瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『明暗』の文庫本(2)

ちくま文庫(2)
 第一刷の帯は幅4.5cm、上部0.3cmのみ白く、他は茶色地。表紙側の中央に白の斜線「/」があり、その左にブロンズ細工のような文字で「今月の/新刊」とあり、右に「エゴにとらわれた醜悪/な人間の百鬼夜行/遺作『明暗』を収録。」その下に小さく「ちくま文庫 定価780円」とある。帯の背表紙には縦組みで、まず白抜きのちくま文庫の月のマーク「ちくま文庫」の文字、そして定価「780」が入る。文字が縦なのは背表紙のみ。帯の裏表紙は上部中央に「今月の新刊」とあり、左右に4冊ずつ合計8冊が並ぶ。左には上から『宇宙船とカヌー』『山を愉しむ』『河童の三平(全)』『千一夜物語4』、右に『ファーブルの生涯』『広島第二県女二年西組』『悪魔くん千年王国(全)』そして本書である。……上から1段ずつ紹介すれば良かった。その下は地色を抜いてISBNコードやCコードや定価を入れている。帯に隠れているカバー裏表紙の下部にもこれら定価等の記載があるものと思う。
 それで、帯の「今月の新刊」の本書であるが、

夏目漱石全集8     明暗
             定価780円

となっていて『夏目漱石全集9 明暗』に「夏目漱石全集8 明暗」となっている帯がかけられているのである。……印刷ミスのある紙幣や切手がレア物になっているように、この帯もレア帯ということになるのだろうか*1。このレアさ加減に気付いたから、図書館員も普通捨ててしまう帯を保存すべく、帯ごとブックコートフィルムをかけた、なんてことはないか。
 帯の表紙折返しは切除されているが、裏表紙折返しは保存されていて、左下に小さく「ちくま文庫夏目漱石全集9」とある。やはり帯の裏表紙「今月の新刊」だけがおかしい。
 さて、この『夏目漱石全集9』は648頁、定価780円。奥付には縦組みで下部に「一九八八年六月二十八日 第一刷発行」*2など16行、上部に月のマーク。『明暗』の方は「二〇〇九年六月十日第一刷発行」など18行、上部に太陽のマーク。こちらは633頁で定価900円。(以下続稿)

*1:普通のレア物は、大半は正常に出来ているのに極稀に異常になっているのがレアなので、この帯のように全て「8」になっているであろう物はレアでも何でもないと気付いた。

*2:9月23日追記】当初「一九九八年」と打ち間違えていたのを、一応原本を確認した上で修正した。