瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松本清張『半生の記』(1)

新潮文庫1909(1)
①昭和四十五年六月二十五日発行(155頁)
・平成六年七月十五日二十八刷 定価272円
・平成十一年七月十五日三十刷 定価324円*1

半生の記 (新潮文庫)

半生の記 (新潮文庫)

②平成十六年五月十五日三十二刷改版(188頁)
・平成十七年五月二十五日三十三刷 定価362円
・平成十八年六月二十日三十四刷 定価362円
・平成二十年一月二十五日三十五刷 定価362円
・平成二十一年七月十日三十七刷 定価362円*2
・平成二十五年五月五日四十刷 定価400円*3
 ①二十八刷のカバー表紙折返しの広告、裏表紙折返しの「新潮文庫松本清張の本」46点54冊は10月21日付「松本清張『小説日本芸譚』(1)」で取り上げた、同日に増刷されている新潮文庫1476『小説日本芸譚』三十三刷に同じ。
 カバー表紙折返しの右下、①二十八刷「カバー 小貫政之助」とある。表紙絵は灰色を基調にした、陰鬱な表情の顔が3つ重なった暗い絵で、それ以外の色は最上部左に僅かに黄緑色の半円が見えるのみ。題は上部の黒い長方形に明朝体白抜きで、その下に黄緑の明朝体で著者名。
 藤井康栄『松本清張の残像(文春新書290)』(平成14年12月20日第1刷発行・定価700円・文藝春秋・222頁)の前半29〜86頁「『半生の記』を考える」で、松本氏が本書で描いた「濁った暗い半生」と呼ぶ小倉時代について、読者がその「灰色の色調」や「全体にただよう暗いトーンに支配されて」しまい、「実態との距離」の存在に気付かない、ということに注意を喚起しているが、その一因は、藤井氏は触れていないけれども、この小貫政之助(1925.1.10〜1988.6.3)の暗い表紙絵にあるのではないか、という気がする*4
 ②のカバー表紙折返し、上部の写真と紹介文は新潮文庫1476『小説日本芸譚』③三十五刷改版及び10月19日付「松本清張『黒地の絵』(1)」の②四十九刷改版に同じ、右下に「カバー装画 岸田劉生「道路と土手と塀(切通之写生)」(部分)東京国立近代美術館 蔵)/カバー装幀 多田和博」とある。
 カバー裏表紙、説明文は①二十八刷も②三十三刷・三十四刷・三十五刷も同じ。私の見た①二十八刷は定価やISBNコードの上にバーコードが貼付されているため、税抜定価は推定。
 カバー背表紙、最下部が①二十八刷「280」、②三十三刷・三十四刷・三十五刷「\362」で、ともに太い下線がある。
 ②三十三刷と三十四刷のカバーは同じ。奥付もそれぞれの発行日が違うのみ。三十五刷はカバー裏表紙がISBNコードが13桁になっている。奥付は発行日とISBNコードが違う。
 1頁の扉、3〜4頁「目次」、5頁の中扉まではほぼ同じ。7頁から頁付があって本文。①は1頁18行、1行43字、155頁まで。②は1頁16行、1行38字、188頁まで。次の頁に①は「文字づかいについて」6項目、②は「この作品は昭和四十一年十月河出書房新社より刊行された。」とあって、奥付の前に「新潮文庫最新刊」が①二十八刷は3頁、②は見開き2頁。
 奥付、①二十八刷と②は発行日、発行者、郵便番号が3桁から7桁、電話が営業部/編集部の順から編集部/読者係の順に(編集部は同じ番号、営業部と読者係も同じ番号)、「振替 東京四―八〇八番」がHPアドレスに、製本が「有限会社加藤新栄社」から「加藤製本株式会社」に、最下部のISBNコードが10桁から13桁に、という異同がある。(以下続稿)

*1:2016年7月29日追加。

*2:2015年9月22日追加。

*3:2015年8月11日追加。

*4:2013年9月28日追記】小貫氏のカバー表紙はAmazon詳細ページにて閲覧出来る。