瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

浅沼良次編『八丈島の民話』(2)

 ①上製本初版)、15〜199頁に民話61話、1頁17行・1行45字。「はしがき」と「目次」は1頁18行だった。「はしがき」は1行52字。200〜210頁は「わらべうた」で2段組、18行。
 ④並製本(新装・オンデマンド版)は同じ。
 ②上製本ほるぷ)も復刻だが、編成が異なる。まず、書名だが、狐色の布装の表紙、背表紙「日本の民話 26  沖縄・八丈島篇」で、表紙に左肩に「日本の民話」と背表紙と同じ黒の毛筆にて入る。扉には「日本の民話 26/沖 縄篇 伊波南哲編/八丈島篇 浅沼良次編」とある。奥付の書名は背表紙に同じ。昭和四十九年十一月一日第二刷発行。第一刷はまだ見ていない。企画・編集 未来社、総発売元 ほるぷ、製作 東京連合印刷。ぽるぷと東京連合印刷は同じ住所。伊波南哲編『沖縄の民話』と抱き合わせて1冊にしたもので、1〜221頁が「沖縄の民話」で、223頁が「八丈島の民話」の中扉、その裏に【八丈島の地図】(頁付なし)、225〜229頁「はしがき」、231〜235頁「目次」、237〜421頁が民話、422〜432頁が「わらべうた」。すなわち、中扉と地図の位置が①と違う。他に目次の最後(235頁)に「さし絵 松川八洲雄」とある。挿絵の右下に「Yasuo.M」の署名はあるが、①④にはどこにも名前が入っていなかった。松川八洲雄(1931.8.12〜2006.10.11)はドキュメンタリー映画監督。
 ①は奥付の次の見開きが「日本の民話」シリーズの目録となっており、「64酒井正保編上州の民話(二)」まで、別に「日本の民話・別巻」1〜4。
 ④は奥付(①第九刷)の次に、「不適切な表記・表現」も「そのままにしてあります」との《オンデマンド出版にあたって》なる(編集部注)。その次の頁にオンデマンド版の奥付。(以下続稿)

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 10月23日付「小寺融吉「八丈島の話」」に載る、源為朝とその子「虎若」の話であるが、『八丈島の民話』には「虎政」として出ている。【八丈島の地図】には末吉に「黒瀬の荒れるわけ」との題が記入してあって、末吉にあった話のように見えるが、適当ではない(①②④の4話め、③の3話め。①④26〜29頁、②248〜251頁、③20〜24頁)。「原 話  末 吉  沖 山 て ■(八四)/大賀郷  菊 池 り ■(故人)」とある*1のにつられたものか。「海上保安庁 >海洋情報部 > 防災情報 >海域火山データベース」によれば、「黒瀬」八丈島の北約30kmにある海底火山である。すなわち小寺氏の「三宅島から八丈島に行く途中」に合致する。為朝が子供の腕が自分より優れているのを見て、将来を慮って海に沈めてしまう、という大筋は一致しているが、虎政が「海」に射落としたのは「数羽の海鳥」のうち「二羽」となっており、小寺氏の「三羽」を「舟中に落した」のと違う。また、小寺氏の方はいきなり「蹴落し」ているが、こちらは海に「投げ入れ」る前に因果を含めている。沈む前に「端座」=「きちんと正座して」いるのは一致する。小寺氏の方は「今でも……必ず」供物を捧げているように読めるが、こちらは「むかし……かならず」となっている。

*1:③は「原話」ではなく「はなし」。