7月22日付(08)の新潮文庫261(08)の作業を、始めたからには終わりまで続けようとは思っているのだが、先が見えてしまうとやる気の失せるもので、しばらく角川文庫を見ることにする。
・角川文庫26(1)
- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1950/08
- メディア: 文庫
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私はまだ望月氏のカバーのものは見ていない。なか見!検索で望月氏のカバーのものを閲覧出来るが、部分的に文字を消していて、奥付は「平成二十年七月十五日 一九版発行」と読めるが「百十九版」なのではないかと思う。
ここでは、その前のものについて、記述して置く。
『斜陽』昭和二十五年八月十五日初版発行・平成六年六月十五日百十二版発行・定価301円・190頁。*1
カバー表紙は切り絵風の静物画で、カバー折返し「カバー 安西水丸」とある。表紙の下部9.0cmが黒地でその上に皿らしき◆があり、若干上部5.9cmの白地の部分にはみ出している。皿の上には2箇の石榴らしき果実。上部に横組みで「斜陽/太宰治」、白地の部分の右下に小さく「角川文庫」とある。今、安西氏のカバーの角川文庫1143『走れメロス』が手許にあるが、同じようなレイアウトになっている。
カバー背表紙、上部「CLた|1-4 斜陽」中央やや下「太宰 治 た|1-4 310」そのすぐ下が■色地に白抜きゴシック体で「角川文庫クラシックス」とある。カバー裏表紙は左上にバーコード2つ、右上の1行めにISBNコード、2行めにCコードに「P310E 定価310円」定価の下に小さく(本体301円)、中央に縦組み10行(1行14字)で紹介文。カバー表紙折返し、カバー裏表紙折返しは角川文庫1143『走れメロス』改版四十七版と一致する。カバー表紙折返しには右上に頬杖を突いた顔写真、その下に「●太宰治(だざい おさむ)」と題して、以下縦組み13行(1行17字)の紹介文、右下に横組み「カバー 安西水丸」。裏表紙折返し、横組みで上部に「角川文庫クラシックス/太宰 治作品集」として「晩年/女生徒/ろまん燈籠/走れメロス/斜陽/人間失格・桜桃」左下に小さく「カバー 旭印刷」右下にKBマーク*2。
1頁(頁付なし)扉、3〜177頁本文、1頁17行、1行42字。178〜190頁「太宰治昇天」で末尾に「昭和二十三年六月/石川淳」とある。「新潮」第45巻第7号に絶筆の「如是我聞」とともに掲載された追悼文で、「斜陽」の解説にはなっていない。いや、別に「斜陽」の解説とはどこにも書いていないが。従って書誌的な解題や「斜陽」の背景などについての解説は全くない。次が奥付でその裏が角川源義「角川文庫発刊に際して」。目録類はない。
ところで安西氏以前のカバーであるが、Amazon詳細ページがあって書影も表示出来るので示しておく。
- 作者: 太宰治
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- 発売日: 1950
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それから、鉄仮面もどきのブログ「古本城」の2011-12-26「【備忘】図書館用角川文庫 太宰治『斜陽』」に、奥付に「図書館文庫/非売品」とある、「昭和四十二年三月三十日 発行」の角川文庫が紹介されている。表紙・扉・最後の頁と奥付・表紙背表紙裏表紙の写真が示されている。内容は同じらしいが頁数は示されていない。ただ、最後の頁は、百十二版の190頁が「 ――われ、山にむかいて、目を挙ぐ。//昭和二十三年六月/石 川 淳」の3行しかないのに対し、こちらはその前に4行はある。新字で現代仮名遣いであり、それ以前には本字・歴史的仮名遣いだったはずで、「百十二版」などと一見、全く改版していないかのような表示をしながら、少なくとも①本字・歴史的仮名遣い→②新字・現代仮名遣い(活版)→③新字・現代仮名遣い(写真植字)の3つの版が存在するようだ。なお、鉄仮面もどき氏が紹介する本は、扉には「角川文庫/26」とあるが、背表紙(下部)には「角川文庫 71」とある。背表紙の番号は「図書館文庫」としての番号なのだろうか。(以下続稿)
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夕方、庭に出たら、キャベツの芯を水に浸けて育てている植木鉢の受け皿で、蝸牛が交尾していた。近付いたら止めたが、少し離れてまた見たら、またやっていた。
*1:【10月15日追記】百十三版(昭和二十五年八月十五日初版発行・平成七年五月三十日百十三版発行・定価301円・190頁)を見た。百十二版と並べて比較していないが、ここにメモした箇所を比較した限りではカバーや本体は発行日を除いて一致しているようである。
*2:【2014年4月8日追記】百十二版でカバーの異なるものを見た。カバー表紙・表紙折返し・裏表紙は一致。異同はカバー裏表紙折返しの上部が「角川文庫/太宰 治作品集」となっていること、カバー背表紙は全く異なり、最上部「た|1-4」とゴシック体で、すぐ下に秀英初号明朝で標題、中央やや下に同じ字体で「太宰 治」、下部にゴシック体で「角川文庫●310」●に白抜き「P」とある。