瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

森鴎外『舞姫』の文庫本(5)

 いろいろ書いたが、もっと酷い目に遭っている人もいると思う。けれども、学界にいることで、見て見ぬふり、つまり黙認をする、ということで共犯のような按配になってしまうので、それはそれで仕方がない。

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ちくま文庫(1)
 ちくま文庫筑摩書房)には都合3種類の「舞姫」があるが、まずは単独で出ているものを取り上げてみる。

現代語訳 舞姫 (ちくま文庫)

現代語訳 舞姫 (ちくま文庫)

・二〇〇六年三月十日第一刷発行(206頁*1)定価580円
・二〇〇九年七月二十五日第六刷発行 定価580円*2
・二〇一〇年十一月五日第七刷発行 定価580円
・二〇一一年十一月五日第九刷発行 定価580円*3
・二〇一二年九月二十五日第十刷発行 定価580円*4
・二〇一六年五月二十五日第十四刷発行 定価580円*5
 カバーは第一刷と第七刷で殆ど同じで、違いは裏表紙折返しの「ちくま文庫から」が第一刷では全集を中心に19点だったのが、『舞姫』とは関係のなさそうなChina文学関係の9点に変わっているくらいである。
 奥付には「著 者 森鴎外(もり・おうがい)訳 者 井上靖(いのうえ・やすし)監 修 山崎一(やまざき・かずひで)」とカバー表紙・背表紙・扉にない監修者の名が示されている。カバー表紙折返しにはまず森鴎外が顔写真付で名前込みで9行、井上氏が4行、山崎氏が8行、紹介されている。山崎氏は平成20年(2008)に跡見女子大学を定年退職して名誉教授になっているが、第七刷のカバーでも肩書きが跡見女子大学教授のままになっている。例によって、それ以前の増刷の際に作られたカバーなのだろうか。(以下続稿)

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 仕事が連日きつかったということもあるが、その上にいろいろと思い出して、今日は萎びた青菜のようになっていた。久しぶりに昼寝をした。梅の実、三つ葉の白い花、枯れ草の間の団子虫。そんなものを眺めて、息抜きをした。次々と襲って来る藪蚊を殺し、梅の木に止まったり離れたりを繰り返す足長蜂に身を屈めた。植込みの中を、蟇蛙が歩く音だけ聞こえた。

*1:2019年2月2日追加】「260頁」と誤っていたのを訂正した。

*2:2019年2月8日追加。

*3:2016年10月26日追加。

*4:2017年6月30日追加。

*5:2019年2月2日追加。