瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

美内すずえ『ガラスの仮面』(25)

 単行本第14巻、巻頭の6頁文庫版第8巻226)1コマめから25頁文庫版第8巻245頁)4コマめまでは「里美さん」だった。
 ところが、仮にマヤのマネージャーを務めていた水城君が自分を正式にマヤのマネージャーに任命するよう、速水真澄に公衆電話(!)*1から申し出るシーンが、次のようになっている。4243頁を見て置こう。

水城:「いえ 正式にわたしに任命していただきたいのです」
真澄:何かに気付く
真澄:電話越し「どういうことだ?」
水城:「今のあの子をこのままにして他の人にまかせるわけにいきません」
真澄:電話越し「なにがあったんだ?」
水城:「今 あの子は恋しています」
真澄:!/
真澄:(恋…!)
真澄:「そうか… 人間的成長過程にあるというわけだな/それで相手はあの桜小路とかいう少年か?」
水城:「いえ 里見茂です」以上42頁
真澄:白目*2
真澄:「里見…茂…!/あの青春スターの…」
水城:電話越し「そうです」
水城:「里見茂の気持ちはわかりません/でもあの子は恋していますわ/演技にも不安定なものがみられます/なによりもスキャンダルになる前にふせがねばなりません」
水城:「正式にわたくしをマネージャーに任命してくださいませ!」
真澄:「わかった…/きみにまかせよう」
水城:「ありがとうございます」
真澄:カチ…(受話器を置く)以上43頁

というわけで、42頁8コマめ・43頁2コマめ・3コマめと、「里茂」となっている。ところが次の頁、44頁1コマめ、電話を切った直後の速水真澄の心内語は、(恋だと…!?/あの里美茂に…!)となっていて、戻っている。すなわちこの、4243頁の見開きのみが「里茂」なのである。もちろん、こんな重要な場面だから、文庫版第8巻262263頁では「里茂」に訂正されている。
 さて、続く44頁3コマめ・45頁3コマめ・51頁1コマめから53頁5コマめのマヤの心内語・56頁6コマめのマヤの台詞と、しばらく「里美さん」になっているのだが、57頁2コマめのマヤの心内語でまた(よかった……!/ほめてくれた… あたしの演技/里見さんがほめてくれた/あたしの演技…!)となっていて、ここは文庫版第8巻277頁でも「里見さん」のままなのである。(以下続稿)

*1:だからやっぱり携帯電話など使っちゃいかんと思うのだが。

*2:ネット上に既に指摘があるが、恐らくこれが初めての白目。私もこれ以前には気付かなかった。