瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『明暗』の文庫本(6)

新潮文庫99(2)
 7月14日付(5)の続き。
 カバー表紙折返しの右下、七刷は「カバー 津田青楓装幀「色鳥」(夏目漱石著 大正四年 新潮社刊)より」であったが、三十三刷・三十六刷・三十七刷改版・三十八刷は「カバー装画 安 野 光 雅」となっている。他の部分、七刷「新潮カセットブック/夏目漱石のカセット/●『硝子戸の中』/朗読=日下武史」の広告。私の見た三十三刷から後のものは、夏目漱石の写真と略伝。
 カバー裏表紙、七刷は右上の紹介文の上下に横線があり、バーコードはない。中央の横線の下にあるISBNコード・Cコードは三十三刷と同じ数字、同じ行にさらに「P560E  定価560円」定価の下に「(本体544円)」とあって、その下の中央に葡萄マーク。三十三刷と三十六刷のカバーは、裏表紙の中央の横線の下、左寄せのISBNコードが10桁から13桁になり、下7桁が「101019-6」が「101019-9」に変わっているだけ。三十七刷改版と三十八刷のカバーは全く同じに見える。三十六刷と三十七刷改版の異同は、バーコードの1つめは一致するが2つめの数字の下4桁が「6674」から「7053」に変わっている等の定価部分のみで、ISBNコードは同じ。右上の紹介文、七刷と私の見た三十三刷から後のものとは、全く違う。後者は11行のうち初めの8行が粗筋を述べているのに対し、前者は粗筋は殆どなく「五十年の人間的体験と十年の作家的修練の果てに達した悟り、人生解決の秘境」だとか「真の近代小説の名に値する数少ない日本の代表的小説のひとつ」などとハイテンションな解説になっていた。11行(1行16字)であるのは一致。後者、三十六刷と三十七刷改版は同文だが組み直されていて、三十六刷は薄かったが三十七刷は濃くなっている。
 カバー背表紙、七刷は紫色地(褪色もあるか?)、私の見た三十三刷から後のものは小豆色地で、上部に標題、中央に作者名が白抜きのゴシック体で、下部に角切の短冊形に白く抜いてその中に[な 1 19]、そのすぐ下ゴシック体白抜きで「新潮文庫」、最下部、七刷は紫色地に黒のゴシック体で「560」に黒の下線。三十三刷・三十六刷は最下部のみ黒地で白抜きゴシック体で「\667」、三十七刷改版・三十八刷は「\705」に白の下線がある。
 カバー裏表紙折返し、七刷は新潮文庫123『草枕』八十九刷・九十刷に同じ、これは7月26日付「夏目漱石『漾虚集』の文庫本(1)」に紹介し新潮文庫382『倫敦塔・幻影の盾』六十一刷と同じ(だと思う)。
 七刷と三十三刷の10頁の目録、3頁め5つめ、七刷は国木田独歩『武蔵野』三十三刷は江藤淳決定版夏目漱石』。5頁めは7月8日付「太宰治の文庫本(02)」で見た、新潮文庫2819『津軽通信』の目録の5頁めの、それぞれ十四刷と十九刷に一致している。6頁めの初め志賀直哉著が5つ、七刷は2つめに『暗夜行路』(全二冊)があったが三十三刷は5つめに「暗夜行路」とある。6つめは七刷が有島武郎或る女』(全二刷)で三十三刷は島崎藤村『藤村詩集』。8頁め、武者小路実篤の6つが並ぶが、初めの3つは同じ、残りが七刷は『空想先生』『幸福者』『幸福な家族』、三十三刷は亀井勝一郎編『武者小路実篤詩集』、武者小路実篤著『人生論・愛について』『お目出たき人』。9頁めは谷崎潤一郎著が6つ並ぶが6つめ『細雪』、七刷は(全三冊)三十三刷(上・中・下)。三十三刷と三十六刷の10頁の目録は一致*1
 「新潮文庫最新刊」3頁あって最後の頁奥付。三十七刷改版・三十八刷には目録類なし。
 奥付、三十三刷・三十六刷・三十七刷改版・三十八刷とほぼ同じ*2、発行日が三十七刷改版までは2行だったのが三十八版から3行になっている他、最下部のISBNコード(13桁)とCコードの文字が、三十六刷では自然に収まっていたのに三十七刷改版ではISBNコードの下7桁以降が不自然に詰まっているのだが、三十八刷ではまた均等に直されている。三十三刷はISBNコードが10桁。七刷のレイアウトも同じだが、郵便番号・電話番号・振替番号は7月15日付「太宰治『斜陽』の文庫本(4)」で見た新潮文庫261『斜陽』八十六刷に同じ。
 こういう同じ情報は、いい加減、まとめてみた方が良いのかも知れぬ。(以下続稿)

*1:2014年6月10日追記】一致と書いたが(多分)誤り。今、三十四刷と三十六刷を比較しているが、1点だけ、5頁めが三十四刷は全て「島崎藤村著」であったのが、そのうち3つめの「家/(上・下)」が三十六刷では「永井荷風  ふらんす物語」に差し替えられていた。

*2:2014年6月10日追記】三十四刷を三十六刷と比較しているがそれぞれの発行日が異なるのみ。