瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

太宰治『人間失格』の文庫本(03)

 5月31日付(02)の続きで、角川文庫28(改版五十四版)と角川文庫7501の『人間失格・桜桃』とを比較する。

・角川文庫(3)
 5頁「人間失格」中扉はなくいきなり本文。1頁18行、1行42字。127頁まで。ここは角川文庫28(改版五十四版)5〜127頁と一致している。128〜136頁「桜桃」も角川文庫28(改版五十四版)215〜223頁に一致。
 137〜138頁「注釈」は角川文庫28(改版五十四版)では224〜229頁、2頁めの11行めまでの「人間失格」は一致、229頁に3行あった「桜桃」の注は残りの余白に収まって、6頁が2頁に減っている。
 「解説」のうち檀一雄太宰治――人と作品」は角川文庫28(改版五十四版)230〜238頁がそのまま139〜147頁に、「作品解説」は角川文庫28(改版五十四版)から「竹青」「苦悩の年鑑」「トカトントン」「ヴィヨンの妻」の4作品を抜いたために、角川文庫28(改版五十四版)239〜245頁の磯田光一(1931.1.18〜1987.2.5)のものはそのまま使い回せなくなっており、磯田氏もこの改版の2年前に急逝したために角川文庫7501では148〜154頁、鳥居邦朗のものに代わっている。続いて角川文庫28(改版五十四版)にあった河盛好蔵「滅亡の民」及び「主要参考文献」は再録されていない。
 角川文庫28(改版五十四版)258〜266頁「年譜」は角川文庫7501でも155〜163頁にそのまま残っている。角川文庫28(改版五十四版)267頁の略伝は角川文庫7501にはない。それぞれ奥付の前が白紙。
 奥付は一見同じレイアウトに見えるが細かいところが違う。匡郭の下辺の下、右側にISBNコードとCコードがあるのは同じ、左側に角川文庫7501には「た 1-5」とある。また匡郭の下辺の内側、ISBNコードの上に角川文庫7501では「ⒸPrinted in Japan」とあるが、角川文庫28(改版五十四版)では縦組みの最後の行に「Printed in Japan」と横転して入っていた。角川文庫7501の同じ位置には「定価はカバーに表示してあります。」とあり、その前は1行空白で「本書の無断複写・複製・転載を禁じます。/落丁・乱丁はご面倒でも小社角川ブック・サービス宛に/お送りください。送料小社負担でお取り替えいたします。」とある。角川文庫7501のこの辺りの文字はいずれも縦幅が詰まっている。角川文庫28(改版五十四版)では同じ位置にゆったりした組み方で「落丁・乱丁はお取り替えいたします。/定価はカバーに表示してあります。」とあった。他には「製本所――大谷製本」が「本間製本」に、また「〒一〇二 振替東京③一九五二〇八」が「〒一〇二 振替〇〇一三〇−九−一九五二〇八」に代わっている。(以下続稿)