瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

太宰治『女生徒』の文庫本(2)

・角川文庫863(2)
 8月26日付(1)の続き。
 その後、改版二十六版を見ることが出来た。
【改版二十六版】昭和二十九年十月二十日初版発行・昭和四十三年二月五日四十四版発行・昭和五十五年五月三十日改版二十六版発行・¥260・234頁。
 改版四十五版・改版五十二版・改版五十七版とは頁数が違う。よって詳しく比較してみたいが、差し当たり8月26日付(1)の続きを済ませて置きたい。

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 改版四十五版のカバー表紙折返し(右下)にも「カバー 安西水丸」とある。すなわち表紙は改版五十二版と同じ。
 カバー背表紙、上部「た|1-2 女生徒」中央やや下「太宰 治」標題と著者名は太字明朝体、下部ゴシック体「角川文庫●350」●に白抜き「P」。
 カバー裏表紙、左上にバーコード2つ、下のバーコードの下4桁が「3506」だったのが改版五十二版・改版五十七版は「4205」になっている。右上、1行めのISBNコードは同じ、2行めのCコードは同じだが「 P350E 定価350円」と続く、この定価のすぐ下に「(本体340円)」とある。
 カバー表紙折返しに「女生徒 他十三篇」と題して、横組み明朝体9行(1行16字)の紹介文がある。これは改版五十二版ではカバー裏表紙中央に縦組みゴシック体11行(1行14字)で入っている。同文だが漢数字「一二」「二三」が改版五十二版では「十二」「二十三」に改められている。カバー裏表紙折返しの下部には「野性時代」の広告。
 カバー裏表紙折返しは横組みで上部に「角川文庫太宰 治作品集」として「晩年/女生徒/ろまん燈籠/走れメロス/斜陽/人間失格・桜桃」左下に小さく「カバー 旭印刷」右下にKBマーク。改版五十二版は一番上が「角川文庫クラシックス」に変わっている他は同じ。
 次に改版五十七版のカバーについて、見て置く。
 カバー表紙折返し、上部に顔写真、左に下寄せで「撮影=渡辺好章」、下に「●太宰 治(だざい おさむ)」として以下縦組み9行(1行17字)の紹介文、右下に横組み「装画 望月通陽」。この望月氏のカバー装画は、Amazon詳細ページで見ることが出来る。
 カバー背表紙、上部だけ白地でQRコード、その下から水色地で「|た|1-2|Y420|太宰 治  女生徒」とある。著者名はゴシック体、標題は明朝体の太字。の中にある。下部に「角川文庫 |■」。
 カバー裏表紙、左上のバーコード2つと右上のISBNコード・Cコード・定価は改版五十二版に同じ、中央に縦組みゴシック体の紹介文があるのは同じで、初めに「燈籠」「きりぎりす」「千代女」の書出しの一文を引用するのも同じだが、改版五十七版は12行(1行14字)になっており、書き換えられている。まず引用について、一番短いものを例に取ると、改版五十二版は「「おわかれ致します」(きりぎりす)。」を改版五十七版は「〈おわかれ致します〉(きりぎりす)。/」と括弧が変わっているのみだが、以下が改版五十二版「こういう書き出し/で始まる女性の独白形式による/作品を集めてみた。昭和十二年/から二十三年まで作者の作家活/動のほぼ全盛期にわたるいろい/ろな時期の心の投影色濃き女の/物語集。」となっていたのが改版五十七版は「昭和十二年に発/表した「燈籠」をはじめ、ひとり/の女性が、あたかも読者に語り/かけてくるような独白体形式の/作品は、太宰のもっとも得意と/する手法のひとつだった。作家/の折々の心情を色濃く投影する/女の物語、十四篇を収録。」となっている。
 カバー裏表紙折返し、縦組み「角川文庫太宰治の本*1」として「晩年/女生徒/走れメロス/斜陽/人間失格・桜桃/グッド・バイ/ろまん燈籠/津軽/もの思う葦/愛と苦悩の手紙」10点が並ぶ。下部に横組みで小さく「カバー 旭印刷 R」Rは◇で囲まれている。右下にKBマーク。(以下続稿)

*1:●は○の中にあり。