瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

太宰治『走れメロス』の文庫本(2)

・角川文庫14731
 私は3種類のカバーを見ている。8月22日付(1)に貼り付けて置いた現在のAmazon詳細ページの書影は、梅佳代撮影の写真になっているが、なか見!検索すると無精髭の松山ケンイチの写真が出て来る。それから、改版当時のものと思われる望月通陽のカバーは、角川グループパブリッシングHPでは角川文庫1143の詳細情報に書影が掲載されている。
 以下、この3種のカバーを望月・松山・梅、と仮称して、比較してみたい。
 カバー背表紙、水色地、最上部、ゴシック体の著者名の上に「た 1-3」とあるのは松山・梅一致。望月は「QRコード|た|1-3|\362|」となっており、QRコードのところのみ白地。に囲まれたの下に明朝体の標題、その下、望月・松山には小さいゴシック体で「新装版」とあるが梅にはない。下部の「角川文庫 |■」は一致。
 カバー裏表紙折返し、上部に「角川文庫|太宰 治の本 ||」で10点が挙がる。ほぼ同じだが梅の10点のうち9つめの「もの思う葦」が望月・松山にはない。それから3つめ「走れメロス」が松山では「走れメロス 新装版」に、5つめ「人間失格」が望月では「人間失格・桜桃」松山では「人間失格・桜桃 新装版」に、6つめの「ヴィヨンの妻」は望月・松山では「グッド・バイ」になっている。
 下部、右下にKBマーク。松山・梅には文字がないが、望月には「カバー 泉文社 R」Rは◇で囲われている。
 裏表紙、左上のバーコード、ISBNコード・Cコード・定価は一致、右上に横組みゴシック体の14行(1行14字)説明文、異同は3行め、望月「三日目」→松山・梅「3日目」、8行め、望月「日は」→松山・梅「陽は」、11〜12行め、望月「……のほか、「富嶽/百景」「駈込み訴え」「東京八景」/」→松山・梅「……のほか、「富嶽百/景」「駈込み訴え」「東京八景」/」で後者には「ふがく/かけこ・うつた」の振仮名が新たに加えられている。
 表紙折返し、最下部左寄りに、望月「装画/望月通陽」、松山「撮影/三枝崎貴士」、梅「カバー写真/梅 佳代」「カバーデザイン/祖父江 慎 +cozfosh」とある。上部の著者の紹介、上部の横線の上の写真とその右に縦組みで小さく「撮影 渡辺好章」下に横組みで「太宰 治(だざい おさむ)」とあるのは一致、横線の下の横組みの紹介文、望月と松山はともに9行でほぼ同文だが、望月が算用数字を半角、括弧類を全角にしているのに対し、松山の方は算用数字が半角、括弧類が全角となっているため、字詰めに若干のズレが生じている他、「1935年」→「35年」、「処女作品集」→「第一作品集」、「1948年」→「48年」の異同がある。
 松山と梅の異同だが、松山「従事/し、やがて」→梅「従事/するもやがて」、松山「35年、/「逆行」で」→梅「35年(昭和10年)、「逆行」が」、松山「/翌年には第一作品集」→梅「翌年、第一創/作集」、以下、梅の方は大幅に増補されていて「パビナール中毒」や「石原美智子との結婚」「山崎富栄と玉川上水で入水」そして「遺体が発見/された」のが「誕生日」の「6月19日であった。」と結ぶ。(以下続稿)