瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

太宰治『人間失格』の文庫本(05)

 口笛を聞いてふと「口笛 吹ーいてー 空き地へ 行ーったー」という歌詞を思い出した。それから「口笛 吹ーいてー 空き地で 死ーんだー 知らない 子ーはもういないー みんな仲間だ仲良しなんだー」という寒い替え歌を歌っていたことを思い出した。

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・角川文庫(5)
 6月2日付(04)の続き。
 角川文庫14732は、当初『人間失格・桜桃』という題だったが、途中で『人間失格』だけになった。定価286円(税別)。
【改版初版】平成元年四月十日初版発行/平成十九年六月二十五日改版初版発行
【改版五版】平成元年四月十日初版発行/平成十九年六月二十五日改版初版発行/平成二十年八月三十日改版五版発行
【改版十四版】平成元年四月十日初版発行/平成十九年六月二十五日改版初版発行/平成二十一年十二月二十日改版十四版発行
 以上が私の見たものである*1。平成元年初版というのは角川文庫7501『人間失格・桜桃』で、内容は同じだから確かに「改版」なのだが、番号が違っているので少々違和感がある。ただの「改版」なら番号を変える必要はなかったのではないか。
 カバー背表紙は水色地で文字は標題以外はゴシック体、【改版初版】は最上部に「QRコード|た|1-5|Y286|」とあってQRコードのところだけ白地。【改版五版】と【改版十四版】は「た 1-5」とある。次いで太字で著者名、これは【改版五版】と【改版十四版】は同じ文字。次に周囲を青色ので囲まれた青のの下に【改版初版】と【改版五版】は明朝体の太字で「人間失格・桜桃」の標題、そのすぐ下に小さいゴシック体で「新装版」とある。角川文庫7501の「改版」であり「新装版」という位置づけなのである。この標題が【改版十四版】では「人間失格」になっている。下部にやや小さいゴシック体で「角川文庫」とあり、最下部に青の|■とあるのは【改版初版】以来変わらない。
 カバー裏表紙はISBNコードが13桁になっているところも含め各版同じだが、右上の横組み14行、1行14字の紹介文のうち【改版初版】【改版五版】の「自己の生涯を壮絶な作品に昇華させた」が【改版十四版】では「自己の生涯を極限まで作品に昇華させた」と改められている。
 カバー裏表紙折返し、「角川文庫|太宰 治の本||」として【改版初版】では「晩年/女生徒/走れメロス/斜陽/人間失格・桜桃/グッド・バイ/ろまん燈籠/津軽/愛と苦悩の手紙」が挙がる。【改版五版】も同じだが「走れメロス」と「人間失格・桜桃」の右に「新装版」と付記している。【改版十四版】は「晩年/女生徒/走れメロス/斜陽/人間失格ヴィヨンの妻/ろまん燈籠/津軽/もの思う葦/愛と苦悩の手紙」となっている。右下隅にKBマークがあるのは各版共通、【改版初版】にのみ最下部やや左に「カバー 泉文社 R」(Rは◇の中にある)とある。(以下続稿)

*1:7月18日追記】その後、【改版十版】を見た。「平成二十一年十月十日改版十版発行」とある。カバーは【改版十四版】と全く同じ。内容については、これから以下の記事に注記して行く予定。【2016年8月7日追記】【改版三版】を見た。「平成二十年五月十五日 改版三版発行」とある。カバーは【改版五版】に同じ。【2020年9月29日追記】本体もほぼ同じで異同は奥付のそれぞれの発行日と、改版三版「製本所―BBC」改版五版「製本所―本間製本」の2箇所。