瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『硝子戸の中』の文庫本(05)

 これまでに取り上げた岩波文庫*1新潮文庫*2が「硝子戸の中」のみで1冊にしているのに対し、他の文庫では作品と抱き合わせたり、或いは抄録したりしている。前者の例としては宝島社文庫*3を取り上げた。今回取り上げる角川文庫も他の作品と抱き合わせている。
・角川文庫720(1)
 昭和二十九年六月十日初版発行・昭和四十三年一月二十五日二十五版発行・昭和六十三年五月三十日改版十九版発行・定価300円・318頁。
 昭和43年(1968)の「二十五版」の日付が入っている理由は、これまでも角川文庫についてたびたび触れているように、たぶん改版前の最後の増刷の日付なのだと思うのだけれども、よく分からない。それなら改版の日付を挙げるべきだと思うのだ。
 カバー表紙折返し、上部に横組みで「硝子戸の中」の紹介文10行、1行16字、前半は「思い出す事など」、後半が「硝子戸の中」について。下部に「月刊カドカワ」の広告、最下部右に「カバー わたせせいぞう」。カバー表紙の絵は、日当たりの良い縁側の下で洋(?)犬が昼寝をしている、硝子障子を開け放って、硝子障子の際の1畳に横になった紺の縞模様の和服の青年が座布団に肘をついて横になっている図柄で、奥に重そうな座敷机が見え、日光は部屋の奥、縦に2畳分の奥行きの1畳半余まで差し入っている。カバー背表紙は水色地で上部に標題、中央に著者名、下部に「角川文庫 緑 一  ―19 ― 300」とある。背表紙は白で上部に「ISBN4-04-100119-6 C0193 \300E 定価300円」。裏表紙折返しには「角川文庫夏目漱石作品集」の目録「吾輩は猫である坊っちゃん草枕二百十日虞美人草/坑夫/三四郎/それから/門/彼岸過迄こゝろ/道草/明暗/文鳥夢十夜・永日小品/硝子戸の中」左下に小さく「カバー 暁美術印刷」右下にKBマーク。
 1頁(頁付なし)が扉、3〜4頁が「目次」、5頁から本文で中扉はない。1頁17行、1行42字。(以下続稿)