瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

美内すずえ『ガラスの仮面』(42)

続き。

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・単行本第20巻134頁文庫版第12巻248頁)1コマめ、

女性たち:きゃーん
女性A:「んま――っ! あの子ったら真澄さまにあんなに接近して…!/いかにも親しげに!」
女性B:「子供でも容しゃしないわよ!」


 マヤが遠慮なしに速水真澄に話しかけるのを見て嫉妬して遠くで吠える女性たち、というお馴染みのコマだが、総ルビなんだから「容しゃ」は「容赦」にして欲しい。
・単行本第20巻140頁文庫版第12巻254頁)、マヤは卒業式に現れた聖唐人に、直接紫のバラのひとに高校生活の報告やお礼が言えない代わりとして、卒業証書やクラスの記念写真を渡すよう託す。そして単行本第20巻146頁文庫版第12巻260頁)1コマめ、速水真澄の手に渡った卒業証書が描かれるが、手書きで以下のように読める。読めないところは「×」とした。

卒業証書
  3学年5組
     北島マヤ
  昭和×年×月×日生
右の者は本校の課程
を卒業したことを×
××××××××
書を送る
  一九八一年三月十五日
  一ッ星学園 学校長
      ××××(印)


 このうち生年月日は、読めそうで読めない。年は2桁らしい。いくらなんでも昭和一桁の訳がないから、当たり前だが。
 さて、2011年11月1日付(15)で確か入学したての頃、1年D組かE組かを問題にしたのだが、今度はアルファベットではなく数字の5組になっている。
・単行本第20巻144頁文庫版第12巻258頁)1コマめ、卒業式の後で「女海賊ビアンカ」と「通り雨」という2つの一人舞台を成功させた思い出の体育倉庫を訪れたマヤを卒業生や在校生たちが拍手で見送りに集まったのを校舎の窓から眺めての、体育主任の丹波先生(顔は丹波哲郎に似せている)の台詞「北島マヤですよ/彼女のファンになった生徒達が芝居小屋がわりに使っていた体育館のまわりに集まって/彼女を送り出してるんですよ」の「体育館」はやはり「体育倉庫」とするべきだろう。
・単行本第20巻179頁3コマめは、11歳の亜弓さんと映画で共演した俳優の堀口武士が、当時のことを回想して語っている途中。

堀口:「ははあ スターの子供などがよくTVや映画に出演して話題をよぶことがある/人気女優の姫川歌子と姫川監督の娘なら話題に申し分ない/こんどもまたそんなものかと思ってたんだ」

の「などが」が文庫版第12巻258頁では「などや」になっている。これも、2011年12月31日付(37)の後半に一応の見当を示した、単行本での修正を見落とした例であろう。