瑣事加減

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森鴎外『舞姫』の文庫本(6)

 2011年3月6日付(1)に書影を貼った、角川書店 編『ビギナーズ・クラシックス 近代文学 鴎外の「舞姫」』について。
・角川文庫14206(1)
 角川書店 編で、発行所は角川学芸出版で、発売元は角川グループパブリッシング。扉と奥付には「角川文庫14206」とあるが、カバー表紙右下隅とカバー背表紙最下部には「角川ソフィア文庫」とある。
 平成十八年四月二十五日初版発行(205頁)定価590円*1
・平成二十一年七月二十日四版発行 定価590円
・平成二十二年五月二十五日五版発行 定価590円
 四版と五版を見た。奥付の異同はそれぞれの版の発行年月日と「製本所」が「――本間製本」から「――BBC」に変わっているだけ。カバーも同じに見えるが、カバー表紙折返しにある横組み「武田友宏(たけだ ともひろ)」の紹介が、内容が大きく違う訳ではないが、かなり書き換えられている。四版「1943年、青森県生まれ。」の読点が五版では削除されている。ついで、四版は「國學院大學文/学部日本文学科講師(非常勤)。元神/奈川県立高等学校教諭。國學院大學大/学院文学研究科博士課程修了。日本文/学専攻。」と、職歴→学歴の順に並べるが、五版は「國學院大學大学/院文学研究科博士課程修了。日本文学/専攻。元國學院大學文学部日本文学科/講師(兼任)。元神奈川県立高等学校国/語科教諭。」の順になっている。次に四版「編著に『有職故実日本の古典』/等、角川書店の多くの国語辞典・古語/辞典の編纂に携わる。」は五版「編著に『有職故実日本の古/典』等、角川書店の教科書や多くの国/語辞典・古語辞典の編纂に携わる。」となっている。そして最後、四版「角川ソフィア文/庫ビギナーズ・クラシックスの企画者/兼執筆者で、『源氏物語』『徒然草』『お/くのほそ道(全)』他古典編6点、同じく近代文学編の『一葉の「たけくらべ」』/他2点の執筆を担当。」が五版「角川ソ/フィア文庫ビギナーズ・クラシックス/の企画者で、『源氏物語』『徒然草』『お/くのほそ道(全)』などの古典編計10点、/同じく『一葉の「たけくらべ」』などの/近代文学編計3点の執筆を担当。」とある。これは同じシリーズの『竹取物語(全)』十七版(平成二十一年十一月二十五日発行)と同文である*2
 カバー表紙・カバー背表紙では「角川書店編」扉・奥付では「角川書店=編」とあったが、ここでは著者扱いされている。武田氏の名前は3〜5頁「はじめに」の末尾にも執筆者として見えている。古典から近代文学まで執筆しているのは高等学校国語科教諭の授業の経験に基づくものであろう。(以下続稿)

*1:2013年8月6日追加。

*2:「製本所――BBC」。『竹取物語(全)』十七版については6月11日付「角川文庫の『竹取物語』(08)」に記述した。