…

石崎直義 編著『越中の伝説』(8)

前回「索引」にて、各市町村ごとの話数を確認したが、かなりの偏りがあることが見て取れた。なお、見返し(表紙・裏表紙とも)には4月26日付(1)に触れたように[富 山 県]の白地図があって、本書刊行当時の富山県の市町村とその範囲が示されているが、こ…

石崎直義 編著『越中の伝説』(7)

続いて最後にある、171~174頁「索 引」を眺めて置こう。 体裁であるが4段組、市町村ごとに前後1行空け、1字下げで話の題と頁を示す。例を示すと174頁1段め2~5行め、 東砺波郡井口村*1 義経の落胤 76*2 大蛇を食べた 婆さま 122 の如く、2行にわたる場合は…

石崎直義 編著『越中の伝説』(6)

伝説集は、2019年8月24日付「杉村顯『信州の口碑と傳説』(3)」等にも述べたように基本的に編纂物である。中には直接取材して得た話もあるだろうが、殆どが先行する文献から得たものである。しかし戦前の伝説集は、当ブログで取り上げた杉村顯『信州の口碑…

石崎直義 編著『越中の伝説』(5)

昨日の続きで、4章め「信仰伝説」について。137頁上段、中央に大きく「信 仰 伝 説」。下段1行めに2行取り1字下げでやや大きく1節め「祭神・祭礼」。 ・1節め、137頁下段~146頁下段4行め「祭神・祭礼」 【1】「 福光宇佐八幡宮 」 137頁下段2行め(西砺波郡…

石崎直義 編著『越中の伝説』(4)

昨日の続きで、3章め「怪異伝説」について。113頁上段、中央に大きく「怪 異 伝 説」。下段1行めに2行取り1字下げでやや大きく1節め「妖怪変化」。 ・1節め、113頁下段~120頁下段11行め「妖怪変化」 【1】「 山の神の会議 」 113頁下段2行め(婦負郡八尾町仁…

石崎直義 編著『越中の伝説』(3)

昨日の続きで、2章め「歴史伝説」について。61頁上段、中央に大きく「歴 史 伝 説」。下段1行めに2行取り1字下げでやや大きく1節め「神 話」。 ・1節め、61頁下段~65頁下段1行め「神 話」 【1】「 立山と白山の背くらべ 」 61頁下段2行め(中新川郡立山町立…

石崎直義 編著『越中の伝説』(2)

昨日の続きで1章め、13~60頁「自然伝説」の2節め、26頁上段11行め~28頁「海・島・岩」から見て置く。要領は昨日に同じで節ごとに仮に【 】に番号を附し、挿入される写真は通しで仮に《 》に番号を附した。 【1】「 唐 島 」 26頁上段12行め(氷見市氷見*1)…

石崎直義 編著『越中の伝説』(1)

・石崎直義 編著『越中の伝説』昭和51年9月15日 印刷・昭和51年9月25日 発行・定価900円・第一法規・174頁・B6判並製本 越中の伝説 (1976年)メディア: - 第一法規出版のこのシリーズは1970年代に29点刊行されている。『東海の伝説』や『四国路の伝説』の…

畑中幸子『南太平洋の環礁にて』(11)

・プカルア滞在期間について(3) さて、畑中氏がプカルアで1964年を迎えたことは「Ⅵ 太陽はプカルアをめぐる」の30節め、164頁16行め~166頁15行め「去っていく/一九六三年」から章末の34節め、170頁2行め~172頁1行め「正月の酔/っぱらい」に描写されて…

畑中幸子『南太平洋の環礁にて』(10)

・北杜夫『南太平洋ひるね旅』との関連(4) 北氏がタヒチ島で、日本人移民の紺野老人の引合せで畑中氏に初めて会ったときには、2020年10月31日付「赤いマント(293)」に見たように、大阪市立大学助教授のT氏が同行していました。その翌日、北氏は帰国の…

畑中幸子『南太平洋の環礁にて』(09)

前回引用した「金沢大学文学部論集―行動科学科篇―」第3号(昭和58年3月25日・金沢大学文学部)17~44頁、畑中幸子「東ツアモツ群島における文化の実態」について、もう少し見て置きましょう。――畑中氏は『南太平洋の環礁にて』以外に、南太平洋に関する著書…

畑中幸子『南太平洋の環礁にて』(08)

・北杜夫『南太平洋ひるね旅』との関連(3) 4月19日付(05)の続き。――ブラジルの日本語日刊新聞「ニッケイ新聞」のサイト「ニッケイ新聞WEB」の2007年6月27日付「作家・北杜夫さんと独占インタビュー=ブラジル日本移民を書いた長編小説『輝ける碧き空の…