瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

中島敦の文庫本(01)

・角川文庫294(1)
 まず、角川文庫から。

李陵・山月記・弟子・名人伝 (角川文庫)

李陵・山月記・弟子・名人伝 (角川文庫)

 なぜ角川文庫から始めるのかというと、父の書棚にあった旧版で読んだからである。
 現行の版まで「角川文庫294」という番号は一致しているが、途中で書名が変わっているし、収録作品も増えている。
①『李陵・弟子・名人傳』
 李陵(5〜49頁)弟子(50〜86頁)名人傳(87〜95頁)
②『李陵・弟子・名人伝
 李陵(5〜58頁)弟子(59〜101頁)名人伝(103〜113頁)
 山月記(115〜125頁)悟浄出世(127〜159頁)悟浄歎異(161〜181頁)
③『李陵・山月記 弟子・名人伝 
 李陵(5〜59頁)弟子(61〜103頁)名人伝(105〜115頁)
 山月記(117〜127頁)悟浄出世(129〜161頁)悟浄歎異(163〜184頁)

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 Amazon詳細ページの書影は、人気(たぶん)イラスト画家による表紙絵だが、私はこの恰好良いカバーの付いた本は手にしたことがない。クリックなか見!検索するとその前のカバーを見ることが出来る*1。昭和四十□年九月十日初版発行・平成□十年七月□十日改版五十九版発行*2・定価476円。カバー表紙折返し上部には学生帽の顔写真と7行(1行17字)の人物紹介、下部に「カバー/森村玲」、カバー裏表紙折返し上部には「角川文庫中島 敦の本/李陵 山月記 弟子 名人伝*3、カバー裏表紙左上にバーコード2つ、ISBNコードに定価、右上に14行(1行14字)の説明文。カバーの文字は全て横組み(背表紙はクリックなか見!検索には出ていない)。
 クリックなか見!検索との対照の都合から、まず現行の版から始める。
③『李陵・山月記 弟子・名人伝 
 と比較するに、書名が変更されている他、本文も組み直されている。しかし、それが何版でのことなのかが表示されていない。この角川文庫の困った特徴については『舞姫・うたかたの記』『遠野物語』を例に述べたことがある。
 私が借りている改版三十七版(昭和四十三年九月十日初版発行・平成元年六月十日改版三十七版発行)が森村玲の表紙絵で、中身はAmazonのクリックなか見!検索と同じである。の改版三十版が昭和61年(1986)5月に出ている(後述)から、それから平成元年(1989)までの間に改版されたことになる*4
 改版三十七版のカバー表紙折返しは「李陵・山月記」として17行(1行16字)の説明文がある。改版五十九版のカバーではこれが簡略化されてカバー裏表紙に配置されている訳である。説明文の下に雑誌「野性時代」の広告があり、一番下右寄りに「カバー 森村玲」とある。
 口絵はに同じ(後述)。カバー裏表紙折返しは下部左に小さく「カバー旭印刷」、右下に「KB」のマーク。カバー裏表紙は上部に「ISBN4-04-11-302-9 C0193 P350E 定価350円」とあり、定価の下にやや小さく「(本体340円)」と添えられている。カバーにある「李陵」には全て「りりょう」のルビがある。も同じ。(以下続稿)

*1:2017年7月18日追記】現在、Amazonの書影は森村氏の表紙になっており「恰好良いカバー」の書影は見当たらなくなっている。

*2:一部消去されている箇所を□で示した。【3月30日追記】この版を見た。「昭和四十三年」で「平成二十年七月二十日改版五十九版発行」である。

*3:ルビ「りりょう」。

*4:【4月7日追記】「昭和六十三年八月二十日改版三十五版発行」が既にこの版であった。但し奥付は「李陵・弟子・名人伝」のままになっている。定価340円で消費税はまだかかっていない。