単行本第14巻、巻頭の6頁(文庫版第8巻226頁)1コマめから25頁(文庫版第8巻245頁)4コマめまでは「里美さん」だった。
ところが、仮にマヤのマネージャーを務めていた水城君が自分を正式にマヤのマネージャーに任命するよう、速水真澄に公衆電話(!)*1から申し出るシーンが、次のようになっている。42〜43頁を見て置こう。
水城:「いえ 正式にわたしに任命していただきたいのです」/
真澄:何かに気付く/
真澄:電話越し「どういうことだ?」
水城:「今のあの子をこのままにして他の人にまかせるわけにいきません」
真澄:電話越し「なにがあったんだ?」/
水城:「今 あの子は恋しています」/
真澄:!/
真澄:(恋…!)/
真澄:「そうか… 人間的成長過程にあるというわけだな/それで相手はあの桜小路とかいう少年か?」/
水城:「いえ 里見茂です」/以上42頁
真澄:白目*2/
真澄:「里見…茂…!/あの青春スターの…」
水城:電話越し「そうです」/
水城:「里見茂の気持ちはわかりません/でもあの子は恋していますわ/演技にも不安定なものがみられます/なによりもスキャンダルになる前にふせがねばなりません」/
水城:「正式にわたくしをマネージャーに任命してくださいませ!」/
真澄:「わかった…/きみにまかせよう」/
水城:「ありがとうございます」/
真澄:カチ…(受話器を置く)/以上43頁
というわけで、42頁8コマめ・43頁2コマめ・3コマめと、「里見茂」となっている。ところが次の頁、44頁1コマめ、電話を切った直後の速水真澄の心内語は、(恋だと…!?/あの里美茂に…!)となっていて、戻っている。すなわちこの、42〜43頁の見開きのみが「里見茂」なのである。もちろん、こんな重要な場面だから、文庫版第8巻262〜263頁では「里美茂」に訂正されている。
さて、続く44頁3コマめ・45頁3コマめ・51頁1コマめから53頁5コマめのマヤの心内語・56頁6コマめのマヤの台詞と、しばらく「里美さん」になっているのだが、57頁2コマめのマヤの心内語でまた(よかった……!/ほめてくれた… あたしの演技/里見さんがほめてくれた/あたしの演技…!)となっていて、ここは文庫版第8巻277頁でも「里見さん」のままなのである。(以下続稿)