瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

中島敦の文庫本(02)

・角川文庫294(2)
 今度はを紹介して、と比較しながら双方について記述するべきなのだけれども、少々ややこしいので、先にを紹介して置く。

  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

①『李陵・弟子・名人傳』(昭和二十七年二月二十五日初版發行・昭和三十六年十二月二十日十三版發行・定價五拾圓・105頁)
 發行者は角川源義、印刷者は中内あき子。
 表紙には硫酸紙をかけて下部には緑帯があったはずだが、なくなっている。2本線(0.1cm幅)が10本、1.1cm間隔で横に入る。2本めと3本めの間のみ3.5cm空いており、ここに横組みで「角川文庫/―294―/李陵・弟子・名人傳/中 島  敦」とある。
 2本線はいずれも左右に連続しておらず、真ん中に花があしらわれて途切れている。1〜2本めには椿、3〜5本めに百合、5〜6本めには牡丹(?)、7〜8本めには紫陽花、9本めには「角 川 書 店」の文字、10本めに菖蒲。裏表紙の中央部には縮小した紫陽花(表2.3×3.2cm→裏1.7×2.4cm)がある。この表紙の用紙には0.3cmの正方形の格子縞の透かし模様がある。
 背表紙は上部に「李陵・弟子・名人傳  中  島   敦」、下部に右を上に横転した横組み「294」の数字がある。
 なんでこんなものを持っているのかというと、実家にいた時分に父の書棚から引っ張り出して読み、そのまま持って来てしまったのである。父は「中島敦は文章が下手だ」と言っていた。
 扉には9.8×6.3cmの双辺の匡郭があり、横組みで、上部に「李陵・弟子・名人傳/中  島   敦」、下部に「角川文庫/294」その上に鳳凰のマークがある。裏は白紙、その次の「目次」から頁付がある(3頁)。標題になっている3作品しか収録していない。そして97〜105頁、武田泰淳中島敦の狼疾について」。
 本文は本字(旧漢字)歴史的仮名遣い、1頁18行、1行43字。
 105頁の裏は白紙で、次に奥付。奥付の裏は10.2×7.0cmの双辺の匡郭内に角川源義「角川文庫發刊に際して」。最後に4頁分(頁付なし)の「角川文庫目録 現代日本文学(緑帯)」がある。