瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

角川文庫の『竹取物語』(06)

 昨日の朝、蟇蛙が三つ葉の根本にいたのを見たことを書き忘れていた。日曜は昼だったから、日差しを避けて植込みをのそのそごそごそしていたので、まだ日の差さない朝はそこらを歩き回っているのである。

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・角川文庫11912(2)
 125頁(頁付なし)中扉「解 説(付 参考文献・索引)、127〜157頁が解説の本文、1頁15行、1行40字は「現代語訳」に同じ組み方。158〜192頁「参考文献」は158〜188頁「一 関係資料」と189〜192頁「二 研究文献目録抄」に分かれる。後者は2段組、1段21行。193〜205頁が索引で193頁が[和歌各句索引]、194〜205頁[重要語彙索引]、匡郭内に4段組。
 「関係資料」は1頁17行、1行40字で「補注」と同じ組み方。冒頭158頁に以下のような前書きがある*1

 竹取物語の成立や後世への影響などを総合的に捉*2えようとするための、必要最小限の資/料として、上代から鎌倉時代に至る諸文献を、一般に通読しやすい表記に整えて掲げた。


 以下、原文を引いてその末尾の( )に出典や巻・章段名。ついで1行空けてから2字下げ(1行38字)でその解説と出典の解説・底本について付記している。紹介されているものは、奈具社*3丹後国風土記逸文)、伊香小江*4(帝王編年記・養老七年)、万葉集、富士山の記 都良香(本朝文粋巻十二)、古今和歌集序、大和物語(七十七段)、うつほ物語(内侍の督)、源氏物語(蓬生)(絵合)(玉鬘)(手習)、栄花物語(楚王の夢)、浜松中納言物語(巻四)、夜の寝覚(巻一)、狭衣物語(巻一)(巻三)、大鏡太政大臣実頼伝)、今昔物語集 竹取の翁、見つけし女の児を養へる語*5(巻三十一・巻三十三)、袖中抄(巻十六)、海道記、風葉和歌集(巻八・離別)(巻十八・雑三)、古今和歌集序聞書三流抄、古今和歌集大江広貞注、曾我物語(巻第七)で、『日本古典文学大系』(岩波書店)『日本古典文学全集』(小学館)その他を底本とする。
 このうち『今昔物語集』の引用の末、179頁14行めに(巻三十一・巻三十三)とあるが、次の行の解題に「『今昔物語集』は、わが国最大の説話集。三十一巻(うち巻八・十八・二十一は欠)。…」とあることからも直ちに察せられるように、巻三十三は最初から存在しない。
 このような誤りが散見されるところからして、読んでみればいろいろ見つかるかも知れないが、今はメモとして目に付いたところを控えて置くまでにする。
 「研究文献目録抄」は「本文(影印・複製・翻刻」として9点、「校異・索引」として6点、「注釈書」として31点を挙げる。前2者は戦前のものから挙げ、底本や内容について簡単な注記がある。「注釈書」のみ「天明4」年(1784)のものから挙げており、説明はない。最新は「平成11」年(1999)。角川文庫で先行する、中河氏や星氏の本は挙がっていない。
 索引の最後の頁の裏は白紙で、その次に奥付*6、その裏が「角川文庫発刊に際して」。目録類は付いていない。

*1:2017年7月4日追記】引用の末尾に「/とにした。」と余計な文字があったのを削除した。また、引用に続けて「最後(158頁5行め)の「とにした。」は原文のママ。」としてあるが、今、記事を書くために参照した図書館の初版を見るに、原文もそのようになっていないので削除した。

*2:ルビ「とら」。

*3:ルビ「なぐのやしろ」。

*4:ルビ「いかごのをうみ」。

*5:ルビ「ちご・こと」。

*6:2017年7月4日追記】再版との異同は、発行日が2行になっていること、「発行者――角川歴彦」が「福田峰夫」に、匡郭下辺の下、左の「角川ソフィア文庫 268」が「角川ソフィア文庫 42」に変わっていること。この番号の変更は「新版」発行時に「268」を当てたが、その後、絶版にした旧版(中河與一訳注)の番号「42」に当てたものであろう。