瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

谷崎潤一郎『犯罪小説集』(2)

集英社文庫(2)
 6月3日付(1)の続きで、平成3年(1991)版と平成19年(2007)版の比較。
 1頁(頁付なし)の扉はレイアウトが違う。前者は角切の単郭で、上部にゴシック体で「集英社文庫」そして大きな明朝体で「谷崎潤一郎 犯罪小説集」、その下に著者名。下部に「S」を図案化したマークに「集英社版」。後者は三重線の匡郭、上部に「谷崎潤一郎犯罪小説集」その下に細いゴシック体で著者名、下部に将棋の駒にSを組み合わせたマークに「集英社文庫」の文字。
 扉の裏、前者は白紙、後者には

本書は中央公論社版『谷崎潤一郎全集』を底本とし、表記に関しては、/現代かなづかいに変えるなど、読みやすさを考えて適宜改めました。

とある。前者には表記のことは特に断っていないが、底本については199頁(頁付なし)下部に「本書は中央公論社版「谷崎潤一郎/全集」を底本として使用しました。」とある。ちなみに前者の方が振仮名が多い。3頁(頁付なし)「目次」組み直されているが頁数以外は同じ。
 5頁(頁付なし)、前者は1作めの扉で「柳湯の事件*1」だが後者ではこれは7頁(頁付なし)にあり、後者は中扉で「谷崎潤一郎犯罪小説集」とある。
 各作品ごとに扉(頁付なし)があって、その扉の裏から、初め2行空けて本文が始まるのは共通。
 5〜36頁・7〜40頁「柳湯の事件」37〜66頁・41〜72頁「途上」67〜90頁・73〜97頁「私」91〜198頁・99〜213頁「白昼鬼語」。
 ともに1頁16行、前者は1行40字、後者は1行37字。
 渡部直己「解説――「犯罪」としての話法」200〜206頁・214〜221頁。
 前者は次に「集英社文庫 目録(日本文学)がある。単郭、3段組、1段16点、50音順で田中光二から田村京子まで。本書は3段めの15点めに見える*2。その裏が奥付。
 後者は221頁の次、中央に小さく「本書は一九九一年八月、集英社文庫として刊行されたものを再編集いたしました。」とある。その次の頁に〈読者の皆様へ〉として「気違い」や「狂人」などの差別語や差別表現についての断り書、末尾に(編集部)とある。その裏が奥付。目録の類はない。

*1:ルビ「やなぎゆ」。

*2:2013年5月24日追記】第3刷は田中光二から田村隆一まで。本書は3段めの11点めに見える。