瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(05)

・角川文庫79(2)
改版八十五版(173頁)定価280円
 昭和三十年一月三十日初版発行・昭和四十一年四月三十日五十一版発行・平成十年五月三十日改版八十五版発行。
 本体は奥付が若干違うくらいで改版六十六版に同じ。
 カバー表紙、文字は全て縦組みで右上に大きく表題、赤黒色で右上が濃く左下が明るいグラデーション。中央やや左寄りに喪章を付けた写真。左の中央に楷書体の太字で著者名、左下隅に赤黒色で小さく「角川文庫」。カバー表紙折返しにはカバー表紙の写真と同じものを範囲を変えて掲載し、その下に「夏目漱石(なつめ そうせき)」の紹介文、12行、1行17字。
 レイアウトの参考までに『行人』の書影を示して置く。Amazon詳細ページにも「角川書店; 改版 (1934/07)」とあるのだが、角川書店の創業が昭和20年(1945)だから昭和9年(1934)改版はあり得ない。単純に入力ミスなのだろうが。

行人 (角川文庫)

行人 (角川文庫)

 カバー背表紙は桜色地、上部に小さく「QRコード|な|1-2|Y280|」とあってゴシック体で著者名、周囲を赤紫色ので囲まれた赤紫色のの下に明朝体の太字で標題、株やや小さいゴシック体で「角川文庫」とあり、最下部に赤紫色の|■
 カバー裏表紙は白地で左上にバーコード2つ、右上に「ISBN4-04-100103-X/C0193 \280E/定価:本体280円(税別)」、中央やや下にゴシック体縦組11行、1行14行の紹介文があるがこれは改版六十六版のカバー表紙折返しにあったものと同文。
カバー裏表紙折返しの上半分は「角川文庫夏目漱石の本―――――――――」、●は○で囲われている。縦組み、上下2段組で14点、『三四郎』九十八版の15点と比較するに「坑夫」が欠けている。『道草』以下の4点が下段。左下隅に横組みで小さく「カバー 暁印刷」、右下隅にKBマーク。
 奥付の改版六十六版との違いは、発行者が兄から弟に代わっていること、郵便番号と振替番号が1行に記されていたのが、郵便番号が7桁に、振替番号も変わって2行に記されていること、匡郭の下辺の外左寄りに「な 1-2」とあったのが「CL な 1-2」に変わっていること。
2014年12月2日追記】改版八十七版(昭和三十年一月三十日初版発行・昭和四十一年四月三十日五十一版発行・平成十一年五月十日改版八十七版発行・定価280円・173頁)を見た。カバーはここにメモした改版八十五版に一致する。本体を改版六十六版と比較するに、扉と奥付の鳳凰が羽を銜え翼と脚を拡げたものから翼を拡げ脚を揃えたものに変わっていること、奥付の異同はそれぞれの発行日・発行者の他、電話番号の市外局番(〇三)の次が「三八一七」から「三二三八」に、郵便番号・振替番号は恐らく改版八十五版に同じ、「製本所――」が「千曲堂」から「本間製本」に、「落丁・乱丁本」の送り先が「小社通信販売課宛にお送り/」から「小社営業部サービスセンターに/お送り」になっていること。匡郭下辺の外左寄りの「な 1-2」は同じ。ともに目録はなく「角川文庫発刊に際して」。