瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

『八丈島誌』(2)

 昨日の追加を、若干して置きたい。
 初版では各章の題下に執筆者名が一々入っていたのだが、改訂増補版では削除されており、執筆者が誰だか分からなくなっている。それからもう一点だけ、10月27日付で触れた第四篇「民俗」についてだけ、確認して置きたい。
 初版では471〜567頁だったのが改訂増補版は567〜665頁で、2頁増えているが、これは第三章「民謡」が初版495〜515頁から改訂増補版591〜613頁に増えているため。厳密に対照はしていないが、他に追加はないようだ。この第三章は初版には執筆者「渡辺従義」の名があった。増えているのは最後の第四節「新歌謡」で、初版では515頁7行め以降の10行で済まされていたのが、改訂増補版では515頁9行め、初版「定着したものは八丈船歌だけである。」としていたのを「定着したものに八丈船歌と八丈音頭がある。」と改めて、612〜613頁に「八丈音頭」の歌詞紹介を追加している。これは612頁2行め「昭和五十九年十月、八丈町制施行三十周年記念事業の一環として発表されたもの」だから、改訂増補版での追加である。613頁の最後、3〜4行め、

 このほか新歌謡としては観光バスの中で唄われる「八丈すみれ」や空港のスピーカーから流れる「おじゃれ/節」などがあるが、これが定着するか否かは不明であるので、ここでは割愛する。

とあるのだが、初版515頁15〜16行めも全く同文である(初版では「など」の前で改行していたが組み直したために位置がずれている)。いくらなんでも、昭和47年(1972)から平成4年(1992)まで20年を経過してなお、同じ曲を流し続けてはいないと思うのだが。いや同じ曲を流し続けてるのなら、定着したってことになるんではないのか。
 浅沼氏執筆の第六章「民話」は、初版は545〜550頁、改訂増補版では643〜648頁で、改訂などはなされていないようで、「トコラ」の「原 話」の話者2名の年齢も『八丈島の民話』のままで、書き換えられていない。書き換えないのなら、どの時点での年齢なのかを書き添えておくべきだと思う。