瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

美内すずえ『ガラスの仮面』(35)

 昨日の昼、東京から新幹線で名古屋まで行った。そんなに混んでいる印象はなかった。そして今日の午後、名古屋から新幹線で東京まで戻って来て、階段にまで行列が及んでいるのを見た。私には故郷のようなものがないので、大変だなぁ……と思いながら眺めていた。――私みたいな連中が今後増えて、こうした感覚が日本人全体として、稀薄になって行くのだろうか。名古屋の話は、別に何もない。日陰に雪が残っていた。
 この年末、文庫版『ガラスの仮面』を知人と複数の図書館から借りて第17巻まで揃えている。初め、知人から借りた文庫版で読み始めて、途中で単行本に乗り換えたときには、文庫版が図書館の書棚になく単行本がずらっと並んでいたのだが、ここに来て単行本の方が揃わなくなった。そしたら意外なことに文庫版がここまで揃えられたので、ここで一つ、個々の巻ではなく、通覧して初めて分かるようなところをチェックして置きたい。近いうちに。
 今日は、昨日の続き。

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・単行本第18巻51頁(文庫版第11巻の頁数は+30)6コマめの、完成直前の看板、

 一人芝居
女海賊 ビアンカ


とある。「ビアンカ」は中抜き。5コマめに「看板の字 これでいいかな?」という吹き出しがあって、6コマめ、マヤが「吉沢くん字うまいのね」と言っているから、字を書いたのは吉沢くんで、続いてマヤが造花を手に「あとはこの花つけたらおしまいね」と言っているから、これで字は完成のはずなのだが、単行本第18巻55頁2コマめの看板は、

一人芝居 北島マヤ
女海賊ビアンカ

となっていて「北島マヤ」が加筆されている。次にこの看板が見えるのは単行本第18巻107頁2コマめだが「女海賊ビアンカ」のみとなっている。以下、124・131・136・151・152・153頁にもこの看板が出て来るが、いずれも「女海賊ビアンカ」のみ。別に「一人芝居 北島マヤ」の文字を一々入れなくても構わないんだけど。
・単行本第18巻69頁この頁は前回取り上げた単行本第18巻1418頁の上演用改訂版なのだが、2コマめのビアンカ(マヤ)の台詞中に「父のフィリッポ・デ・カスターニ公爵は元首をつとめております」とあるが、「元首」のルビは「ドージエ」となっている。文庫版第11巻99頁では「トージエ」となっているのだが、これはドージェ doge が正しい。
・単行本第18巻73頁2コマめ、ビアンカ(マヤ)の台詞がおかしい。

ビアンカ(マヤ):「いいですモーン わたしはお嫁になんかいかないんだから!/男の子に生まれてこなかったのかしら…!」


 この2つめの吹き出し(/の後)の右が1行分ほど不自然な空白になっている。文庫版第11巻103頁はここに「あーあ どうして」とある。単行本では何らかの理由(剥離?)で脱落したのだろう。(以下続稿)