瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

角川文庫の『竹取物語』(04)

・角川文庫6817(3)
 カバー表紙折返しの下部は「月刊カドカワ」の広告、その下のカバー写真のキャプションは3月31日付(02)で言及した。背表紙は3月30日付(01)に紹介した中河與一訳注の角川文庫808の四十六版と同じレイアウトで、上部に標題、中央に「星 新一訳」、下部に「角川文庫  三〇三15300」とある。
 カバー裏表紙折返し、上部に「角川文庫星 新一作品集」として、15点が挙がり最後はもちろん「竹取物語」。左下隅に小さく「カバー 旭印刷」、右下隅にKBマーク。カバー裏表紙、上部に「ISBN4-04-130315-X C0193 \300E 定価300円」とあるのみ。
 1頁(頁付なし)扉、3頁「目次」、4頁(頁付なし)中央下部に「本文イラストレーション 和田 誠」、5頁(頁付なし)中扉「竹取物語(口語訳)」と中央上部に、中央下部に「星 新一訳」。7〜131頁が口語訳。1頁15行、1行39字。全体を9章に分けるのは中河氏の角川文庫808に同じ。和田氏の挿絵は9・11・13・21・31・47・63・73・75上・89・101・113・129頁の13図で75頁のみ上半分、他は全頁。11頁「籠・笊・篩・笠・笙・篠笛・簪・簾・篳篥*1」と75頁「輿*2」は当時の器物を示すが、他は物語の内容に即したものとなっている。132〜136頁「あとがき」。
 137〜144頁「解説」は現代語訳を試みての感想で、参考にした本の紹介はまず、

 最も参考になったのは、吉行淳之介訳『好色一代男』(中央公論社)で、訳文とは別/に書かれた「訳者覚書」の部分は読んで面白く、まさに同感だった。

と別の作品の現代語訳を挙げている(140頁1〜2行め)*3。さらに『竹取物語』の現代語訳を5種挙げる。まず、

  中河與一訳注『竹取物語』角川文庫
 昭和三十一年初版。私には読みやすかったが、旧字旧かなで、若い人にはどうだろう。/それなりの感情が伝わってくるけど。


 それから新潮日本古典集成。次に、

  川端康成訳『竹取物語』日本の古典 河出書房新社
 昭和四十六年刊。これは川端訳というより、監修というべきだろう。若い人の文らし/く、そのかわり自由な調子がある。

 これは3月30日付(01)に貼った新潮文庫版の元版だろう。しかしAmazonの書影の帯に「ノーベル賞作家の現代語訳で味わう美しい日本最古の物語。」と謳っていたから、別の川端訳かも知れない。……んな訳ないか。それからポプラ社の古典文学全集と角川書店の三谷栄一編『竹取物語・宇津保物語(鑑賞日本古典文学)』を挙げ、

 右の五冊、それぞれ感心させられる個所が多かった。ほかにも現代語訳のあることは/知っていたが、あまり手をひろげなかった。

とまとめている(142頁1〜2行め)。探せばもっとあったろう。
 ついで145頁(頁付なし)中扉「竹取物語(原文)」下部に「三谷栄一校訂/ 武田友宏脚注」。これは『鑑賞日本古典文学』から採ったものだろうか。147〜190頁、章分けは中河氏に同じ、というか田中大秀『竹取翁物語解』に同じ。原文1頁16行、1行31字。脚注1頁26行、1行10字。
 奥付、裏が「角川文庫発刊に際して」、3段組の「角川文庫目録 現代日本文学(緑帯)1987年1月」(29)頁〜(34)頁の6頁、それから「角川文庫 最新刊」(49)頁(50)頁、1頁に10点ずつ。

*1:振仮名「ふるい・しょう・かんざし・すだれ・ひちりき」。

*2:振仮名「こし」。

*3:この『好色一代男』の吉行淳之介訳については、思い出もあるので別に書くことにしたい。