瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

正岡子規『病牀六尺』の文庫本(2)

岩波文庫31-013-2(2)
 奥付の裏「読書子に寄す」は一致。続いて目録類、第31刷「'87.7.現在在庫 B-1(〜3、A-1〜3、C-1〜3、D-1〜2」11頁、「岩波文庫の最新刊」が「1988. 3.」の1頁。第38刷「'93.1.現在在庫 B-1(〜4、A-1〜3、C-1〜3」10頁、「岩波文庫の最新刊」が「1992. 12.」「1993.1.」の2頁。第41刷「'94.1.現在在庫 B-1(〜4、A-1〜3、C-1〜3)」10頁、「岩波文庫の最新刊」が「1994.5.」と「1994.6.」の2頁。第57刷「'03,8.現在在庫 B-1(〜5、A-1〜4、G-1)」10頁、「岩波文庫の最新刊」が「2004.6.」と「2004.7.」の2頁*1
 奥付の前の〔編集付記〕には以下のようにある。

一、本文庫の底本には、岩波文庫旧版(昭和二年七月刊)を用い、子規自身の若干の加筆のある/
 「切抜帖」(国立国会図書館所蔵)を参照した。なお、改版にあたり追補した「病牀六尺未定稿」/
 は、初出の『子規全集』第十四巻(アルス、大正十五年八月刊)を底本とした。


 この同じ頁の左に「岩波文庫(緑帯)の表記について」があり、末尾に(岩波文庫編集部)。
 確かに創刊書目復刻を見るに、現行版186〜187頁にある「「病牀六尺」未定稿」は収録されていない。現行版189〜193頁の上田三四二「解説」に当たるような文章もない。
 以下、両者を比較してみよう。まず1頁(頁付なし)扉、次に現行版では3頁(頁付なし)目次があるが、創刊書目復刻は余計なものを加えていないから目次もない。「病牀六尺」と子規の自筆墨書の中扉(頁付なし)は創刊書目復刻は3頁、現行版は5頁。創刊書目復刻は5〜191頁本文、1頁15行、1行43字。傍点は三種類(●○)附されているが振仮名はない。現行版は本文7〜185頁、1頁15行、1行42字。後者の方が字詰が少ないのに頁数が減っているのは、ゴシック体の章番号の前後、前者は1行づつ空白にしているのに対し、後者は半行づつになっているからで、全部で「百二十七」章だから127行分減った勘定になる*2
 なお、各章の最後に「日本」掲載の日付が載るが、現行版は(六月七日)のように月日を、最後の行の下部に、その下に2字の余裕を以て記すが、創刊書目復刻では、文の最後に余裕があっても、次の行の下部に、下に5字分の余裕を以て、その月の初めのみ(五月五日)(六月一日)と月日を記載、以下は(六日)(二日)と云った按配で日のみ、従って月の初めまで戻って確認しないといけなかったのを改善している。そしてこの日付で(現行版でも文字が下まで詰まっている場合は次の行に送っているが、それでも)108行は減っている。尤も、創刊書目復刻では奇数頁の最後に章番号だけが来る場合があるが、現行版では2行空白があっても詰めずに偶数頁の初めに章番号を配置しているので、その分の、新たなロスはある。
 創刊書目復刻では191頁の裏は白紙、次いで奥付、以下は既に7月30日付に述べた幸田露伴五重塔岩波文庫59)』と同じで、その裏が岩波書店「讀書子に寄す/岩波文庫發刊に際して」見開き、次の頁が「岩 波 文 庫」の説明、最後の4頁が目録。

*1:2013年3月13日追記】第54刷「'02,7.現在在庫 B-1(〜5、A-1〜4、G-1)」10頁、「岩波文庫の最新刊」が「2002.12.」と「2003.1.」の2頁。【2014年6月25日追記】第66刷「2011,5.現在在庫 B-1(〜6、A-1〜5)」と「岩波文庫の最新刊」の「2011.9.」の合計12頁。

*2:7頁「」の前はさらに1行分の空白があるが。