瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『こゝろ』の文庫本(2)

・角川文庫13391
改版十六版】カバー表紙は暗い森の中、池に蛙が2匹、1匹は蓮葉の上に、1匹は蛙泳ぎ、この池畔に栗鼠と向き合っている、「発見!角川文庫」のキャラクター「ハッケンくん」というイラスト、右上に短冊形にゴシック体[こゝろ]、左上にゴシック体で[夏目漱石]。
 私の手にしている本には、この「ハッケンくん」の3コマ漫画(?)の栞が挟まっている。裏は黄緑色に白抜きゴシック体縦組みで「あのてっぺんにのぼってみたいな、/とハッケンくんは思いました。」下部に横組みで大きく「発見!/角川文庫/2010」とある。「てっぺん」とは入道雲。それはともかく改版十六版は平成21年(2009)5月だのに平成22年(2010)のフェアの栞が挟まれ、カバーがかかっているのは、随分出荷まで時間がかかっていることになるだが、しかし別のカバーがかかっている改版十八版だって平成22年(2010)3月なのだから、どうもこの辺の流れ、版次とカバーの組み合せというのが複雑怪奇な様相を呈しているようで、とにかく自分の見たものごとに一々メモを取って置くしかなさそうなのである。こうなったらいっそのこと、カバーにも版次を示して欲しい。符牒のようなものでも良いから、本体とは別に表示してもらえないものだろうか。
 カバー表紙折返し、一八八版・改版初版に同じだがさらに縮小され範囲も狭い顔写真と横組みの作者の紹介文は24行(1行17字)で、生年がなかったり(一八八版)没年がなかったり(改版初版)したものに比して詳細になっている。表紙のイラストについての説明はない。
 カバー裏表紙、左上にバーコード2つ、これは改版初版に同じ。その下に改版初版では右上にあったISBNコード・Cコード・定価の3行がある。ISBNコードは13桁下1桁が「-X」だったのが「-2」に変わっている。右上に改版初版と同文の14行の紹介文が、横組みになって入っている。1〜4行めが1字ズレているのみ。
 カバー裏表紙折返し、横組みで「角川文庫|夏目漱石の本 ||」と題して、以下改版初版と同じ11点が並ぶ。右下にKBマーク、印刷所は記載がない。
改版十八版】カバー表紙は切り絵風、中央左やや下に萼のない躑躅の花があって切れた蘂がいくつか散っている。右上は金魚鉢を上から見たらしく11匹の魚影が見える。右下に小さく「角川文庫」、躑躅の花の上に輪郭のはっきりしない赤い丸があって、そこに縦書き・白抜き「こゝろ夏目漱石」とある。
 カバー表紙折返し、顔写真と作者の紹介文は改版十六版に同じ。下部に「カバーイラスト/中川 学」「カバーデザイン/片岡忠彦」と2行。このイラストは8月16日付「夏目漱石『それから』の文庫本(1)」に現在示されている(未見だが)現行の角川文庫『それから』に同じ画風。カバー背表紙【改版十六版】に同じだが、地色が肌色だったのが淡くなっている(但しこれは褪色かも知れない)。カバー裏表紙、カバー裏表紙折返しは改版十六版に同じ*1
 奥付、発行日が違うのみで改版十六版に同じ*2。(以下続稿)

*1:2013年12月25日追記】このカバーが掛かっている改版十六版を見た。【2016年3月5日追記】このカバーの改版十六版と改版十八版を並べて見た。異同はカバー背表紙の地色の肌色が、私の見た改版十八版は赤味を帯びていることくらいである。【2017年3月26日追記】このカバーが掛かっている改版二十版を見た。異同はカバー背表紙の地色の肌色が、私の見た改版十八版は赤味を帯びていることくらいである。

*2:2017年3月26日追記】改版十八版と改版二十版の異同は、奥付のそれぞれの発行日の1行のみ。