瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目伸六『父夏目漱石』(01)

 いくつかの版があって、書名も内容も違う。
『父夏目漱石*1昭和三十一年十一月二十日發行・定價二五〇圓・文藝春秋新社・258頁。
『父 夏目漱石(角川文庫2080)』昭和三十六年七月三十日初版発行・昭和四十三年六月三十日十版発行・定価百弐拾円・角川書店・280頁。
『父・夏目漱石ポケット文春533)』1964年1月20日初版発行・定価270円・文藝春秋新社・289頁。
『父・夏目漱石(文春文庫)』1991年7月10日第1刷・定価408円・文藝春秋・318頁。
埼玉福祉会の大活字本(未見)
 著者は夏目漱石の次男夏目伸六(1908.12.17〜1975.2.11)。著者の生前に出た最後の版はである。今、図書館でたまに見かけるのはである。これも現在、増刷されていない。

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④文春文庫
 1991年7月10日第1刷と1992年2月25日第2刷とを見たが、奥付の裏「文春文庫 最新刊」の書目が違うだけで、カバー等も同じである。
 底本については、中扉裏(6頁、頁付なし)に次のようにある。

編集部註・テキストは一九六四年一月二〇日発行の文藝春秋新社刊/のポケット文春533を用い、若干漢字をかなに、また適切でない/表現を編集部の責任で改めた。本文中の註については文藝春秋資料/室の郡司勝義が担当した。


 私は平成20年(2008)2月に、都内を自転車で移動中、上京当時住んでいた辺りを再訪して、当時行きつけだった図書館に立ち寄り、書棚にあったポケット文春版を偶々手にして、まだ使用可能だった貸出券で借り出して読んだのが最初である。文春文庫版は現住地の近所の図書館に所蔵しているのだが、「適切でない表現を……改めた」とあるのが引っかかって、出来れば早い版で読んで見たかったのである。(以下続稿)

*1:書名は奥付と中扉による。扉には「父・夏目漱石」とある。私の見た本は改装のため表紙にあった文字は不明。