瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

柳田國男『遠野物語』の文庫本(23)

 「遠野物語」は、7頁(頁付なし)が扉、8頁(頁付なし)の中央に「この書を外国にある人々に呈す」の献辞。9〜11頁が自序、12〜14頁が「題目」、15〜72頁が本文、73頁(頁付なし)は白紙で、74〜75頁(頁付なし)見開きは「遠野郷本書関係略図」である。1頁18行、1行41字。
 他に単行本であった「山の人生」と「史料としての伝説」、他6篇が収録されている。
 これらの本文は、恐らく第五刷と第七刷で変わっていないと思う。もしこの間に本文の修正が多々あるようなら困るのだ。よって、本文の比較はしていない。
 さて、問題の頁数の増加の理由だが、目次の項目は全く同じである。違うのは僅かに最後の1行のみ。

(第五刷) 解 題 ………………………………………五一九
(第七刷) 解 題 ………………………………………五三六


 この「解題」は1頁で、頁がズレている他は全く同文である。従って、異同の理由は明らかで、この直前だけが、すなわち次の部分が、延びたことによる。

 解 説 …………………………永池健二 五〇七


 この「解説」であるが、永池氏の初の単著『柳田国男 物語作者の肖像』(2010年7月1日第1刷発行・定価3000円・梟社・322頁)に再録されている。

柳田国男 物語作者の肖像

柳田国男 物語作者の肖像

 これには若干の書き換えがある。以下、これとも対照しながら、述べて行くこととする。
 なお、ちくま文庫版『柳田國男全集』の目次は、「研究余録 〜全集目次総覧〜」に掲載されているが、これは「全巻総目次」(5月30日付参照)ではないので、もともと単行本だったものの細目までは分からない。「第4巻」の「解題」は「519」となっている。(以下続稿)