瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

鎌倉の案内書(12)

 昨年の9月上旬から中旬にかけて書きかけていたもの。

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・岩波ジュニア新書岩波書店
 以前調べたことのある塩嘗地蔵の記述をもう一度拾ってみようと思ったのは、岡田寿彦・関戸勇『カラー版 鎌倉 感じる&わかるガイド(岩波ジュニア新書463)』(2004年3月19日第1刷発行・定価980円・194頁)を見たのがきっかけだった。理由は2011年6月13日付「塩嘗地蔵(01)」で述べたが、実はもう1つあって、「カラー版」が出ているからには以前の版が絶版になったのだということを察して、少々淋しい気分になったからであった。
 そこで、昔の岩波ジュニア新書を探してみたのだが、開架にあるのはたいてい「カラー版」で、以前にはどこにでもあった昔の版は見当たらなくなっていた。ようやく、第1刷と第27刷を借りられたので、記述してみたい*1

 沢寿郎『鎌倉史跡見学(岩波ジュニア新書7)』(1979年8月20日第1刷発行Ⓒ・¥480・v+205+7頁)
 沢寿郎『鎌倉史跡見学(岩波ジュニア新書7)』(1979年8月20日第1刷発行Ⓒ・1999年4月1日第27刷発行・定価740円)
 カバー表紙は同じで、折返し右下に縦で「カバー写真=円覚寺山門(長谷川健雄撮影)」とある。私の見た本はどちらもヤケていないが、第1刷の方が色が濃い。カバー表紙折返しの上部にある、簡略化された「もくじ」や、カバー裏表紙折返しの著者の紹介も同じ。しかし沢寿郎(1903〜1988)は、神奈川近代文学館機関紙「神奈川近代文学館」第20号(1988年4月15日発行)に「沢寿郎評議員死去」との記事があるから*2、第27刷では生前の紹介文のままではいけないので、書き換えていないといけなかった。
 カバー裏表紙は異なる。第27刷では左上にバーコードが2つにISBNコードが入るが、第1刷にはない。左下、第1刷「¥480」は第27刷「定価(本体740円+税)」、右上に縦組みで説明文がある。
 この説明文がかなり違っている。第1刷で1行24字で9行あったのが、第27刷は6行に減っている。主な異同を指摘してみるに、「また要衝として」「この本は、鎌倉にくわしい著者が、」「日本史の副読本としても楽しく読めますし、」「さくいんがついているので、」といった辺りが省かれ、文末も敬体から常体に改められている。

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 それから、岡田寿彦・関戸勇『カラー版 鎌倉 感じる&わかるガイド(岩波ジュニア新書463)』について、当時は内容や構成までメモして置かなかったので、補って置きたい。横組み、カバー。
 前付が12頁ある(ローマ数字は頁付のある頁、算用数字の頁には頁付なし)。1頁めは扉、2頁めは白紙、iii〜iv頁が「2003年11月」付・2人連名の「はじめに」、v〜vii頁「もくじ」、8〜12頁は略地図で、8〜9頁「鎌倉全図」、10〜11頁「鎌倉駅周辺」、12頁「北鎌倉から鶴岡八幡宮へ」。本文は、

I 鎌倉と出会う/北鎌倉から鶴岡八幡宮へ(1〜66頁)
II テーマでつかむ(67〜188頁)
 1 鎌倉時代のまちづくり(68〜87頁)
 2 海と鎌倉(88〜111頁)
 3 戦いと鎌倉(112〜131頁)
 4 信仰・伝説と鎌倉(132〜151頁)
 5 女性史の中の鎌倉(152〜169頁)
 6 環境・景観問題と鎌倉(170〜188頁)

で、最後、189〜194頁「さくいん」。
 カバー表紙折返しには[岩波ジュニア新書 既刊より]として、6つ挙がるが、その筆頭が「7 鎌倉史跡見学  沢寿郎著」である。当時は関連書として挙げていた訳で、別に即絶版になった訳ではなかったのだが、現在「品切重版未定」で、恐らくこのまま絶版になるのではないか、と思う。
 この沢氏の本、既に取り上げたつもりでいたのだが、未だだった。塩嘗地蔵の記述や内容など、近く紹介することとしたい。
 それから、カバー裏表紙折返しに縦組み2段で著者の紹介があり、上段が岡田氏、下段が関戸氏だが、関戸氏の著書の第一に挙がる『鎌倉―古寺社と四季の花道―』は2011年7月27日付「塩嘗地蔵(025)」に紹介した。
2017年2月12日追記】その後見た刷を以下に補って置くことにする。
 沢寿郎『鎌倉史跡見学(岩波ジュニア新書7)』(1979年8月20日第1刷発行Ⓒ・1991年10月15日第20刷発行・定価583円)

*1:2022年4月23日追記】書影を貼付した。

*2:記事は未確認。確認してから上げようと思っていたが、後日確認し次第追記することにする。